熱狂と怠惰

Kritaガイド@ Niconico 2.2 ファイル管理

2016/07/17 13:43 投稿

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tokiedian 作『Kritaガイド@niconico』はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。

さて、先のページで起動した状態のKritaではほとんどの機能が無効になっていると思います。まずは編集する画像を新しく作るなり、既存の画像をKritaで開くなりしなければなりません。本ページでは画像の新規作成・既存の画像を開く等、Kritaにおけるファイル管理を解説してゆきます。

2.2 ファイル管理

Kritaは画像を編集するアプリケーションです。そのためにはまず画像ファイルを開き、そしてKritaでの編集を保存して画像ファイルに反映させる方法を学ばなければなりません。高機能指向のKritaは画像ファイルを開いたり保存することについても多数の機能を備えています。

2.2.1 ファイル管理

Kritaのみならず、アプリケーションはまず自分の動いているメモリ上に編集するファイルを展開することで初めて編集を行えるようになります。このメモリ上に展開され、Kritaで編集を行うと同時に実際に変更が行われるファイルを作業ファイルと呼びます。

実際にファイルと呼ばれるものはハードディスクドライブにあるものだけです。このハードディスク上にあるファイルを選択し、それをコピーしてメモリ上の作業ファイルにすることをそのファイルを開くと呼びます。またハードディスク上のファイルを一切参考にせずKritaだけで何も書かれていない作業ファイルをメモリ上に展開することをファイルを新規作成するといいます。

現時点での作業ファイルのコピーをハードディスク上にファイルとして保存することをファイルを保存すると言います。作業ファイルと同じ名前の対応するファイルがハードディスク上にある時、現時点での作業ファイルのコピーをそのファイルに上書きすることを上書き保存と呼びます。現時点での作業ファイルのコピーを新たに対応関係となる別のファイルとしてハードディスク上に保存することを名前を付けて保存と呼びます。

このようにファイルの管理はKritaがいるメモリとファイルがあるハードディスクとのデータのやり取りです。特にメモリ上の作業ファイルとハードディスク上のファイルの対応関係(通常この二つのファイルは同じものとみなされている)は重要になってきます。Kritaには特にそのやり取りの方式が多数あります。

ファイル管理に関する操作は全て一番上のバーの一番左の「ファイル」をクリックしたときに表示されるドロップダウンからアクセスできます。

2.2.1.1 Kritaのネイティブ形式

Kritaドキュメントファイル(拡張子.kra)はKritaのネイティブ形式と呼ばれます。これはこのファイル形式がKritaに合わせて作られ・更新されているファイル形式であり、Kritaの全ての機能での編集のデータを保持できることを意味しています。当然KritaもKritaドキュメントファイルをデフォルトの保存形式に選んでいます。

そのため、Kritaで作業を継続する場合にはKritaドキュメントファイルでの保存が推奨されます。業界標準だからと言ってKritaでPSDファイルを作業中に保存を行うファイルの形式として使っている人もいるようですが、PSDファイルのサポートが不十分なKritaではそれは特に推奨できません。当然Kritaの全ての機能での編集のデータは保持されませんし、そもそも保存したファイルを開けない可能性すらあります。PSDがどうしても必要な場合は最後にPSDへの変換を行いましょう。

2.2.1.2 開く

画像ファイルを開くには一番上のバーの一番左にある「ファイル(F)」をクリックし、出てきたドロップダウンから「開く(O)」をクリックしてください。そうするとミニファイルブラウザが出てくるので、そこから編集したい画像ファイルを選択して「開く」を押すと、Kritaでその画像ファイルの編集を開始します。

Kritaで開ける画像ファイルの種類は以下の通りです。

2.2.1.2 最近のドキュメントを開く

上のドロップダウンの開く(O)の直下にある「最近のドキュメントを開く(R)」ではKritaで最近開いたファイルの一覧が表示され、そこからファイルを開くことができます。

2.2.2.2 保存・名前を付けて保存

「保存(S)」をクリックすると現在の作業ファイルの内容を元のファイルに上書きして保存します。

また別のファイルとして保存したい場合は「名前を付けて保存()」をクリックし、表示されたミニブラウザからファイルの名前とファイル形式を付けて保存します。元ファイルを持たない状態で「保存(S)」「名前を付けて保存」をクリックした場合も同じ挙動になります。

