熱狂と怠惰

Kritaガイド@ Niconico 3.2 色選択

2016/05/04 00:16 投稿

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前回でKritaの基本的な色のシステムを学びましたが、本章でテーマになるのは「どうやって描くか」です。本ページではそのために必要な「描画色」をどのように設定するかを学んでいきましょう。

3.2 色選択

ペイントであるKritaにおいて、描画色はツールを通じて画像に彩色を行う一番重要な色となります。このためKritaには描画色を選択するために多数の異なった方法が用意されています。

3.2.1 色選択のための色モデルとその形状・種類

3.2.1.1 色選択のための色モデル

絵を描く際には基本的にRGB色モデルが用いられますが、殆どの人にとって目的の色のRGB組成を予想するというのは困難なことでしょう。そのため、Kritaは人間のためにRGBをより直感的な色モデルに対応させ、そこから選択を行えるようにしています。

これらの色モデルはRGBと同様基本的に3つの成分で色を定義します。

成分略称説明
1色相(Hue)H色合いを表します。360度の連続した環状で図式化でき、0度が赤、120度が緑、240度が青に一致します。
2彩度(Saturation)S色の鮮やかさを表します。0から100までの値で表され、無彩色で0、純色で100になります。
3明度(Value)V色の明るさを表します。0から100までの値で表され、黒で0、白及び純色で100になります。
輝度(Lightness)L色の明るさを表します。0から100までの値で表され、黒で0、白で100、純色はその中間である50になります。
強度(Intensity)I色の明るさを表します。この場合強度はその色のRGBそれぞれの要素の合計が白色のRGBそれぞれの値の合計に対して何%にあたるかで表されており、0から100までの値を取ります。0で黒、100で白、原色は33.33、純色自体は33.33から66.66までの値をとります。
ガンマ補正輝度(ルマY')(Luma(Y'))Y'色の明るさを表します。この値はRGBの値から取られた現実の光度の推定値です。ルマは主に映像関連で用いられる色の明るさの尺度です。

基本的に

  1. 色相
  2. 彩度
  3. 明度

の3要素からなるのですが、明度の表し方に4つの異なる方式があり、それによって

  • HSV(色相・彩度・明度)
  • HSL(色相・彩度・輝度)
  • HSI(色相・彩度・強度)
  • HSY'(色相・彩度・ガンマ補正輝度(ルマY'))

の4つの色モデルが存在します。

3.2.1.2 色選択の形状

Kritaでは以上のような色相・彩度・明度からなる色空間を図式化し、そこから視覚的に色を選択するシステムが用意されています。様々な形状があり、Kritaで使用できるのは以下のものです。

とりわけ、この

色選択はHSV、HSL、HSI、HSY'を問わず同じように表示されるため、Kritaの色選択の基本形状として扱われます。

3.2.2 描画色選択のためのキャンバス操作

Kritaでは描画色の選択のために他のペイントツールと比べて非常に高度な機能が実装されています。これらの機能により速やかに描画色を選択することが可能です。

3.2.2.1 ポップアップパレット

ポップアップパレットには描画色の選択を行う機能も備わっています。中央にある色選択は3.2.1で取り上げた基本の形状です。そしてその周りには最近選択された色の一覧が環状に並んでおり、クリックすることで選択できます。

3.2.2.2 キャンバスから色を拾う

操作ショートカット・その他からのアクセス
キャンバス全体から色を採取Ctrlキー+マウス左クリック
現在のレイヤーのみから色を採取Altキー+Ctrlキー+マウス左クリック

キャンバス上の色を拾って使用します。キャンバス上でCtrlキー/Alt+Ctrlキーを押すとカーソルがスポイトのアイコンになり、右に現在選択している色が表示されます。キャンバス上の目的の色の上で左クリックすると、現在選択している色の左に採取された色が表示され、そのままマウスから手を放すと採取された色が選択されます。

3.2.2.3 色ホットキー

ホットキーで色の色相、彩度、明度を変えられる機能です。ただしデフォルトではショートカットキーが割り当てられていないため、実質的にはあまり意味がありません。

3.2.3 色選択ドッキングパネル

Kritaでの描画色の選択は基本的にドッキングパネルで行われます。Kritaには色を選択するため様々なドッキングパネルが用意されています。

3.2.3.1 拡張色選択ドッキングパネル

Kritaでは最も基本的な色選択ドッキングパネルです。デフォルトでは中央に先ほど述べた通常の色選択と色合い選択と呼ばれる現在の色について他の色と混色した色が表示される色選択、右に最近使用した色の一覧、下に現在編集中の画像に存在する色の一覧が表示されています。最近使用した色の一覧はリアルタイムで更新されていきますが、画像に存在する色一覧は左の更新ボタンをクリックしないと現在の状態に更新されないので注意が必要です。

