ポコタンの住処

バミューダトライアングル~カラフル・パストラーレ~が好きになるお話

2019/03/28 01:44 投稿

コメント:2

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それは誰も知らない遠い世界のお話。
辺境の海にある小さな村パーレル。
そこには5人の若きマーメイドたちが住んでいました。

 大人気TCG『カードファイト!!ヴァンガード』初のスピンオフ作品。多く語られることのなかった異世界の、それも根強い人気のクラン“バミューダ△”に焦点を当てたファン必見のアニメがついにきた!
 彼女たちの本物の歌声が、今、君に届く。


・僕にとっての『カラパレ』
と、前置きで思いっきり煽ってますが僕『ヴァンガード』やってないんですよね(´・ω・`)
その…TCGは性に合わなくて……。
なので完全アウェーです。
エンドカードも「誰こいつ?いつ出るの?」って思いながら見てました。
先入観がないからこそ楽しめたのかもしれませんね。


第1話のアヴァンタイトルで仰々しく紹介される「海洋国家・メガラニカ」
街の大ビジョンに映し出されるアイドルの姿。
鳴りやまないファンたちの声援。
「この子たちにスポット当てたお話なのかな?」と思わせておいてからの場面転換。


まるで何事もなかったかのように片田舎で物語は進んでいきます。
このもんのすんごくぶん投げた感じに僕は何か引っかかるものを感じたんです。

気になって監督を確認してみると「西村純二」と表記されてました。
頭の中で花火が咲きましたね。
ああ!グラスリップの人だ!



・クレイの海は俺の海!

『カラパレ』でまず語るべきはツッコミどころの多さでしょう。
海の中にいるにも関わらずお茶を注ぐのは朝飯前
朝起きれば顔を洗うし、疲れたときはお風呂にも入ります
お台所には「何言ってるの?当たり前じゃん」って顔で流しがあります。
あまつさえ海底でも雨が降り珊瑚にはじょうろで水をやります。
ディスプレイの前の人は「そりゃねーよ」とツッコミを入れるでしょうが、そのたびに「うるせー!俺の海はコレなんだよ!!」という監督の強い意志を感じます。
さすが西村監督。男の中の男だぜ。

かくいう自分もツッコミを入れる側の人間です。
ですが同時に「これでいいんだ」と強く納得してました。
「海の中」という非現実を表現するのに必ずしもSF作品のような科学考証した世界を用意する必要があるのでしょうか?
作ることはできると思います。


しかしこの作品で描かれているのは「世界」ではありません。
ソナタでありカノンであり、フィナセレナキャロといった個性豊かな「ヒト」を描くことこそがこの作品の主題です。
であるならば「世界」は「地に足がつく舞台」程度の役割があれば十分なのです。

#それになにより昨今はいんたーねっつの発展で小賢しく野暮なツッコミを入れる輩が増えたしな……。科学考証するくらいならゆるく作ったほうが楽だよね(´・ω・`)

そうなると文化も習慣も異なる異世界を作るのはいただけません。
登場人物に共感してもらうためにも我々と同じことをしてもらう必要があるんです。


魚類だからと言って目をあけながらぷかぷか浮かんで寝るなんてことはせず、ちゃんとお布団で寝ます。
ひじきばかりではなく時には甘いものも食べます。


マドレーヌなら味だってわかります。
ちなみにこのマドレーヌは箱から察するに都会で量産された規格品なのでしょう。
田舎暮らしのソナタたちにとっては珍しいお土産でもカノンにとってはなじみの味。
だけど初めての友達と一緒に食べるマドレーヌはどんな味がしたんでしょうね。
このような想像ができるのは彼女たちが「我々と同じ人間」だからなのです。

・ファンタジーいっぱい
共感するために同じ行動をさせるとはいえ、そこはやはり海の世界。
我々が決して行くことのできないファンタジーの世界がしっかりと描かれています。


ひかる不思議な砂を満たしたおしゃれな街灯謎の言語。
光るクラゲはルームランプ代わりに使われてます。
極めつけはイワシストーム(イワシの群れ)に反射する光のイリュージョン。
これらは生活感を出す演出として最大限にファンタジーしてます。
しかしファンタジーだからと言っていい加減に作ってるわけではありません。

今日でも中世西洋風ファンタジー作品は多くあります。
それらの作品でたびたび気になるのがうまそうな飯が出てくることです。


そりゃまぁまずそうに描くよりはうまそうに描いた方がいいに決まってますが豊富な食事を支えるにはその生産ラインが確保されていなければなりません。
特に物流は技術レベルに応じておのずと限界があります。
運送手段が十分に発達していない世界なら地産地消が当たり前になり輸入品は貴重になっていきます。
それこそ塩が給料の代わりになるくらい。
ですからファンタジー世界で豊かな食卓が描かれると気になって仕方ないんですよね。