デフォルトの形式は当然Kritaドキュメントファイルです。

Kritaで保存できるファイル形式は以下の通りです。

2.2.1.3 既存のドキュメントを無題のドキュメントとして開く

上のドロップダウンの「既存のドキュメントを無題のドキュメントとして開く」をクリックし、目的のファイルを選択して開くと、そのドキュメントをコピーしてできた新規ファイルを開きます。つまり上の様にメモリ上の作業ファイルとハードディスク上のファイルとの対応関係を切るということです。作ったものを基にして別のものを作りたい際に役立つでしょう。

2.2.1.4 エクスポート

現在編集しているファイルのコピーを名前を付けて保存します。「名前を付けて保存」とは異なり、現在の作業ファイルとハードディスク上のファイルの関係性は壊れず、単にハードディスク上に現在の作業ファイルのコピーを作っておくだけです。

2.2.1.5 pdfとしてエクスポート

現在編集しているファイルのコピーをPDFファイルとして名前を付けて保存します。

2.2.1.6 アニメーションフレームをインポート

アニメーションを取りこみます。詳しくはアニメーションの項で後述。

2.2.1.7 アニメーションをエクスポート

アニメーションを出力します。詳しくはアニメーションの項で後述。

2.2.1.8 増分バージョンを保存

ファイル名の末尾に番号を付けて保存します。番号はこの操作を繰り返すごとに自動で増えていきますので、途中経過を保存しながら作業したい場合はこの操作を行うとファイルも整理しやすく便利です。上記の様にこの操作を繰り返すごとに「名前を付けて保存」と同様に番号が増えた新しいファイルへと編集対象が切り替わっていくことに注意が必要です。

2.2.1.9 増分バックアップを保存

現在のファイル名の末尾に番号が付いたファイルを出力します。これは「エクスポート」と同様に、現在の作業ファイルのコピーをハードディスク上に作成するため、「増分バージョンを保存」とは異なり、編集対象自体は変更されません。途中経過を何かのために保存しておきたい場合は「増分バージョンを保存」よりこちらの方が便利かもしれません。

2.2.1.10 現在の画像からコピーを作成する

現在編集中のファイルのコピーを新規ファイルとして追加で開きます。「既存のドキュメントを無題のドキュメントとして開く」とは異なり、Kritaで既に開いているファイルに対する操作であり、また操作終了後も元となったファイルはKritaで開かれたままです。

2.2.1.11 閉じる

現在編集中のファイルの編集を終了します。つまり作業ファイルを消去するということです。作業ファイルと対応するハードディスク上のファイルの内容が一致しない場合、または対応するファイルがない場合は保存するかどうかを問うポップアップが表示されます。

2.2.1.12 全て閉じる

現在編集中の全ファイルの編集を終了します。

2.2.2 新規作成

上で述べたように、ハードディスク上のファイルを一切参考にせずKritaだけで何も書かれていない作業ファイルをメモリ上に展開することを新規作成といいます。

他のファイル操作同様、一番上のバーの一番左の「ファイル」をクリックしたときに表示されるドロップダウンからアクセスします。「新規作成(N)」をクリックすると

上のようなウィンドウが表示されます。ここでファイルの新規作成のために必要な設定を行い、ファイルを新規作成するのです。

2.2.2.1 カスタムドキュメント

左のタブ一番上をクリックすると選択されます。必要な設定を全て行ってファイルを新規作成します。

寸法

新規作成するドキュメントの大きさを設定します。

設定説明
名前新規作成するファイルの名前を指定します。
画像サイズ新規作成する画像ファイルの大きさを指定します。設定した画像の大きさを「上書き保存」で名前を付けて保存し、後で「定義済み」から呼び出して適用することも可能です。
画像ファイルの幅を指定します。単位はmm(ミリメートル)、cm(センチメートル)、dm(デシメートル:1dm=10cm)、in(インチ:ヤードポンド単位系。アメリカを中心に印刷業界ではヤードポンド単位系が比較的よく用いられる)、pi(パイカ:印刷業界で用いられることがある。ヤードポンド単位系で、1pi=1/6in)、ci(シセロ:主に大陸ヨーロッパの印刷業界で用いられる単位)、pt(ポイント:印刷業界で用いられることがある。ヤードポンド単位系で、1pt=1/72in)、px(ピクセル)が使用可能です。
高さ画像ファイルの高さを指定します。幅を指定した単位とは別の単位を使って指定することも可能です。
風景/人物縦より横が長い画像を風景、横より縦が長い画像を人物として、現在の画像の縦横比を示しています。またクリックすることで縦横の大きさを逆転させることができます。
解像度印刷した時の大きさのどれだけが何ピクセルになるかを設定します。単位はppi(1インチあたりのピクセル数)で定義します。
モデル画像の色モデルを決定します。基本的にはRGBを選択することになるでしょう。
深度画像の色深度を決定します。基本的には8ビットを選択することになるでしょう。
色空間ブラウザクリックすると色空間ブラウザが開き、それぞれの色空間、色プロファイルの説明や色域、TRCを見ることができます。
プロファイル画像に紐づけられる色プロファイルを決定します。基本的にはsRGB系のどれかを選択することになるはずです。右のボタンから使用したい色プロファイルを新たにKritaに読み込んで使用することもできます。
レイヤーの内容

