環境省が国直轄の除染作業に従事する労働者に支払う勤務手当(特殊勤務手当)を日額1万円から6600円に引き下げた問題で、福島県労連・労働相談センター(小川英雄所長)は17日、引き下げ撤回を求めることを記者会見で表明しました。
環境省は引き下げ理由として「労務単価が増えている」などと説明しています。
国土交通省が定める福島県の除染労働者の労務単価(日額)は、13年3月まで1万1700円、同年4月から1万5000円、今年2月から1万6000円へと引き上げられました。これに特殊勤務手当を加えた1日の収入額は、今年2月からは2万6000円になるはずです。
記者会見した小川所長は、同センターが2012年暮れから受けた除染労働者の相談(230件)のうち国直轄地域の分をまとめると、最高で1万8000円、最低1万円、平均約1万6000円だと指摘。労務単価の引き上げは労働者の賃金に反映されていないとのべました。
小川氏は、「結局、労務単価引き上げ分がゼネコンと中間業者に回り、ピンハネ額が1人当たり1日1万円にもなっており、この解決が急務です。環境省の特殊勤務手当の引き下げは事実にもとづかないだけでなく、ただでさえ危険がともなう除染作業に労働者が集まらなくなってしまう」とのべ、引き下げ撤回を強く求めました。