その点『カラパレ』はしっかりと描かれています。
パーレルの特産品はひじきです(あと珊瑚糖)。
サンドイッチにもひじき、パスタのソースにもひじきひじき!ひじき!ひじき!!
ひじきというワードが出てこない回がないんじゃないかというぐらいひじき押しです。
ちゃんと地産地消してます。

それ以外のものはアザラシ郵便でまかなっているのでしょう。
このナイスガイは白い粉(小麦粉のことですよ)から人身(しかも2度も)までなんでも運ぶプロフェッショナルです。
パーレルの食卓は彼の双肩にかかってます。
こういう地に足の着いた世界観が僕は好きです。


・子供はどこからくるの?
ちょっと脇道それて身勝手な考証おば。


この世界では同じ殻から生まれた姉妹のことを「シェルシス」と呼びます。
劇中でさらっと使われて深く説明されていませんが、どうやらマーメイドは貝から生まれるようです。
そしてマーメイドという名前が示すとおり女性体しかいないようです。
人口再生産はどうしてるんでしょうね?

これは勝手な憶測ですが海洋事故で亡くなった人の浮かばれない魂がマーメイドたちの元になるのではないでしょうか?
真珠貝は体内に異物が入るとそれを核に真珠を作ります。
それと同じように人魚貝*1に人の魂が入って新しいマーメイドになるんじゃないでしょうか?


人語を介する海洋生物が普通にいる中でなぜ彼女たちだけが人間をつなぎ合わせたような姿をしているのか、その説明がつくと思うんです。

となると事あるごとに抱き着く彼女たちの行動は人恋しさからなのではないかと思えてくるわけですよ。

え?なぜマーマンができずにマーメイドだけなのかって?
うるせー!そういう貝なんだよ!!

*1:便宜上そう呼ばせていただきます。公式の用語ではありません。


・お気に入りエピソードベスト3
3位:第6話「あなたの名前を教えて」


映画館の掃除中に見つかった奇妙なキネオーブ。
それはビデオレターだった。
しかし再生してみると不思議なことが起こった……。

藤子・F・不二雄バリのSF(すこし・ふしぎ)なお話。
世界観が分かってきてキャラクターたちの歪な目個性にも慣れてきたころにぶっこんで来たトンデモ話。
この世界にはまだ何かあるのか!と思わせる一方でほんわかと切ない気持ちにさせるやさしいエピソードだったりもします。
フィナたちが将来を考えるきっかけとなる大事な転機でもあります。

“慣れ”は同時に“飽き”を呼び寄せます。
そんな視聴者を飽きさせまいと、まるで死角から矢を放つように予想外の展開をしました。
ヘタをすると視聴者を置いてけぼりにしかねないのにこの勇気あるぶっこみ。
さすが西村監督。男の中の男だぜ。

2位:第8話「それはね、靴っていうの」


セレナ達5人は“塩ゼリー”なるものをもらいにお使いに行く。
その目的地は……なんと丘の上!
見るもの聞くもの触るもの、すべてが初めてのものばかりで
ワクワクドキドキハラハラが止まりません!

「トゥインクル・パウダー」「プリズムパール」といった公式設定を回収した回。
まあ僕は「へぇ、そういうのもあるのか」と軽く流しましたけどね。
それよりも陸があり、船があり、海底以外の世界があることのほうが新鮮でした。

日常モノはついつい身近なところで小さくまとまってしまいがちですが『カラパレ』は世界の広がりをしっかりと見せてくれるいい作品です。
うっかりすると『ヴァンガード』であることを忘れてしまいますからねw
いいですか~みなさん~。ここは惑星クレイですよ~。
もう少し先まで行けばトカゲやら騎士やら魑魅魍魎が跋扈する世界なんですよ~。

1位:第12話「小さな光となって、輝いて」
執筆している時点(3/28現在)ではまだ放送されてませんが神回になることを保証します。
本作品のテーマは「成長」だと思います。


マーメイドたちには親がいません。
なので子供は集落の共有財産であり同世代の子たちで共同生活を送ります。
この世界のマーメイドは長寿らしいのでソナタたちが具体的に何歳なのかはわかりませんが容姿から察するに幼年期の終わりなのでしょう。


今までは大人たちに守られていた彼女たちの生活は映画館の出現により変わります。
大人たちのお手伝いではなく自分たちの仕事を見つけたのです。
修理から企画、広報、運営とすべて自分たちで考え1から作っていかなければなりません。
その達成感は彼女たちを大人へと成長させたことでしょう。
まだまだ危なっかしくて見守る必要があるけれども、彼女たちが自立する日はそう遠くありません。


