市長官邸出張所

前門のプーチン後門のメルケルをやり過ごしたらその先にオバマ

2014/03/04 01:00 投稿

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早速元のサイトから旬の話題を。SAATに掲載されているオリジナルとは一部内容が異なる。

 今回語るのはタイトル通りウクライナ問題だ。日本人には間理解し難いがウクライナは完全な単一国家とは言いがたい。過去のオレンジ革命を覚えているだろうか。国土を欧州に面し平原を有する北西寄りと(便宜上西と呼称する)オデッサやセヴァストポリ、黒海沿岸部を有する南東(同様に東と呼称)に二分されている。文字通り西側は欧州勢力への意識が高く東側は旧盟主のロシアへの帰属意識が強い。件のオレンジ革命の際には双方が青と黄色の国旗のそれぞれの単色を掲げ衝突したが、今回もこの件を引きずっている。結果皮肉なことにその際大統領になりそこなったヤヌーコヴィッチが現職に収まり親ロシアへ急接近、国民の意思はEU支持派が優勢だった事で今回の騒動を招いたが、果たして西側諸国が叫ぶとおりウクライナはロシアに接近すべきではなかったのだろうか。俺が判断を委ねらる立場にあったならヤヌーコヴィッチと同じ選択をしたことに疑いの余地は無い。

 まず政治であげるべきは地政学的な勢力図だが、ロシアは絶対にここを手放すことはありえない。不凍港の存在だ。南下政策の大儀でありソヴィエトロシアの悲願、投入された港湾整備や艦隊へのコストを考えれば軍事制圧してでも確保する土地だろうが、今回は親ロシア派の地元勢力が軍と結託しロシア側への支持を表明した。もう一つが経済問題、ウクライナ政府はロシアに対し莫大な金額の債権を発行しており、懐事情は筒抜け同然、財政が厳しいのは隠しようが無い。プーチンがガスの元栓を少し締めるだけでウクライナ経済は窒息してしまうのだ。このような危険なリスクを負いつつも国家の命運を掛けてEUに接近できるだろうか。さらにロシアはヤヌーコヴィッチに債権の(全てではないが)帳消しとウクライナ向け輸出ガスの3割値引きを実行した。対するEUはお決まりのセリフ、民主主義の拡大と平等な繁栄を~~~と並べ立て西の市民を鼓舞しただけであった。平等なだけでは食事にはありつけないし自由なだけでは仕事も給料も回らない。ウクライナは今その段階には無いのだ。

 そして裏を仕切るのは元КГБエージェント、リアルジェームズボンドのプーチン大統領、それを支えるのは冷戦時代のソヴィエトを生き残り外交一本で今に至る正真正銘の豪腕パワーエリート、セルゲイ・ラブロフ。この二人がどれほどの影響力を発揮するか、シリア問題で果たしたオバマ陣営と欧州の影響力とプーチンの影響力を比べてみるといい。正にこの二人の前では幼稚園のごっこ遊びレベルだった。所詮水に水を足しても水のままでワインやウォッカにはならないのだ。現状でロシアの政治的、外交的権謀術数に対抗できる政治家は存在しないだろう。どうしてこのリスクを背負い込んで更なる不安を国内に持ち込めるだろうか。

 その上で欧州もアメリカも何もせず自分たちの体裁を取り繕うために声明を発表するばかりで現地人のことなど何も考えていない。(残念なことに日本の政治家若干名も同様の行為を行った。)なぜなら自分たちの手に血がついたり家族が飢える訳ではないのだから。ここ10数年で国連の機能不全が一層加速している。所詮自称戦勝国を僭称する連中の寄り合い所帯に過ぎず、ましてや常任理事国が体制を異にする勢力である以上こうなることは自明の真理だったのだ。日本もいつまでも戦後気分でいるべきではない。どちらかといえばこの空気は確実に戦前なのだから。


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