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【デレマス小説】ココロの配達員 第四章「傷つくことなく笑っていられたのは」

2021/04/10 18:00 投稿

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最後に一つだけ残ったココロを届けようとした時、白山羊の配達員が苦しみだした。
酷く息切れをしながら、胸に強く手を当てている。
何が起こったのか分からず、乃々は配達員の顔色を伺い、戸惑っていた。

「ど、どうしたんですか?胸が痛いのですか…?」

心配そうに見つめる乃々に配達員は「大丈夫ですよ」と答える。
しかし、その顔色はどんどん酷くなっていき、よく見ると白山羊の配達員の姿が、
だんだんと黒ずんで、歪な姿に変わっていく事に乃々は気付いた。

そして、とうとう配達員が倒れ込んでしまった。
慌てて乃々が駆け寄るが、倒れ込んだ配達員の姿に乃々は驚いた。

なんと、配達員が黒い山羊の姿に変わっており、胸の部分がハートの形にぽっかりと穴が空いていたのだ。

「な、何なのですか!?その姿は…?」

怯える乃々に配達員が苦しみながら、ゆっくりと答えた。

「私が届けていた『ココロ』は、私自身の“心の一部”なのです。
 悲しい人には「楽しい心」を、寂しい人には「優しい心」を。
 人の心は誰かの心を与えることで、苦しむ事も癒す事も出来ます。」
「心で人を癒す…?」
「この世界の人々は、心が傷付いている人で溢れています。
 嫌な人や苦手な人からの人間関係に疲れる。
 理不尽な目にあって、忘れられないくらい恨んでしまう。
 人からの何気ない言葉に傷付いてしまう。
 SNSなどから人の幸せに嫉妬してしまう。
 人と自分を比べて落ち込んでしまう。
 そんな人々の心を少しでも助けたい、そう思い、私自身の心を分け与えていたのです。」

配達員の言葉に、乃々はいつの間にか涙を流していた。

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