「困る」「怒り心頭」73%
「節約も限界。もう暮らしていけない」「安倍首相は、どこまで冷たいの」―。4月から消費税が8%に増税され、いっそう苦しさを増す庶民の生活。東京都内の商店街やオフィス街で聞くと、増税による打撃、不安や安倍政権への怒りの声があふれていました。 (取材班)
都内でも有数の下町の商店街で平日の昼間からにぎわう板橋区の「ハッピーロード大山商店街」。本紙は14日、「消費税8%増税をどう思いますか」と買い物客や商店主らにシールアンケートを行いました。
「賛成」はゼロ
アンケートに応じてくれた114人中、増税は「困る」48人、「怒り心頭」35人と反対意見が83人(73%)にのぼりました。増税を「しかたない」という回答は31人(27%)ありましたが、「賛成」にシールを貼る人は“ゼロ”でした。
「怒り心頭」にシールを貼った女性(29)=板橋区=は現在求職中です。「ハローワークに行っても求人状況は良くなっていない。安倍首相は、増税にみんな怒っていることを知ってほしい」と憤ります。
小学4年生の男の子も「ぼくも貼っていいですか」と「困る」にペタリ。「駄菓子屋さんが値上がりしちゃった」と悲しそう。
商店への増税の影響は深刻です。60年続く金物屋の男性店主は、増税と物価高で仕入れ代が上がり、商品を値上げせざるをえませんでした。「アベノミクスというが、大企業を優遇して、商店街は衰退している。10%に増税されたら廃業を考えてしまう」
運賃増に実感
都心のオフィス街に近いJR新橋駅前でも話を聞きました。仕事の打ち合わせで待ち合わせ中の男性(50)=横浜市=は「交通運賃が上がっているのを見ると増税を実感する。でも給料はあがらない。高校生と浪人生を抱えて家計は大変です」と訴えます。
ビジネスマンのなかでは、「社会保障に使うのなら」などと“条件付き”で「しかたない」という声も目立ちました。しかし、対話すると家計への影響を訴える人がほとんどでした。