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ポプコムを語る その9 掲載されたマンガ

2016/08/06 20:49 投稿

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@マンガが載っていた
パソコン雑誌のポプコムですが、マンガも誌面をにぎわせていました。その種類も、プログラミング講座、ゲームの攻略方法、ゲームをマンガ化したもの、ゲームと関係のないオリジナルのストーリーものまで多種多様。ポプコムは誌面の内容をプログラミングからゲーム情報へと重心を移すのですが、マンガも誌面にあわせるように変化していきました。今回は掲載されたマンガとその内容について語ります。

※ちなみに今回は4コママンガ、イラスト系についてはふれておりません。4コマだと「だれがアホやねん」とか大好きなんですが、また別の機会に。

@誌面において

マンガが本の中で掲載されていた場所は、中ほどか一番うしろ。ほとんど1本でしたが、2本載ることもありました。本誌の内容とあまり関係ないストーリーマンガだと一番うしろに掲載されていて、裏表紙から開くとマンガの扉絵がのっていました。つまりは左開きの本誌とは逆からページをめくっていく形になります。ストーリーマンガを乗せるときは、誌面の内容とは離れたものですよ。オマケですよ。ということを表す意図もあったのでしょうか。

個人的な印象で言うと、当然ながらポプコムにおけるマンガというのは脇役であり、誌面が食事なら、マンガはデザートでしたね。ただ、それでも載っていればちょっとうれしい、やっぱり続きは気になる。その場にいてくれてよかった、という脇役であったと思います。

@パソコン学習マンガ
初期のプログラミングが中心の頃は、パソコン学習マンガが載っていました。「らくらくマイコン」と「おれたちマイコン族」です。両方ともパソコン初心者の中学生が主人公。このあたりはポプコムの読者層を意識したものだと思われます※1





初心者の中学生が、弟やおじいさんなどパソコンの知識を持っている周りの人達に教えてもらいながら、ゲームや住所録のデータベース作りなどにチャレンジする。という構成になっており、初期のお行儀のよい誌面を反映してか、ほのぼのとしたストーリーが展開されます。

肝心の学習マンガとしての出来ですが、今読み直してみてもよくできています。

「マンガでわかる●●」というマンガによるHOWTOものってたくさん出ていますが、わかりにくいものも多いんですよね。ひどいものになると、ストーリーの展開だけがマンガで、説明部分になると文字になってしまう、というのもあったりします。



「ゲームセンターあらし」の作者であり、初期のマイコン学習マンガの名作「こんにちはマイコン」などの著者・すがやみつるさんによると、わかりにくい学習マンガの原因として

「監修者のセリフの丸写しになっているものが多い。マンガの描き手がちゃんと自分で理解して、ネームやコマ割りで絵解をしなければ意味がない」

と発言されています。なるほどそういう視点でこの2作品をみると、学習マンガとしてうまく構成されていることがうかがえます。非常によくできてるマンガなんですが、当時の自分はこれを読まずにゲーム紹介ページばっかり読んでたんですよねえ・・・しっかり読んで勉強しておけばよかったなあ。


@攻略マンガとゲームのマンガ化
80年代中盤になるとゲームが誌面の多くを占めるようになります。マンガもゲームに関連するような作品が掲載されるようになりました。まずは87年に掲載された「ガンダーラ」というゲームの攻略マンガです。



作者は「ガンダーラ」のキャラデザインや原画を担当された、槇村ただしさん。開発者がみずから描くという珍しい作品でした。槇村さんをはじめ、音楽担当のすぎやまこういちさん、ポプコム編集部のKさん、ベラ子さん、プロデューサーであるENIXの髙野さんなど、実在のキャラクターがマンガの中に登場するという、にぎやかな作品でした。毎月誰かひとりがゲームの主人公であるシッダール役となり、ゲームの世界を舞台に攻略過程を冒険物語風に描くという形式で、ギャグもあり面白かったですね。

マンガの中でキャラクターの誰かが読者のためにゲーム中の攻略方法を明かそうとすると、「それはだめだー!」とプロデューサーであるENIXの髙野さんが登場して止めに入るなどコンビネーションが絶妙。ゲームの攻略情報を柱に、うまくストーリーが組み立てられていました。もっとこういう攻略マンガを読みたいと思ったものですが、このマンガが掲載されたのは87年。この後、ゲームは攻略するものから、ストーリーを楽しむものへと変化するので、ヒント情報みたいなのは必要なくなっていくのでした。もう少しこういうマンガが早く出ていれば・・・


