おこめ式自動車工房

【ジムニーDIY】第23回 本物のレトロフィットってやつを見せてあげよう【生存報告含む】

2019/08/04 13:32 投稿

コメント:2

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(令和になってもこのブロマガは元自動車整備工/民間車検業であり国家資格二級自動車整備士持ちの解体屋のおっさんが私用で独断と偏見に基づく車いじりをしている様をお届けしています。絶対に真似をしないでください)


11歳♂のカギしっぽ。

レトロフィットとは…旧型のものを改良することによって存続させること(大辞林より)

こんにちはおこめです。ずいぶんとご無沙汰しております。なんと令和初投稿です。
まだ生きてますしチェイサーもジムニーも持ってますしドリフトデビューも目指してますが、ドリ車作りは遅々として進んでません…

それは置いといて今日はジムニー。

毎年ネタにしてるんですけど嫁のジムニーは平成4年車。
令和の昨今にご存じの方も減ったかと思われますがこの世代の車はカーエアコン冷媒に「R12」というフロンガス使用しています。
このR12フロンはオゾンを分解することで知られ、大気圏のオゾン層を破壊するとして過去に使用と販売を禁じられました。(まだ使えてるものは大気中に放出しないことを条件に使い続けてもいい)
そして平成4年以降段階的に自動車には新たなR134aというフロンガスが用いられるようになりました。
ちなみにR134aフロンはオゾンを分解しませんが高い温室効果があるため地球温暖化を促進してしまうとして大気中への放出は法律で禁止されています。

余談ですが2018年型のクラウンや欧州車には新冷媒であるR1234yfというガスも使われ始めているそうです。(欧州ではCO2-R1234yf混合)この冷媒の良いところは環境負荷がほとんど無く、(現在は)大気中に放出しても規制の対象とならないところでしょうか。

話を戻します。

つまり、R12という超レトロ冷媒を使用している上、昭和から平成初期の自動車エアコンは当時の効きの良さは別としてとにかく壊れやすい、ガスが抜けやすくすぐ効かなくなってしまうことが弱点でした。
そしてこの車を購入した際に譲ってくれた知人S氏にも言われていたのですが、やはりどこかからガスが抜ける。購入時外されていたエアコン一式を取り付けガスを封入したのですが1年くらいで効かなくなってしまい、知り合いの電装屋さんに点検とガス補充をお願いしたんですがその後半年でまた効かなくなり、今年の春なけなしのR12ガスを補充して今年の夏は乗り切ろうとおもったのですがいざ暑くなったらまたエアコンが効かなくなって…

やばい、ガスが抜けるサイクルがどんどん短くなっている。完全に寿命だ。
と相成ったためこの度エアコンシステムそのものをそっくり交換することにしました。


今日も予報最高気温37℃だったため、日曜日の会社にAM5:30に出社(?)暑くなる前に終わらせたいところです。

JA11V型ジムニーは平成元年から平成7年まで販売されていました。

Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型までがR12フロンの旧型エアコン。
Ⅳ型、Ⅴ型はR134aの新型エアコンです。そして11ジムニーのキャビンまわりの設計は基本的に昭和後期のJA71V型から共通。ちなみに71にはほとんどエアコン付き車はありませんので、ジムニーのエアコンは「すごく取ってつけたような構造をしている」のです。

どういうことかというと、割と簡単に現状のR12エアコンを外せる上にⅣ型以降のR134aエアコンが取り付けできてしまいます。

今回は会社にあったⅤ型ランドベンチャーのエアコンを移植します。こちらはエアコンのガス抜けがなくコンプレッサークラッチが動作したため「まぁ問題ないだろう」くらいの気持ちで外しておいたものです。

エバポレータ、エアコンアンプ、高低各配管、コンデンサ、コンデンサファン、リキッドタンク、エアコン配線、コンプレッサを用意しました。ガスとオイルは自社が解体業なので回収済が山ほどあります。会社から使用許可もとりつけました(笑)
今回は共通部品も含め全てを取り外して交換しました。見比べた所コンデンサとコンデンサファン、エバポレータとエアコンアンプは共通のようです。(エキスパンションバルブは別物だと思いますが)



R12ガスはもう一つも入ってなかった(!)のでまずはインタークーラー、エアクリーナーの配管を外し、フロントグリルとグリル後部のステーも外します。その後R12用のリキッドタンク、高圧低圧の配管を外します。その際エバポレータからエアコンオイルが漏れてくるのでマフラーにつかないように注意します。
ラジエター左にあるエアコンシステムの配線カプラを抜き、コンデンサファンのカプラを外してリキッドタンク上のセンサーカプラとコンプレッサクラッチの配線を抜けばエアコン関係の配線がごっそり取れます。やっぱり「あとから取ってつけたようなエアコン」です(笑)



ターボ配管にネジなんかを落とすと一発でオシャカにするのでちゃんと養生しておきましょう。



コンデンサの前からM6ボルト4本で付いてるコンデンサファンを外します。
コンデンサファンが外れたらパワステオイルタンクの取り付けボルトとラジエター、ファンシュラウドのボルトも外し、ラジエターを支えているステーがラダーフレームにM8ボルトで取り付けてある部分も外し、ラジエターステーの左をズラしておきます。こうしないとコンデンサのステーがひっかかってうまくコンデンサーが取り出せないためです。

…いざコンデンサーを外してみたらあれ!?




