参院厚労委
日本共産党の小池晃議員は26日の参院厚労委員会(閉会中審査)で、武田薬品の降圧剤(血圧を下げる薬)ブロプレスの研究不正問題を取り上げ、「臨床研究の信頼を失墜させ、医療保険財政に重大な影響を与えた責任は重大だ」と追及しました。
武田薬品はブロプレスの臨床試験に企画段階から全面的に関与。京都大学に置かれたデータセンターを仕切ってデータを捏造(ねつぞう)して、ブロプレスの効果を大々的に宣伝する広告を医学雑誌に掲載していました。
小池氏は、高血圧治療薬のデータ改ざん事件で逮捕者まで出した製薬大手ノバルティスファーマのケース以上に悪質だと指摘し、ノバルティス社と同様に厚労省が刑事告発すべきだとただしました。田村憲久厚労相は「われわれも精査している。分かった事実を基に適切に対応する」と答弁しました。
さらに、小池氏の質問に厚労省は、ブロプレスの売り上げが総額1兆5000億円余りにのぼると答えました。小池氏は「医療保険財政に与えた影響も甚大だ」と指摘。武田薬品社長の長谷川閑史(やすちか)氏が政府の産業競争力会議に民間議員として参加し「残業代ゼロ」の提言までしていることについて、「自社の研究不正をたださず、財界代表として政策決定に関与することなど許されない」と厳しく批判しました。与野党席から「そうだ」の声があがりました。