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【デレマス小説】ココロの配達員 第一章「あなたが弱虫な私の手を引いて」

2021/03/20 18:00 投稿

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午後三時過ぎの公園、乃々は夢中で絵を描いていた。
真っ白のスケッチブックに、色とりどりのクレヨンで、公園の風景を描いている。

空高く舞い上がる噴水,木々に止まる鳥たち,手を繋いで歩く親子の姿。
そんな景色を眺めながら、一枚また一枚と、何枚もの綺麗な風景画を描いている。
でもそんな乃々の顔は、どこか寂しげな表情を浮かべていた。

それは、この公園に乃々が来る二時間前の事だった。

ダンスのレッスンに失敗し、ベテラントレーナーにこっぴどく叱られてしまったのだ。
自信がなく、常にオドオドしている自分も悪い。
「もうむーりぃー…」と落ち込んで呟くのも、いつもの癖で言ってしまうので悪い。

でも、何より最悪だったのが、その叱られた姿を他の生徒たちに笑われた事だ。

そのせいで、すっかりやる気も自信も無くしてしまった。
どうせ自分なんか、何をやっても上手くやれないし、出来ないんだ。
そんな嫌な事があったので、一人になりたい気分になった。

嫌な事や一人になりたい時、乃々は決まって公園に出掛ける。
静かな場所で横になったり、流れる雲を眺めていると、いつの間にか心が休まる。
大好きなスケッチブックとクレヨンを持って、お絵かきする時間が何より好きだ。

でも今日は、何を描いても心が休まらないし、楽しくない。
それどころか、憂鬱で、悲しくて、何の為に自分はここに居るんだろう。
そんな思いに老けながら、絵を描いているその時だった。

「失礼ですが、森久保乃々様でしょうか?」

乃々の前に人が立っていた。
紺色のスーツに、カバンを肩に掛け、右袖には「〒」のマークが記されている。
配達員さんかなと、顔を見上げたその時、乃々は息が止まりそうになった。

その配達員の顔は、白い山羊の姿だった。

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