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エッセイ「静香ちゃん」

2020/11/12 00:14 投稿

コメント:2

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僕はストーカーだった。

中学2、3年の頃だ。

クラス名簿の住所を見て、夜に自転車で、好きで好きでたまらない静香ちゃんの家に向かった。

2階建てアパートの201号室の明かりをぼーっと眺めながら
「静香ちゃん・・・」と何度もつぶやいた。

その時の自分の顔は、きっと散歩中に道端でうんこしている犬の顔くらいなさけない顔だったに違いない。

当時「ストーカー」という言葉は無く、僕は純愛ゆえの愛情行動だと自分に酔っていた。

俺はもう一生これ以上人を好きになることなんてない!
なんて本気で思っていた。

完全に危ないヤツだ。


愛情行動という名の奇行は何度か続いた。

悲しいかな、人間とは慣れてしまう生き物で、僕はもっと静香ちゃんに近づきたくなった。

もしかしたら心のどこかで静香ちゃんに見つかりたかったのかもしれない。
見つかって静香ちゃんが僕をののしった時に、
「君のことが好きだったんだ」と伝えたかったのかもしれない。

僕はアパートの敷地内に忍び込み、自転車を探した。


僕は心臓が高鳴った。

今日も通学で使用したであろうホカホカの自転車が目の前にあった。

サドルはだめだ。サドルは聖域だ。
サドルに触れると静香ちゃんが汚れてしまう。

僕は周りを確認し、息を殺しながらそっとハンドルを握った。

ああ、今僕と静香ちゃんは手と手を握り合い一つになっている。
そうだ、合体しているのだ。
宇宙と宇宙がぶつかり合っているのだ。
ビッグバンなのだ!





静香ちゃんの誕生日には、手紙入りのオルゴールを自転車のカゴに置いてきた。


つづく

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コメント

あるくる
No.1 (2020/11/12 00:18)
悔しいが、「悪くない」と思ってしまった(笑)
アフラン (著者)
No.2 (2020/11/12 00:20)
>>1
ありがとうございます。
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