ドキュメントが持つレイヤー等についての設定を行います。レイヤーについては4章を参照してください。

設定説明
レイヤー数ドキュメントがもつレイヤーの枚数です。複数枚設定しておいた方が楽でしょう。
画像の背景色画像の背景色を決定します。
画像の背景の不透明度背景を塗りつぶす画像の背景色の不透明度を設定します。
背景最初のレイヤーにする一番下のレイヤーが上で指定した背景色・不透明度で塗りつぶされます。
サンドボックスキャンバス全体の背景色を上で指定した不透明度・背景色にします。
付記何か作成するドキュメントについて注記しておきたいことがあればここに書いておきましょう。

2.2.2.2 クリップボードより作成

現在クリップボード上にある画像を背景に貼り付けて新規ドキュメントを作成します。それ以外は「カスタムドキュメント」と基本的には全く同一です。

2.2.2.2 テンプレート

とはいえここまで詳細な設定を毎回やるのも疲れるものです。そんな皆さんのためにKritaはあらかじめ設定がなされたドキュメントファイルを持ち、そこから新規ファイルを作成することができます。このあらかじめ設定されたドキュメントをテンプレートと呼びます。テンプレートは種類ごとに左のタブをクリックして選択してください。Kritaに備わっているテンプレートは以下の通りです。

コミックテンプレート(Comic Templates)

コマがあらかじめ書かれた漫画用のテンプレートです。ただしコマは設定で変更できるわけではなく、ただ書いてあるだけなので、実際のところコマのレイアウト縛りプレイがやりたい人を除いてはあまり役に立ちません(そもそも現時点でKritaは機能的に漫画を描くのにあまり向いていないソフトです)

テンプレート説明

「バンドデシネテンプレート」
バンドデシネ(ヨーロッパの漫画)用のテンプレートです。
US-style comic template「アメコミテンプレート」
アメコミ用のテンプレートです。
Manga template「漫画テンプレート」
日本式漫画用のテンプレートです。
waffle-iron grid「ワッフルグリッド」
縦4、横3で均等に並んだ12個の枠からなるテンプレートです。
デザインテンプレート(Design Template)

基本的には背景が白で、何も書かれていないテンプレートです。大きさ(左右比・ピクセル数・解像度)のみが異なり、そこから目的にあったテンプレートを選択します。おそらく、最もよく使われるであろうテンプレートです。

テンプレート説明
Design cinema 16:10 [2484x1200, 96dpi RGB, 8bit]「映画 16:10 [2484x1200, 96dpi RGB, 8bit]」
Design cinema 2.39:1 [2484x1040, 96dpi RGB, 8bit]「映画 2.39:1 [2484x1040, 96dpi RGB, 8bit]」
Design presentation A3 Landscape [4960x3508, 300dpi RGB, 8bit]「プレゼンテーション A3 横向き [4960x3508, 300dpi RGB, 8bit]」
Design presentation A4 portrait [2480x3508, 300dpi RGB, 8bit]「プレゼンテーション A4 縦向き[2480x3508, 300dpi RGB, 8bit]」
Design screen 4:3 [2250x1680, 96dpi RGB, 8bit]「スクリーン 4:3 [2250x1680, 96dpi RGB, 8bit]」
Web Design [2160x1440, 72ppi RGB, 8bit]ウェブデザイン[2160x1440, 72ppi RGB, 8bit]
デジタル一眼レフテンプレート(DSLR Template)

デジタル一眼レフカメラによる写真の大きさに合わせた背景完全透過のテンプレートです。機種ごとにテンプレートが設定されています。ですがKritaはフォトレタッチにはあまり向いていない都合上、あまり用いられないテンプレートです。

テンプレート説明
Canon_550D_5184x3456「キヤノンEOS Kiss X4(5184x3456)」
Canon_5Dmk3_5760x3840「キヤノンEOS 5D Mark III(5760x3840)」
Nikon_D3000_5760x3840「ニコンD3000(3872x2592)」
Nikon_D5000_4288x2848「ニコンD5000(4288x2848)」
Nikon_D7000_4928x3264「ニコンD7000(4928x3264)」
テクスチャテンプレート(Texture Templates)

