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ろくでなし子の挑戦

2014/12/27 03:15 投稿

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ろくでなし子は一体どうなるんですかね。

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基本的に被告が刑罰を受けるのは「規範的障害」を乗り越えたからだよね。つまりやってはいけないと知りつつやったことにより責任があると認められ、それにより刑罰が科せられる。

だからやってはいけないという規範に直面し得ない、心神喪失者や年少者の犯罪は罪には問われないし、ろくでなし子のような確信犯、つまり自身の信条から正しいと信じて行った行為についても、故意または違法性の意識がないので罪には問われないとなる。よってろくでなし子は無罪になるべきだ。

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でも実際に確信犯が無罪になった例がないのは、「確信犯はこの世にいません」ということを前提に司法が回っているからだよね。つまり政治信条で正しいとは言っていながらも、実はあなたは違法だということを気づいていたんでしょうと言って有罪にする。あるいは検察が「そんな不誠実な態度じゃ保釈なんて認められないよ」と言って自白をさせる。

あるいは公判で被告が「自分の行為は正しいと思ってやりました」と言おうものなら、裁判所は「不自然な言い訳に終始し反省の態度も見られない」と言って極刑にすると。このように確信犯はいませんよという前提に司法全体が立つことで、責任主義と現実との矛盾を、上手くかいくぐってきたんだよね。

だからきっとろくでなし子に関しても、検察はそういう展開に持って行きたいんだよね。こうやって先に共犯者である北原みのりを先に処罰することで、ろくでなし子は違法性の意識があるという心証を、裁判所に植えつけたいところなんだろう。

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しかしそれでも違法性の意識がないとなった場合にはどうするんだろうね。
ろくでなし子の態様からするに処罰するのは気が引けるし、責任主義からすれば無罪になるべきだけど、でもこれを無罪としたら警察や検察からすれば悪しき前例が出来てしまうわけで、今後わいせつ物絡みでの逮捕立件に支障が出る。絶対「わいせつだとは思ってません」と言って罪を逃れようとする人が沢山出るのは目に見えてるんだからね。裁判所も検察も、きっと何とか論理構成をひねり出して有罪にしないといけないと思っているに違いない。

一方で175条をはじめとして、この手の犯罪については捜査当局による恣意的な運用がなされてきたのも事実だよね。実際コンビニや本屋に行けば普通に成人向け雑誌やBLの類は買えるし、リアルでもネットでもアダルト動画が何の制限もなく見られる中で、特定の事件だけを取り上げ検挙処罰しようという彼らの態度には、大いに問題がある。

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それにそもそもの話として、この手の犯罪については「わいせつ」って何ですかという問題もあるよね。
実際定義が曖昧なので違憲無効であるという主張は法曹界からもかなりなされているのだけれども、裁判所はチャタレイ事件の3要件を挙げてこれを合憲としてきた。

でもそうであるならば、成人雑誌やらBLやら、アダルト動画やらが広く流通している現状はどう捉えているのか。警察や検察からすれば性器のモザイクが薄いと「わいせつ」で、そうでなければ「わいせつ」ではないとでも言いたそうである。実際ろくでなし子が起訴されたのも、きっとそういう論理なんだろう。

しかし性器の露出のみでわいせつ性を判断するのはおかしいよね。明らかに男女が絡み合ってアンアン喘いでいるのに、性器が見えないのでわいせつではなくセーフというのは、それこそ価値判断がどうかしてる気がする。

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だから法的な問題点やら現実との矛盾を、解決しないまま今までズルズルと来てしまったということなんだよね。憲法違反の疑いもあるし、アダルト動画が普通に見られる状態にもあるわけで、法運用と現実との乖離が見られるわけでもあるんだけど、それを突かれると警察も検察も更には裁判所も痛いものだから。早めに被告人にゲロさせてしまうことで、その法的判断を回避してきた。

しかしろくでなし子が勇敢にも戦いを挑んでしまったことで、その逃げ道がふさがれてしまったんじゃないか。そういう意味でこの裁判の行方というのは、結構興味深いかなと思っていますけど。

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