拡張色選択ドッキングパネルの設定は左上のスパナから行えますが、これはメニューの設定→Kritaを設定→色選択の設定と同一なので、後にまとめて説明を行います。

ただし、色選択と色の履歴についてはポップアップパレットにもある機能であるため、それらだけを使用する場合、基本的にあまり表示の優先順位が高くないドッキングパネルと言えます。

3.2.3.2 色スライダドッキングパネル

上にあげた色選択用の色モデルの3要素である色相・彩度・明度をスライダで数値を見ながらより厳密に設定することで色を選択することができます。表示する項目は拡張色選択と同じところから設定できます(後述)


3.2.3.3 詳細色選択ドッキングパネル

色スライダドッキングパネルは色選択用の色空間の3要素でしたが、こちらではRGB色モデルの赤・緑・青の3要素をスライダで数値を見ながら厳密に設定することで色を選択することができます。


3.2.3.4 パレットドッキングパネル

パレットを表示し、そこから色を選択することができます。

左下の虹色のアイコンをクリックすると、Kritaに保存されているパレットの一覧が表示され、そこから目的のパレットをクリックするとそれをパレットドッキングパネルに表示しておけます。また下の〇〇ボタンからリソースとしてパレットファイルを読み込み、ゴミ箱ボタンで現在選択しているパレットを削除できます。また一覧下で名前を入力して新たなパレットを製作することもできます。

パレットの右下の+のボタンを押すことで、現在選択している描画色を現在表示しているパレットに追加することができます。また○○ボタンで描画基本色選択画面と同じインターフェースから色を選択、〇〇ボタンで現在パレット上で選択している色を削除できます。パレット内の各色のアイコンの大きさはCtrl+マウスホイールスクロールで変えることが可能です。

3.2.3.5 デジタル混色ドッキングパネル

現在の描画色と任意の色を混ぜて新しい色を視覚的に設定できます。

左側に現在の描画色が表示されており、その右にある6つのスライダにその描画色と混ぜたい色を設定するとそれぞれのスライダに現在の描画色と設定した色とが連続的に混ざった様子が表示されます。スライダの位置の色がその上に表示されているので、スライダの位置を目的の色に合わせ、上に表示された色をクリックすれば目的の色を描画色に選択できます。


3.2.3.6 簡易色選択ドッキングパネル

小さな色選択ドッキングパネルです。左が色相、右の縦方向が明度、横方向が彩度です。


3.2.3.7 色モデル色選択ドッキングパネル

色モデルの図式化から色を選択します。基本的には拡張色選択と同じですが、拡張色選択がスライダのように滑らかに全ての色を表示しているのに比べ、この色選択では段階的に色が表示され、そこから選択することになります。

上のボタンから設定を変更することができます。

3.2.4 色選択の設定

色選択の設定はメニューの設定→Kritaを設定→色選択の設定で行います。上で述べたように、拡張色選択ドッキングパネルの左上のボタンからもアクセスできます。

画像で目印が付けられているボタンから設定先を切り替えて設定を行います。

3.2.4.1 拡張色選択ドッキングパネルの設定

拡張色選択の設定項目は以下の通りです。

色の選択

上で説明した色選択の色モデルと形状を設定します。

設定説明
色選択の形状上で説明した色選択に使用する色選択の形状を選択します。
色モデルの選択上で説明した色選択に使用する色モデルを選択します。
色選択は画像とは違う色空間を使用する色選択に画像の色空間とは違う色空間を設定します。
挙動

詳細色選択の様々な挙動を設定します。

設定説明
ドッキングパネルのリサイズ(ドッキングパネルのリサイズ中)ドッキングパネルを小さくした時にどう色選択サークルと色合い選択を表示するかを選択します。
水平レイアウトに切り替える色選択サークルと色合い選択を横に並べます。
色合い選択を非表示にする(色選択を非表示にする)色合い選択を非表示にします。
何もしない強引にそのまま表示します。
ズーム選択UIを表示するタイミングマウス中ボタンをクリックした時詳細色選択ドッキングパネルの色選択サークル及び色合い選択の上で中ボタンクリックした際にそれらを拡大したポップアップを表示します。
カーソルをかざした時詳細色選択ドッキングパネルの色選択サークル及び色合い選択の上にカーソルをかざした際にそれらを拡大したポップアップを表示します。
何もしないズーム選択ポップアップを表示しません。
ズーム選択のサイズ上で表示されるズーム選択ポップアップの実際の大きさをピクセル単位で変更します。
クリックでポップアップを非表示デフォルトではズーム選択ポップアップの上からカーソルを外すとポップアップは消えますが、この設定を有効にするとカーソルを外してクリックしたときにはじめてポップアップが消えます。
色合い選択

