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戦争の経済効果

2015/01/05 04:35 投稿

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前回の続き。

戦争の経済効果というものは、一体どういうものなんだろう。
例えば昔だったら相手の陣地に乗り込んでいって、財宝やら奴隷やらを持ち帰ることで富の増加、つまりは経済の成長につながったよね。

でも近代の戦争においては秩序を守るための戦争だよね。たとえ勝ったとしても財産を奪うことは出来ないし、戦争によって生産の効率性が高まるわけでもない。だから経済的効果というものはきっと、限定されたものになるはずだ。

そして戦争の費用対効果という問題もある。つまり失業者やロクに教育されていないような低賃金の労働者を駆り出して戦争に出すのであれば、たとえ兵士が死んでも経済的ロスは少ないだろう。

しかし現代では一般人は先進国を中心に高い教育が施されているわけだし、それに伴って人間の価値も増しているから、戦いに行かせることのメリットよりも、死なせることのデメリットの方が上回る可能性もある。職業軍人の場合も同様。一人前の兵士にするのにも給料を払ったり衣食住を払ったり訓練をさせたりで、かなりの費用がかかっている現代においては、戦争をする利点は減っているに違いない。

今は第2次世界大戦の起点、「1937年」と類似

http://toyokeizai.net/articles/-/48801

だからそういう意味で1937年と酷似しているとか、戦争のリスクが高まっているとか言うことには、少々無理があるのかもしれないな。ミサイルやら爆弾やらで効率的に人を殺せるようになった現代においては、下手に手をだすことは自分の首を絞める結果になる。

それに相手国の武力行使に対して、武力でやり返す以外の手段が思いのほか抑止力として効いている現実も有る。実際ロシアのクリミア侵攻については国際社会は非難こそすれ軍事的な制裁を行うことはしなかった。

しかし実際には国際社会から締め出されることによる経済的なダメージが、ロシアを苦しめている現実もある。そう考えても経済が発展すればするほど、戦争のメリットは減っていくと考えても良いのかもしれない。

もし朝鮮戦争が起こったら日本経済はどうなるのか?

http://wpb.shueisha.co.jp/2013/04/18/18528/

もっともそれは逆に言うならば、経済が発展していない国にとっては、なお戦争にはメリットがあるということなのかもしれない。やっぱりそのような国は人間の価値が低いし生産設備もなければ失うものもないから。イスラム国や北朝鮮のように先進国を目の仇にして捨て身で攻めてくることには、自分達にとっては意味が無くても、向こう側にとっては意味があることであり、メリットがあることなのかもしれないね。

だから軍事力というものは、これからはそういう国のヤケクソ的な暴発を防ぐ目的のために用紙した方が、コスト的にも見合うかもしれない。

ちなみに朝鮮戦争勃発の日本経済への影響はどうなんでしょうね。戦争で韓国経済が破壊されれば日本経済の地位が相対的に上がるので、プラスとも考えられなくないけれども、でも日本が攻撃リスクも顕在化するわけだから。利益ばかりとはいえないんじゃないかな。

とまあ一通り語ったところで、最後に戦争特需による景気の拡大と、戦後の景気の落ち込みとの関係について。アメリカ経済などを見ても、戦時中はGDPが増えて失業者が減るけれども、戦争が終わると途端に失業者が増えて、GDPが落ち込むという傾向が見られたわけだけど、これをどう説明すべきだろうか。

この点自分は経済は実際成長してなかったと見ますけどね。つまり戦争が長引くほど戦費がかさむし、供給能力も停滞することになるので年々インフレが高まり、それが実質成長が底上げされているように見せていたのだろうと。基本物価というものは需要に遅れてやってきますので、毎年インフレ率が高まっていくと、実際には成長していなくても実質GDPが上がる仕組みになっておりまして、「戦争をすれば景気が良くなるんだ」という一部の誤解も、そこから生まれたものだと思われます。

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