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「邦人救出の米艦防護」というが―米側「他国民救出すれば米市民危険」

2014/07/07 11:08 投稿

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 安倍晋三首相は集団的自衛権行使容認の口実として、朝鮮半島有事を念頭に、海外での紛争から避難する日本人を救出する米艦の防護を繰り返しあげています。しかし、米側は米国防総省のホームページで公表している文書で、海外で有事が発生すれば「自国民救出」が最優先であり、他国民救出に関与すれば「米国民を危険にさらす」との考えを示していることが分かりました。

 文書は、米国民の救出に関する米国防総省と国務省との合意メモ(1998年7月)です。「第三国国民の救出」と題した添付文書には「海外有事で、米政府の第一義的な事項は米市民の保護である」と明記。第三国の市民救出に関する協定を交わせば「米軍と米市民を重大な危険にさらす」と述べています。

 例外的にカナダ、英国とは協定を結んでいるものの、その内容は「救出計画について協議する」ものであり、「カナダ、英国を含む全ての外国政府は、自国民の救出に関する計画を持ち、(艦船や航空機など)米政府の資源に頼らないことになっている」と明言しています。

 さらに文書は朝鮮半島有事に関して、「多くの国にとって、救出に関する正式な協定を結ぶことの損害は、利益を上回る」として、日本などと相互に自国民救出の協定を交わすことに否定的見解を示しています。

 日米両政府が97年9月に合意した現行の「日米軍事協力の指針」(ガイドライン)は、「非戦闘員の退避」について、「日米両国政府は、各々が適切であると判断する場合には、…輸送手段の確保、輸送及び施設の使用に係るものを含め、これらの非戦闘員の退避に関して、計画に際して調整し、また、実施に際して協力」するとしています。

 ただ、米側の「合意メモ」に基づけば、「調整」「協力」にとどまり、日本人を米艦船に乗せることはありえないことになります。

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