しかしカノンにはひとつ課題が残されていたのです。
逃避してきた過去との決着です。
さもないといつまでも殻に閉じこもって出れなくなります。
分かりました。あなたは世界を革命するしかないでしょう。

ソナタにできることは何か?
カノンは歌声を取り戻すことができるのか?
彼女たちの決断はいかに?
皆さん、ぜひともハンドタオルを用意してご視聴ください。

・監督について
当作品はスピンオフとはいえ元ネタ『ヴァンガード』の宣伝が目的でしょう。
それからこれは根拠のない想像ですが新人育成の側面もあるような気がしてなりません。
冒頭でも触れましたが“バミューダ△”というクランはファンの間では根強い人気があります。
どれくらい人気があるかというと短編とはいえ2本ほど漫画になっているぐらいに……。
宣伝育成ファンの期待という3種の重荷を課せられて引き受ける監督はそうそういないと思います。
西村監督と言えば80年代から活動している大ベテランです。
彼のような大御所でなければ前途多難なこの作品の監督は務まらんってことでしょうかね。

しかしまあよく引き受けましたよね。
これまた全く根拠のない身勝手な妄想なのですが「俺の好きにやらせてもらえるなら引き受ける」といった取引があったのではないでしょうか?
発表当初ファンの間で期待されていたのは「キャッキャウフフのアイドル路線」であったと思われます。
実際に1話2話あたりまでは「彼女たちがアイドルを目指すのかな?」といったたぐいのコメントを散見しました。
#5話になるころにはアイドルの“ア”の字も出なくなりましたがね(´・ω・`)

しかしご存知のように第1話でアイドル路線は踏み倒す勢いで否定され、悠久のパストラーレ(田園劇)が繰り広げられました。
勇気があるというか無謀というか、見ようによっては横暴ともとれるこの方針を貫けるあたりに監督の技量が垣間見えます。
それどころか「ファンの期待に応えるだけでは一流にはなれない」という矜持さえ感じられます。
さすが西村監督。男の中の男だぜ。

ブログでは随分と茶化した言い方をしていますが心の底からリスペクトしています。
『カラパレ』のおもしろさ、演出の妙、技法など書きたいことは山ほどあります。
しかしそれらをだらだらと書くのは無粋というものです。
興味が出てきたらぜひとも円盤を買って繰り返し見てください。
ポコタンは西村純二監督を応援しております。


(追記:19/03/28)
『カラパレ』の公式サイトにキネオーブ(円盤)の情報がないので気をもんでいたのですが、ひょっとして出ないんですか?
そういえば風のうわさで「ブシロード100%出資」っていうのも聞いたな。
え?マジなの?!
あまりにも信じられなくてドキドキが止まらないんですけど。
#心不全カナ?

円盤よりも確実に収益を得る手段があるからいいってことですか?
3月29日発売のチーム「カラフル・パストラーレ」の収録されたエクストラブースター『Primary Melody』を買えってことですか?
#ちっ、しょーがねーな。踊らされてやるか……。

ストーリーのほうはヴァンガードchにて4月7日まで全話無料公開中なのでそっちを見てください。
特に「1話切りヨユー」とか言ってたやつは黙って観てください(・言・)

(追記:20/05/15)
今更ですが19/12/27に『カードファイト!! ヴァンガード スペシャルシリーズ第4弾 BD付きカラパレ サプライGiftBox VG-V-SS04』のおまけとしてBDが発売されました。
ボックスやスリーブで藤真拓哉先生のとってもかわいい絵が見れて大変満足なのですが……「本編もこの絵でやれよ(´・ω・`)」っていうのは禁句なんでしょうかね。
もっと注目されてただろう。
それともこの絵でやってたら作画崩壊ってオチだったかもしれない?

コメント

ディアベル
No.1 (2019/03/28 08:08)
執筆お疲れ様です。楽しく興味深く拝見させていただきました。

TCGそのものに興味がなくとも鑑賞用にでも彼女たちのカードを集めてみてはいかがでしょうか。
チェルも含めて6人とも高レアリティとなっており多少値が張るでしょうが…。
ポコタン (著者)
No.2 (2019/03/28 18:14)
読んでいただきありがとうございます。

とりあえず(T)この(C)女の子たち(Girls)のカードを集めるんですねw
昔はTCGしてたんですよ。
ただ「お財布から諭吉をドローしてコモンを召喚!すかさずバニッシュ!!」
の繰り返しに心が疲れてしまったんですよ(´・ω・`)
そういえなカラパレの子たちが収録されるブースターが明日発売でしたっけね。
あのショップ、まだ残ってるのかなぁ……。
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