コンデンサーが真っ黒!!!おそらくこのコンデンサの中心部右横あたりに亀裂か穴が開いており、エアコンガスと共にエアコンオイルがじわじわと漏れていたのでしょう。それが土埃を拾って真っ黒い汚れとなって付着したものに見えます。こいつが十中八九ガス漏れの原因でしょう…今回は交換するのでそっくり捨ててしまいましょうね!!!




続いては旧ガス用のコンプレッサ。
ジムニーのエアコンもそうなんですが、油圧パワステも後付け感のある取り付けのため割と場所が無理くりです。エアコンコンプレッサをそっくり取り外すためには上下3本の取り付け調整ボルトを外すだけでは不足で、ベルトを外してコンプレッサを一番外側までズラしてからコンプレッサ上にある調整用ステーを外したほうが良いです。コンプレッサを引き出しておけば



このようにコンプレッサステーをシリンダーブロックに留めている2本のボルトを取り外すことが出来ます。ステーを外したらコンプレッサーも楽々取り出せます。

ちなみにこのコンプレッサーステー、よく確認しておかないと高確率で調整用の長孔にクラックが入ってますので注意。僕が面倒みてるもう一台のJA11vⅤ型も割れてエアコンベルトが鳴いたりしましたし、今回ドナーにした11Ⅴ型のものも割れてました。うちのは交換済みです。




室内エバポレータの取り外し。上から低圧配管(太)、高圧配管(細)、水抜きパイプです。この上にあるM8のナットを外しておきます。




室内側。エバポレータの箱の表に付いている小さい箱がエアコンアンプ。これもジムニーではよく壊れる部品です。エアコンのスイッチが入らない場合はまずこれを交換しますね。
エバポの下にある受け皿はM6ボルト2本とエバポにビス2本で止まっているので撤去。Jの形をしたステーが表から止まっているのでビス3本で撤去すれば、エバポレータが下向きにずれ、後ろに引き抜けば外れます。外す前にエバポから出ている温度センサー配線のカプラを抜くのも忘れずに。裏を通っているのでわかりにくいです。

普通の乗用車ならこのエバポレータを外すためにダッシュボード全バラしなので、やっぱりジムニーのエアコンはあとから取ってつけたような設計なんでしょう。
ちなみにエアコンなし車だとここにはダクトしかありません(笑)




抜けました。(画像がブレました)




R134aのエバポレータを取り付けます。
室内側から刺さっている配管のゴムカバーを既定の位置までちゃんと引き出しておきましょう。位置が決まったら室内側を元に戻しておきます。




高圧配管側を取り付けます。差し込む前に雄ねじ部を清掃し、配管側Oリングにエアコンオイルを少し塗布しておきます。締め込むときは両側にちゃんとレンチをあてておかないとアルミ配管は簡単に曲がってしまうので注意が必要。締めすぎも緩すぎもガス漏れにつながるのでそこはトルク管理を確実に。僕の場合は「長年の勘」というやつです。




R134a用のコンプレッサを取り付けます。
このコンプレッサー、本来であれば配管で隠れてるところにプレッシャースイッチがついてて高回転域などガスが高圧になるとエアコンが切れるように出来てるんですが、配線が切れたのかプレッシャスイッチがショートカットされてますね。実は3代目のジムニーもそうで多少寿命が縮むかもしれませんがこのスイッチはぶっちゃけ無くても平気だと思ってます。
吹かすたびにエアコンが切れていると冷えないじゃないですか!うちのATでそこまでエンジン回らないですし…。




R134a用のコンデンサーを元通り設置し、高圧側配管を締めたのでリキッドタンクを固定。この時点でようやくラジエターステーとパワステタンクも元通り。




前々から不思議に思ってたのですがエアコン低圧パイプ(太いほう)がタービンアウトレットから5cm弱しか離れてないところを通っていて常に高温に晒されていたので、今回は断熱テープを巻いておきました。高圧パイプにも念のため。エンジンがかかっている状態でのこのパイプに対する輻射熱がヤバいんです。これはガス抜けが無い事を確認できたらさらにぐるぐる巻きにする予定。



コンデンサファン戻し、エアコン配線もR134a用に取り替えます。リキッドタンク周辺が違うので配線もつけかえが必要です。




リキッドタンクのプレッシャーセンサーとコンプレッサの配線を戻せば機械作業は完了。




うちは解体業者なのでマニホールドゲージとか持っていないのですが、回収機を利用して真空引き。回収機は強制運転でほぼ真空までもっていけますがやりすぎると回収機が焼き付くのでほどほどでOK。そのあと回収済みガスを少し入れてまた回収を何度かやればエアと水分はほぼ置き換わるという理屈です。

正しい手順ではありませんのでマネはしないでください。マネしてあなたの車のエアコンが壊れても僕は一切責任を負いません!!

