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行動経済学からバブル発生の根拠を考える 2

2013/12/24 10:18 投稿

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前回の続き。
効率的市場仮説と行動経済学の話をわかりやすく説明するなら、競馬の話がわかりやすいかな。一般的に馬の勝つ確率とオッズというものは大体連動している。なぜかと言えば、「当てたい」という前提の下で一着になる馬を競馬予想紙が情報等を下に合理的に予想し、そして「儲けたい」という前提の下に一般のファンやらが競馬予想紙を参考にしたり、自身の高い精度と見識をもって合理的に予想しているからだ。

だからテラ銭を除いて考えた場合、競馬紙の印の打ち方と実際のオッズ、そして実際のオッズとその馬の勝率とは連動しているといえる。つまり単勝2倍の馬であれば2回に1回は勝ち、5倍の馬なら5回に1回は勝つということになり、効率的市場が機能しているといえる。




ただしその「合理的判断」に架からない事象が絡んでくると、オッズと馬の勝率とはズレてくるよね。例えばアイドルホースが現れた場合だ。例えば動画のハルウララのように「負けても好きなんで馬券を買います」というファンが沢山現れると、あっという間にハルウララは一番人気に押し上げられることになる。

でも単勝が1倍元返しだからと言って、ハルウララが100%勝つと評価されているわけではないよね。つまりこの時、ハルウララの熱狂的なファンによって効率的市場仮説の前提となる「みんなが儲けたい」という前提が崩れたことになり、「馬の強さ」と「オッズ」との関係も成り立たなくなっていることがわかる。

このように効率的市場が何らかの原因で機能しなくなった時に、その現象を説明するのが「行動経済学」ということになるわけだね。つまり行動経済学ではアイドルホースが現れたために人間が熱狂し、効率的市場仮説の前提となる合理的な判断が歪められていると評価されると思われる。

ではプレジデントさんが挙げられているような、「大人の算数塾」の話はどうか。効率的市場仮説という話を前提とするのであれば、「期待値」と「営業に力を入れる営業社員」とは、大体比例しているはずであるだね。つまり「期待値」とは「予想売上高×契約できる確率」で計算されるので、A社は300万円×80%=240万円、B社は500万円×50%=250万円、という風に計算していくと、一番売上が見込めるのはB社であり、以下期待に応じて、営業に向かう社員の数が比例的に並ぶとなりそうである。

しかしながら実際にはB社に向かう営業社員が1番多いとはならないよね。何故なら人間は傷つきやすい生き物なのであり、失敗すると大抵の人は落ち込んでしまうからである。だから50%の確率でB社にアタックして砕けるよりは、80%の確率で成功するA社を選んで満足しようとする人の方が、実際には多いと思われる。つまりここにも効率的市場仮説と行動経済学との認識のズレがある。


とまあ長々と説明したけれども、ここでようやく本題に入る。つまり以上のような話を前提とすると、「人間にストレスをかける」という行為は、合理的な判断を失わせて正しくない方向へと向かわせる可能性が高い。例えば消費税の話。一般的には増税することで「国民に負担を求め理解してもらおう」とは言うけれども、人間の本質からすると「生活を切り詰めることはしたくもないし出来ない」ので、様々な手を使ってその損失を回避しようと試みると思われる。例えば株をやったり、不動産を買ったり、あるいは人によっては脱税したりこんな風に楽天ポイントの「10倍ゲット」ワザを使ったりするわけだ。

ここで本来ならば「生活を苦しい時こそ汗水垂らして働いて、より良い未来を切り開いて行こう」でも言えば良さそうなものだね。しかしながら人間は楽な方を選ぶ生き物なので汗水垂らして働くぐらいなら、株買うわ。ボタン1つで楽だし」となるわけだ。こうして損失回避行動に出た国民が不動産や株などの資産価格を吊り上げ、最終的にはバブルと発展、崩壊へとつながっていくと思われる。

そして消費税と同様に金融緩和も、人間にストレスを与える原因になると思われるね。一般的に金融緩和も消費税も「物の値段が上がる」という意味では効果は一緒なので、消費税と同様に資産価格の高騰が発生する。だからポストセブンさんの記事の中で高須院長が言っていることは、かなり正しいといえる。YES! 高須クリニック!

この点
貨幣の「流通量を増やす」という点では、一見「金融緩和」も「従来型の国債増発による財政政策(主に公共事業)」も似ているので、「金融緩和がダメだというなら財政政策もダメなはずだろバーカ」という指摘が考えられそうなものだけれども、金融緩和と財政政策とでは「人間に与えるストレス」という点において、異なるものなんだ。

つまり金融緩和は「インフレ」という効果が直接やってくるので、人間に過大なストレスをかけてしまうけれども、財政政策はツケを後回し、先送りにするものなので、人間に与えるストレスが少なくなっているという点で異なっている。そして経済効果というものも見逃すことは出来ないな。つまり金融緩和を行えば前述のように人間は損失回避行動を取ってしまうところ、財政政策においては労働が伴っているので、回避行動も採りづらいし国際競争力の強化も期待できるということなんだ。

だから結論において不況の時に有効なのは、財政政策のみであるとなりそうだけど、それでは金融緩和消費税増税と財政政策とをミックスさせた場合にはどうなるのだろう。多分安倍政権が公共事業費増等を盛り込んでいるのは、消費税増税後の景気の落ち込みを防ぐためだよね。つまり増税した分を公共事業として還元すれば、差し引きゼロでしょと。

ただし「人間に与えるストレス」というものを考えた場合、カネを徴収した後で還元したところで、人間のストレスが差し引きゼロになるとは考えづらいんだよね。心理的にも不快感が残るだろうし、そもそも還元の対価である公共事業には「労働」というストレスが伴っているんだからね。良い影響が生まれるとは思えないんだけどな。

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