働く人の所得を増やせ
いまこそ政治の出番
深刻な「デフレ不況」から抜け出すために、働く人の賃金をどうやって引き上げていくかが、総選挙の重要な争点に浮上しています。9日のフジテレビ系の党首討論番組でも、最初の質問が「国民の給料をどう上げるか」でした。しかし、賃金アップに直結する具体策を示したのは日本共産党の志位和夫委員長だけでした。
今冬のボーナスは過去最低を4年連続で更新しました。総務省の家計調査では、1世帯あたり実収入は1997年をピークに102万円も減っています。
賃金が下がると需要が冷え込み、モノが売れなくなる―志位氏はこの悪循環を断ち切るために、消費税増税の中止とともに、「働く人の所得を増やす政策へと抜本的に転換する―ここに最大のカギがある」と訴えています。
日銀の白川方明総裁も11月の講演で、デフレ脱却のため「賃金引き上げが不可欠」と指摘。「家計が安心してお金を使える環境を政府がつくることが必要」と強調。「毎日」10日付夕刊は「賃金上げる政策必須」との特集を掲載しています。
民主、自民、公明の3党は、効果がない「金融緩和」や公共事業のバラマキ、大企業支援を競い合っています。維新、みんなの党は、賃金をさらに抑え込む「規制緩和」路線を主張しています。
日本共産党が具体策
電機産業の13万人「首切り」をはじめ大企業は「リストラ競争」に走っています。「目先の利益優先で人減らし競争をすれば日本の経済も産業もダメにしてしまう」(志位氏)のです。志位氏は「政治の出番です」と訴え、「働く人の所得を増やす政策を本腰を入れて実行していく」ことを呼びかけています。
リストラ規制
第一は、身勝手なリストラをやめさせるとともに、「正社員として安心して働ける」ルールをつくることです。
非正規労働者の割合は民主党政権時代も増え、2000年の26%から35・5%(総務省労働力調査)に急増。民自公3党は労働者派遣法の改定から「製造業・登録型派遣の原則禁止」を削除するなど骨抜きにしました。
日本共産党は労働者派遣法を抜本改正し、均等待遇ルールをつくろうと訴えています。
最賃引き上げ
二つめは、最低賃金を時給千円以上に引き上げることです。
最低賃金は全国平均時給で749円。フルタイムで働いても年収150万円にもなりません。
日本共産党は中小企業に手当てをしながら時給千円以上へと大幅に引き上げて、「働く貧困層」をなくしていこうと訴えています。
公正な取引を
三つめは、下請け単価の買いたたきなど不公正な取引をやめさせることです。日本共産党は、大企業と中小企業が公正・公平に取引できるルールを、独占禁止法の強化などによってつくるとしています。
大企業の内部留保(ため込み金)は260兆円を超えています。その一部を還元しただけでこうした政策を実行できます。志位氏は、「260兆円のお金が動きだして、みなさんの所得を増やし、内需を活発にし、日本経済をまともにする道が開かれてくる」と訴えています。