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【Audio】イヤスピーカーINAIR M360 中期(1.5ヵ月)使用レビュー

2018/09/06 20:41 投稿

コメント:8

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 非常に面白いイヤホンを入手したので、ここで紹介したいと思う。入手したのが7月中旬で、ざっと一ヵ月半使用した上でのレビューだ。

 そもそも「イヤスピーカー」って何?という疑問があると思うが、まるでスピーカーで聴いているかのような聴感が得られるイヤホン、という事での命名らしい。

原理的には、音の歪や濁りの元になる音導管(ドライバとイヤーチップ出口を繋ぐ音路)を排し、ドライバーを耳穴手前の窪みの中で鳴らし、本人の耳の中で響かせることで、素の耳で外来音を捉えたときのような自然な音を聴かせるというものらしい。

聴感
 実際に聴き込んでみた限りでは、ともかく音の広がりが凄い。手持ちの機器では一番である。また音場の再現性も半端ない。ライブ音源やクラシックコンサートは、ステージやホールが見える様だ。この感じは、スピーカーを左右の開き角度を60°に置いて、スイートスポットで聴いた感じに極めて近い。正にスピーカーの音である。(*1)

ただし、高級な3wayシステムの様な音ではない。残念ながら。低音が耳の外へ逃げる構造になっているため、低域の量感は少なめ。おそらく100Hzから下はダラ下がりの聴感特性だと思われる。つまり低域を欲張ってない上品な小型システムの音である。
ただ低域も聞こえにくいだけで実際には結構下まで出ているので、アコースティック系の楽曲は芯を失うことはあまりない。苦手なのは、低音を主にした楽曲、あるいは帯域が狭いローに頼ったEDMや、低域で音の壁を作るようなハードロック系だ。(*2)

(*1;ジャイアント・ロボ The Animationのサントラや、ゼーガペインOST 1,2などのシンフォニックな楽曲が、オケの編成やサウンドの空間デザインが手に取るようにわかる。オアシスのWonderwallや、安全地帯&井上陽水の「夏の終わりのハーモニー」は、マジでステージが見えます。)

(*2:ルー・リードのWalk On the Wild Side や、AnberlinのAutobarn、鼻そーめんPのUnfragment などは、ベースやドラムがスカって、かなりしょぼんな感じに。)

音質
 正直言って、かなり良い。素直で気持ちの良い音がする。逆を言うと再生機器やソースの差は結構判る。PC/iPodの違い、圧縮音源のエンコードの粗や、ビットレートやサンプルレートの違いもわかるレベル。
そして何より、音の素性の良さを実感させられるのは、元々使ってた機器に戻った時だ。確かに低音はしっかり出ているのだが、こんなに籠ってたのかとか、歪んだ響きが聴こえたり、こんなに音場狭かったのかとか不自然さに驚かされる。おかげで長らく愛用していたMusicmaker Tomahawk Zは御蔵入りした。DTMのMix用のATH-M50xも、音場の窮屈さが気になるようになってしまった。

音量
 インピーダンスは16Ω、感度が92dBで、100dB以上の高感度なイヤホンに比べると音量は控え目だが、インピーダンス自体は低い方なので、ボリュームを数段階上げればiPod touch等のポータブル機器でも十分な音量が取れる。
それと低音が少なめなのもあってか、耳の疲れがだいぶ減った。以前は、2時間以上聴いているとちょっと聞き取り辛くなってボリュームを上げたくなる現象があったのだが、M360ではそんな現象は皆無である。耳道は密閉しない方が耳の健康には良いのだなと思わされる。

装着
 カテゴリーとしては、オープンエア型、インナイヤーに分類されているが、装着方法はカナル型に近く、イヤピース(黒スポンジで覆われている部分)を耳穴の入り口の窪みに挿入し、ハウジングを、耳のくぼみ(耳甲介)に収めるように装着する。

ただし挿入部はスポンジカバーで覆われていて、耳の穴は密閉されないので、環境音は装着する前と変わらず聴こえる。

装着感は他のカナル型に比べると圧倒的に軽く、30分もすれば付けていることを忘れるレベル。(再生音が止んだ状態だと、うっかり装着したまま席を立とうとしてしまうことがあるくらいだ。)

この装着感の軽さと音場の広さが相まって、本当にスピーカーで聴いているような、解放感ある視聴体験が得られる。

本体/付属品
 全長は120cm強、分岐部からユニットまでが40cmぐらいで、分岐から先がちょっと長めだがまぁ許容範囲だと思う。(手持ちの他のイヤホンは、大体35~38cm)
若干、細部が垢抜けてない感じはあるが、遠目には普通のイヤホンで悪目立ちはしない。