色合い選択の設定を行います。色合い選択では通常の色選択サークルに比べより直感的に色の段階的な変化を理解して色を選択できます。

色合い選択にはMyPaintのものを移植した色選択サークルと同じ大きさのMyPaintタイプと

スライダからなる最小限の大きさの最小タイプと

色合い選択を非表示にする表示しないタイプがあります。これらはタイプの項から選択できます。

MyPaintタイプについては色合い選択で使用する色モデルを選択できます。

また最小タイプでは以下の設定オプションが表示されます。

設定説明
最小色合い選択表示グラデーション最小色合い選択を色スライダの形で表示します。
段階表示最小色合い選択を色見本が並ぶ形で表示します。
列の表示それぞれの色スライダ/色見本の列が何を表示するのかを設定します。
列の数表示する色スライダ/色見本の数を設定します。
列の縦幅表示する色スライダ/色見本の縦幅をピクセル単位で指定します。
一列辺りに表示される色数表示を段階表示にしていた場合にその列に何個の色見本が並ぶかを設定します。

また色合い選択の更新を行うタイミングを設定することもできます。

設定説明
選択の表示の更新を行うタイミング色合い選択を右クリックした時色合い選択を右クリックした際に色合い選択の更新を行います。
色合い選択を左クリックした時色合い選択を左クリックした際に色合い選択の更新を行います。つまり、この設定をオンにした時に初めて色合い選択で色を選択した際に色合い選択の更新が行われるようになります。
描画色が変わった時色選択サークルで色を変更した時に色合い選択を更新します。
背景色が変わった時背景色が変わった時に色合い選択を更新します。
色の履歴

拡張色選択ドッキングパネルに表示される色の履歴について設定します。基本的には色の一覧を拡張色選択ドッキングパネル上でどう表示するかの設定です。

設定説明
色の履歴を表示これを有効にして初めて色の履歴が拡張色選択ドッキングパネルに表示されるようになります。
色の表示オプション高さ色見本の縦幅を設定します。
色見本の横幅を設定します。
最大表示色数何個の色見本を表示しておくか設定します。
スクロールを許可有効にすると色見本が多過ぎてはみ出してしまった際にスクロールして全て見れるようにします。
レイアウト垂直に色の履歴一覧を拡張色選択ドッキングパネルの右側に縦に並べます。
欄数縦に何列並べて表示するかを設定します。
水平に色の履歴一覧を拡張色選択ドッキングパネルの下側に横に並べます。
欄数横に何列並べて表示するかを設定します。
現在編集中の画像の色一覧

拡張色選択ドッキングパネルに表示される現在編集中の画像に存在する色の一覧について設定します。基本的には現在編集中の画像の色一覧を拡張色選択ドッキングパネル上でどう表示するかの設定であるため、設定オプションはほぼ「色の履歴」と同一ですが、一つだけこれにしかない設定があります。

設定説明
すべての描線ごとに更新キャンバスに描画が行われるごとに自動で色一覧を更新します。

3.2.4.2 色スライダの設定

色スライダドッキングパネルの設定です。どの色モデルのどの成分のスライダを表示するのかを設定します。全色モデルの全成分を表示することも一つしか表示しないことも、あらゆる設定が可能です。

3.2.4.3 色ホットキーの設定

描画色を様々な要素についてショートカットで段階的に切り替えてゆくことで変化させる機能の設定を行います。なおデフォルトではこれらの機能にはショートカットが割り当てられていないので、これらの機能を使いたい場合には自分でショートカットキーを割り当てる必要があります。

設定説明
明度・彩度・色相のホットキーでの切り替え階調色数それぞれの要素について何色刻みで切り替えられるようにするかを設定します。
輝度輝度について何色刻みで切り替えられるようにするかを設定します。
彩度彩度について何色刻みで切り替えられるようにするかを設定します。
色相色相について何色刻みで切り替えられるようにするかを設定します。
YUVでの赤み・緑み・青み・黄色みのホットキーでの切り替え階調色数それぞれの要素について何色刻みで切り替えられるようにするかを設定します。
赤みを増す/緑みを増すYUVのV要素、すなわち赤み/緑みの要素について何色刻みで切り替えられるようにするかを設定します。
青みを増す/黄色みを増すYUVのU要素、すなわち青み/黄色みの要素について何色刻みで切り替えられるようにするかを設定します。

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