テクスチャ用のテンプレートです。画像は全て正方形で背景は完全透過で、画像のピクセル単位でのサイズと画像のビット深度ごとにテンプレートが設定されています。テクスチャ作成にKritaを使用する人には便利なテンプレートです。

テンプレート説明
Texture 1024x1024 8bit srgb「テクスチャ 1024x1024 8 ビット sRGB」
Texture 1k 32bit scalar「テクスチャ 1k 32 ビットスカラー」
Texture 1k 8bit srgb「テクスチャ 1k 8 ビット sRGB」
Texture 2048x2048 8bit srgb「テクスチャ 2048x2048 8 ビット sRGB」
Texture 256x256 8bit srgb「テクスチャ 256x256 8 ビット sRGB」
Texture 2k 32bit scalar「テクスチャ 2k 32 ビットスカラー」
Texture 2k 32bit scalar「テクスチャ 2k 8 ビット sRGB」
Texture 4096x4096 8bit srgb「テクスチャ 4096x4096 8 ビット sRGB」
Texture 4k 32bit scalar「テクスチャ 4k 32 ビットスカラー」
Texture 4k 8bit srgb「テクスチャ 4k 8 ビット sRGB」
Texture 512x512 8bit srgb「テクスチャ 512x512 8 ビット sRGB」
Texture 8k 32bit scalar「テクスチャ 8k 32 ビットスカラー」
Texture 8k 8bit srgb「テクスチャ 8k 8 ビット sRGB」
アニメーションテンプレート

アニメ原画用紙が背景で、原画・動画・仕上げ等のアニメの制作工程に基づいたファイル構造をもつテンプレートです。Kritaでのアニメ作成・デジタル作画に役に立つでしょう。ちなみにこれはとあるプロアニメーターが自分の作業用に自作したものをKrita開発に譲ってもらったものです。当ガイド執筆者が二者の仲介やりましたが、アニメの専門用語の翻訳で死にかけました…

テンプレート説明
Animation-Japanese-En「日本式アニメ(英語版)」
Animation-Japanese-JP「日本式アニメ(日本語版)」

2.2.2.3 画像よりテンプレートを作成

テンプレートは自作・編集することもできます。一番上のバーの一番左の「ファイル」をクリックしたときに表示されるドロップダウンから「画像よりテンプレートを作成」をクリックしてください。

この操作は現在編集中のドキュメントをテンプレートに追加するというものです。クリックすると表示されるウィンドウで必要な設定を行います。「OK」を押すと、ドキュメントがテンプレートとして追加されます。

設定説明
名前テンプレートとしての名前を設定します。
グループテンプレートの分類です。選択したグループにこのテンプレートを追加します。さらにテンプレート自体を選択すると、今回追加するテンプレートでそのテンプレートを上書きします。つまりここからテンプレートの追加のみならず、編集も可能なのです。
グループを追加上に言ったデフォルトのテンプレートの種類にさらに新しい種類を追加します。
削除選択したテンプレートを削除します。
写真プレビュー現在のファイルのプレビューをテンプレートのサムネイルとして使用します。
カスタム任意の画像ファイルを選択してテンプレートのサムネイルとして使用します。
この新しいテンプレートをデフォルトとして使う。今回追加するテンプレートをデフォルトのテンプレートとして使用します。

2.2.3 自動保存

作業中にソフトが停止し、数時間分のデータがパーになった…という話はよく聞くものです。ですがKritaにはそれを防ぐ機能が備わっています。すなわち、自動保存機能です。

Kritaの自動保存は、設定した時間ごとに作業ファイルの内容をハードディスク上に保存するものです。これにより、いつKritaがクラッシュしてもある程度までは損害を抑えることが可能になります。ただし自動保存を行っている際はそちらにリソースが割かれるためKritaの挙動が重くなる時があり、それが気に食わない場合は自動保存を無効にしておくのも手です。

2.2.3.1 自動保存の設定

自動保存の設定は一番上のバーにある「設定(N)」をクリックし、そこで表示されるドロップダウンから「Kritaを設定」をクリック、そうすると表示されるウィンドウの左の一覧から「全般」を選択、そしてそこにある4つのタブの中の「その他」にあります。「その他」にある設定の内、以下の二つが自動保存に関わる設定です。

設定説明
自動保存間隔左のチェックを入れると自動保存が有効に、外すと無効になります。また右の欄で自動保存が行われる間隔を分単位で設定できます。
バックアップファイルを作成現在のファイルとは別にバックアップファイルを作成します。

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