同梱品は、スポンジカバーが装着状態で1組、スペアが2組付属する。2週間くらいでヘタってくるので、薄めた中性洗剤で揉み洗いして、水気をしっかり切って干しておけば復元するみたいだ。
他に、コードノイズ防止用のネックストラップとクリップが付属している。(自分は屋内用途で必要なかった)

ユニット
 構造はこんな感じ。イヤピースに相当する部分に小径(φ5.6mm)のドライバーがあり、その周囲を半透明の軟質素材(エアチューブ)が隙間を空けて覆っている。ここに右上の黒いスポンジカバーを装着する。
金属性のハウジングにポートの類は見えず、おそらく密閉型の様だ。
エアチューブの前面はドライバー部の外周に固定されてはおらず僅かに隙間がある。おそらく回り込んだ低域を捉えて共鳴させ、(定位への影響が少ない)低域のみ増幅する仕組みらしい。同時に、ハウジングを耳穴のくぼみにフローティングマウントする役目もあるようだ。歪や鳴きに対する対策だろう。

プラグ
 かなりしっかりモールドされていて安心感がある。樹脂部のL字形状に対して、プラグが90度より若干大きな角度で生えていて、樹脂部のコード側は直角より内側に曲がっている。何か雑だなぁと最初は思ったのだが、手持ちの再生機器に装着してみると納得がいった。装着状態のプラグ部に圧力がかかっても、プラグの付け根に力が集中しないように角度調整している様だ。樹脂部は金型で作るので変更は容易ではないため、クリアランス調整をプラグの角度で行った結果だろうと思う。
(プラグが汚れているが、開梱直後は綺麗だった。7月豪雨後の酷暑の中で撮影したので、汗ばんだ皮膚が触れてしまった様だ。)


L/Rのコード分岐部
 ここも造りがしっかりしている。ただコードの引き出し部分のカバーがあまり先細りになっていないので、コードに負担がかかりそうである。ただ分岐後のケーブルは40cmと長く、ここを大きく開くように力が加わることは通常使用ではまずない。
ケーブルはプラグから分岐までが布巻、分岐からユニットまでがTPE(熱可塑性エラストマー)被覆で実用性と高級感を兼備したデザインだ。
裏表に小孔が2つずつ空いているが単なるデザインアクセント。マイクは下記のリモコン背面にある。


リモコン
 R側コードの中間にリモコンがある。軽量のため存在は気にならない。ボタンは[音量+][再生/通話][音量-]の3ボタン。L/Rを識別識別する手段にもなる。ボタンのある側の反対側にはマイク穴が空いていている。ボタン操作時に指で押さえてしまわないように位置が少しずらしてあり、設計の細やかさを感じる。

装着の秘訣
 @inair audio(Facebook)に「INAIR M360 で低音を出す装着方法」というのがあったので、紹介する。

  1. 耳の穴の入り口にユニットを軽くねじ込む。
  2. 人差し指と親指で、耳をつかんで後ろに引っ張る。
  3. 中指で、広がった耳穴の入り口に、ユニットを押し込む。
  4. 引っ張っていた耳を離す。
  5. 中指の押さえをゆっくり外す。

というものだ。
説明文付きの動画があるので、そちらを見られた方が手っ取り早いと思う。これは、本当に効果がある。この方法を知るまではレビューを書く気はなかったくらい低音が出なかったのだが、思い直すくらいには出る様になったので。

入手方法
 自分はGreen Fundingというクラウドファンディングで支援することで入手した(早期特割で専用ポーチのおまけ付きで7.7k)。企画&設計は&COLOR.INCで、製造/検品は栃木の(株)ムロコーポレーションが行っているみたいだ(出荷は工場から直送で、誰?なんの荷物?と最初びびったw)。支援受付は終了しているが、市販化されていて、e☆イヤホン他で入手可能である(12k弱)。
aptXとAACに対応したBluetoothモデルも存在するが、BT認証取得に時間がかかった為、9月上旬時点で量産試作中みたいだ。

前述した通り、何でも卒なく再生する、という訳ではないので強く勧めたりはしないが、開放型(インイヤー型)イヤホンマニアの方や、音場に拘りのある方には一聴の価値があると思う。検討を祈る。

でわ。


コメント

ハリルリ
No.6 (2018/09/10 00:05)
e☆イヤホンで試聴したけど外だとまず使い物にならないっていう感想。
屋内で使う分にも開放型ヘッドホンの方が良さそうだったけど、ヘッドホンが苦手なら有りなのかな。
ハリルリ
No.7 (2018/09/10 00:18)
もう一回詳しく調べたらあれで音漏れとかもしないみたいね。
音漏れ怖くて音量押さえてたけど音量大きい方が良いみたいだしe☆イヤホンでもう一回試聴してみようかな
モールスP (著者)
No.8 (2018/09/10 18:46)
>>7
>>6
一聴一旦がある製品なので、実際に試聴できる環境があるなら、納得できるまで聴いてみるのがベストだと思います。
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