その後はエンジンを始動しエアコンを全開運転しながら回収済みガスを充てんしてやります。
回収済みガスはエアコンガスとエアコンオイルが混合しているものを使っているので、新たにエアコンオイルを入れてやらなくても大丈夫なのが楽です。ただしお古のブレンドですが!!
どのくらいの量入れるのかは完全に勘。R134aのシステムにはサイトグラス(覗き穴)が開いてますので、そこを流れる圧縮ガスの具合で判断できます。詳しくは書きません(笑)

念のためもう1回書きますが

正しい手順ではありませんのでマネはしないでください。マネしてあなたの車のエアコンが壊れても僕は一切責任を負いません!!


その後ドキドキしながら室内に回ってみると…

ヒャアアア!!!!冷えてる!めっちゃ冷えてる!!涼しい!!!
今回エバポもほぼ新品みたいな綺麗なものを探してつけています。スズキに限らず昔の車はエアコンフィルターが無くエバポレータが詰まってエアコンの風が弱くなるのが常なのですが、これは風もゴウゴウと出ますし滅茶苦茶快適です…

エアコンシステム、とくにガス再充填の後はエアコンは全開運転のまま小一時間放置します。
気化蒸散と圧縮の具合が落ち着くまで回せ、と昔僕にエアコン修理を教えてくれた電装屋さんが言ってたんですが、理由は知りません…ラジエター水路のエア抜きみたいなもんでしょうか。

小一時間車内に放置した携帯が冷えてたのを確認して完了。
またこの1時間弱で、暑い屋外で停車エアコン全開が旧車の水温油温にどれだけ影響するかも調べておきました。結果から言えば正常の範囲内。もともとR134aのエアコン設定もある車種ですしまぁ当然でしょうけど…なんにせよオイルクーラーは付けたいし!

その後エアコンにどれだけ馬力を食われてたか再確認しながら快適に帰宅しました。

う~~ん、旧車にエアコン全開、快適なんだけど…

車おっそ!!!!!

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(2019年8月12日 追記)
 このあと3日後くらいにエアコンの効きが妙に悪くなり、おかしいぞ…となったところでコンプレッサーから異音が発生。仕事の合間を縫ってあれこれ点検したところ、なんとエアコンリキッドタンクが時々詰まっていることに気づく。圧を送れなくなったコンプレッサがオーバーヒートして異音が発生、軽い焼き付き状態と判明したため…急遽CT21SワゴンRのR134aエアコン完全動作車両から外して保管してあったリキッドタンクとエアコンコンプレッサを移植しました。

だからちゃんとマニホールドゲージを使って圧確認をしておけばよかったのに。(持ってない)
ちなみにCT21SワゴンR(F6Aエンジン)はジムニーと発売時期が被る車両のため一部のパーツに共通部品があります。しかしCT21Sのエアコンコプレッサはクラッチが違うのです。
ワゴンRのものはVベルトですがジムニーのものは4PKリブベルトです。これはジムニーが油圧パワステを採用しているからで、電動パワステのワゴンRはパワステポンプがないためVベルトだと思われます。

要するにCT21Sのコンプレッサ本体にJA11Vのコンプレッサクラッチを移植してやればOK。じつはこのクラッチ交換、ポン付けでついてしまいます。(純正採用のコンプレッサの種類にもよります)ジムニーのエアコンクラッチは巨大(低速)なので他車のものは使えそうにないですし、立場を利用していろいろと探してみたのですがMC、MHワゴンRやHE21ラパン、HA11以降のアルトのものはクラッチ(コンプレッサそのもの)が新しくなっていて互換性がなくダメでした。やっぱり旧型じゃないとダメかあ…

でもま、結果としては1回直した時よりもさらに冷え冷え状態になり、燃費やパワーもかなりマシになりました。そりゃそうだ、リキタン詰まってたんだもんな…

(ここまで追記)
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次回に続きます。

コメント

栃木の水銀党員
No.1 (2019/08/04 21:41)
こんばんわ!
軽でクーラーONにするとヤバいがヤバくてヤバくなりますね!ママチャリより遅ぇ!
尚、等価交換として運転手のHPが回復する模様。
RiseupPlus (著者)
No.2 (2019/08/04 22:53)
>>1 栃木の水銀党員様
こんばんは!ご無沙汰してます。
軽自動車のフルパワーですらないジムニーでエアコン全開だと、マジで遅いです!
乗員のライフは保たれますが、代わりに登り坂でフルブーストで唸っててもちっとも加速せず油温ばかりがあがっていきます、ヤバイがヤバくて危険です!オイルクーラー付ける決意が固まった夏の日でした…
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