マンガを使ったゲームブック風の読み物もありました。ここはさらっと触れるだけで。



ポプコムでマンガ化されたゲームというと、「サイキックウォー」「サバッシュ」などがありました※2



「サイキックウォー」はこの頃のRPGではありがちでですが、レベルアップとマッピング重視でストーリーが表にみえるタイプではありません。そのため、マンガでストーリーを補完するというのは、面白い試みだったと思います。毎月楽しみにしてたのですが、事情があったのでしょうか。連載は中途半端なところで第一部完として中断されてしまいました。



「サバッシュ」はポプコムが企画制作したゲームのマンガ化。ゲームから設定だけ借りた、あまり関係ないストーリーで16話で完結しています。

おそらく、ゲームのマンガ化はメディアミックスによる相乗効果を狙って企画されたものでしょう。ただ、自分の当時の感覚だけで言うと、大きなムーブメントにはつながらなかったような印象です。

@マンガが先行していく形に
ポプコムがリニューアルされて版が大きくなり、パソコンゲーム雑誌から、ゲーム雑誌、さらにゲーム雑誌と呼ぶのも微妙な何でもありのような状態になった晩年の90年代。マンガはこれまでのパソコンに関係するものや、ゲームを原作とするものといった縛りから離れて、独自のストーリーマンガが乗り始めます。といっても、後にゲーム化されたり、ゲーム化が企画された作品もあります。つまりはゲームのマンガ化から、マンガのゲーム化という、リードする側が逆転する形になりました。




「リバーサー」。ファンタジー世界の勇者のパーティー達が東京に現れ、同じく東京に出現した魔王と激戦を繰り広げるというストーリー。現代日本を舞台に魔法や剣で戦うというのがカッコよかったですねえ。この勇者と魔王が戦闘してビルがぶっこわれても世間ではニュースにはならない。それは警察も越えた謎の機関がもみ消しているからで、陰謀に気づいた刑事がその真相を追うという展開もあり、都市伝説好きの自分のツボ入りまくりで毎月楽しみにしてました。しかしながら雑誌の廃刊で無念の未完・・・・ゲーム化の話もあったようですが、これも廃刊の影響で立ち消えになったのでしょうか。




宇宙冒険少女NAMI。宇宙で運び屋をやる少女NAMIの大活躍を描く。これも面白かったですね。アドベンチャーのシステムでゲーム化されました。




コラダイン。あのXANADOUのマンガを描かれた都築和彦さんの作品です。

@マンガは誌面の反映だった
当時のパソコン雑誌にマンガが載るのは珍しいことではありません。他の雑誌を観ると、マイコンBASICマガジンでは、くりひろしさんによるパソコン講座、コンプティークではゲームのマンガ化や麻宮騎亜さんの「神星記ヴァグランツ」などの本格ストーリーもの、テクノポリスでは佐藤元さん、矢野健太郎さんらによるゲームレビューマンガ、ログインでは島本和彦さんによるSFショートショートの空気を持つ「ワンダービット」、他に「インサイダーケン」などが掲載されていました。※3

ただ、他の雑誌はマンガの内容、傾向に一貫性があったのに対して、ポプコムはそのときどきで掲載されるマンガが大きく変化したところが特徴でしょうか。

誌面の影響を受けた多種多様のマンガ。逆から言えば、影響を与える側の誌面のコンセプトが、ポプコムという雑誌はめまぐるしく変化したからだと思われます。よく言えば柔軟。悪く言えば、方針がぶれているというか・・・ポプコムに掲載されたマンガは、そのときどきの誌面をくっきりと反映したものだったのでしょう。

誌面の変遷については詳しくは別の機会に。また次回!

※1 創刊1年くらいは大学生くらいがターゲットだったのではないだろうか。それぐらい文章が硬い。85年あたりから、内容、文章がぐっと柔らかくなる

※2 「クリムゾン」のマンガ化もありました。画像が用意できしだい。追記します

※3 ログインと言えば「べーしっ君」。でも今回は4コマ以外ということで取りあげておりません

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