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へその人が二人目の担当アイドルとして白雪千夜を迎えるにあたり自分の脳内世界観との解釈違いをふんわりと乗り越えた話

2020/03/07 20:44 投稿

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○序論

 今朝方、私はこのような呟きをした。

 私のことをいくらか前から知っている方は、私が「アイドルマスターにおける担当という語」に対し、いくらか思うところがあったのをご存知かもしれない。

へその人の異常な拘泥 あるいは、私は如何にして自問することを止めて荒木比奈の担当プロデューサーを名乗るようになったか

 読んでない方のために要約するなら「担当という語について、自身が納得のいく形で向き合うことが出来ていなかったから、この言葉を使うのを避けていた。だが、デレ6thナゴド公演を経て『そのアイドルが自分にとって何かしら特別な存在であるなら、それは担当アイドルである』という答えを得ることができたので、これ以降、荒木比奈を躊躇なく担当アイドルだと呼べるようになった」といった内容である。かくして私は担当という語を気軽に使える身にはなったわけだが、しかし一方で、ちょっとした課題が残されてたのも事実だった。

 すなわち、「担当アイドルを複数持つとは、どういうことか」である。
 「荒木比奈に対し感じているものとは異なっていて、かつ、他のアイドルに対しては感じないような特別な何かがあるのなら、それは荒木比奈と並び担当アイドルと呼びうる存在である」という解にはそれなりに早い段階で辿り着いてはいた。ただ、これはあくまで理屈の上でそうなるという話。そういう存在が現れうるのか、現れたとして自分は実際にどのような特別さを感じるのか。そんなことをぼんやり思うこと一年余り。既述した通り、私は荒木比奈に次いで白雪千夜を担当アイドルとして迎えるに至った、彼女に「特別な何か」を見出したがために。

 とはいえ、そこに至るまでの道筋はそれほどスムーズではなかった。それも外的要因ではなく、内的な要因がその障害となっていた。一番邪魔していたのは、自分自身が構築し堅持してきた脳内世界観だった。もう少し平たく言うと、私は他でもない私を相手に、解釈違いで衝突する羽目になっていたのだ、白雪千夜を担当アイドルと呼ぶかどうかを巡って。
 以下に記すのはその顛末である。そしてまったく今更だが、この記事は最初から最後までほぼ自分語りしかしないので、そういうのを読むと背中がムズムズする人は今すぐブラウザ閉じておへそを崇めるように。

おへそを崇めよ


○世界観の話

 少なくとも現行のアイマスの各ブランドにおいて、シンデレラガールズほど世界観が固定化されていないものはない。765プロダクションや283プロダクションといった事務所周りの設定すらもぼやかされている。これは『WILD WIND GIRL』や『U149』などの公式コミカライズ作品が、それぞれまったく異なる芸能事務所を舞台として描いていることからも窺える。もともとソーシャルゲームという空白だらけの媒体で始まり、しかも当初は今で言う765ASのアイドルと共存している状態だったから、世界観を固めるに固められなかったのだろう。
 アニメ版で346プロダクションが登場し、デレステでも同作での背景が一部流用されるなどした影響からか、他のブランドの事務所(765プロや315プロ、283プロなど)が中小の規模に留まっていることとの対比としてか。昨今のシンデレラガールズ界隈では、巨大事務所であるとの設定・認識が一定の人気を集めてもいる。しかし一方で、種々の理由で346プロダクションの設定と馴染めない人がいるのも事実である。それくらい、シンデレラガールズの世界観は曖昧模糊としている。

 そういう環境だったからか、シンデレラガールズのユーザーには「自分だけのアイマス世界観」を堅持している人が、存外少なくないようである。中小の事務所が乱立していたり、346プロの設定を一部改変していたり。ミリオンライブのサービス開始以降はあまり見られなくなったが、765ASの後輩や同僚としてのシンデレラガールズアイドルを想定している人もいたようだ。そういった個人的な世界観のすべてが二次創作等の形で表に出されるわけではないにしても、シンデレラガールズを楽しむにあたり何かしら自分なりの受け止め方を工夫している人は、それなりにいるだろう。
 私も御多分に漏れず、自分ならではのシンデレラガールズ世界観……もう少し正確に言うなら、シンデレラガールズを含むアイドルマスター世界観を構築してきた。それは自分の、アイマスに対するスタンスにとって最も都合がいいように調整されたものだったのだが……結果としてこれが白雪千夜を担当と呼ぶに際してにいくらかの障害となったのだから、まったく人生何が起きるか分からないものである。


 私が想定しているシンデレラガールズ世界観は、一言で言えば「巨大事務所と中小事務所乱立のいいとこ取り」だ。
 実数までは流石に考えていないが、大小様々な芸能事務所が少なくとも十数は存在していて190人いるシンデレラガールズアイドルはそれら数多の事務所に散らばって所属している。そしてそれら数多ある事務所が、「346エンターテインメントグループ(346グループ)」という連合体として緩く結集している。「346」という数字だけは活用しつつ、ただひとつの巨大事務所という形には縛られない柔軟さを備える形だ。

 346グループの最大の強みは、同グループ内であれば別事務所のアイドルとの交流や協働が極めて容易に行えるところにある。荒木比奈、神谷奈緒、安部菜々の三人がそれぞれまったく別の事務所に所属していても、音頭を取る者がいれば事務所の垣根を越え、虹色ドリーマーとして活動することができるのだ。大抵はいずれかのアイドルの担当プロデューサーが他のプロデューサーに企画を提案し、了承を取り付けてから活動を主導する形となる。「同じグループ内であれば交流が容易」という一点は、現実のEUから着想を得ているところもある。

 なお、346グループに所属していることをどれくらいアピールするかは事務所によってまちまちである。346グループの一員であることを全面的に押し出し、他事務所のアイドル達とも積極的に交流を持つ事務所もあれば、形式上346グループに所属しているというだけで独自路線を貫き続ける事務所もある。346グループのアニバーサリーなど、グループ所属事務所の全てが原則として参画する催しもあるにはあるが、基本的には各々の自由裁量が最大限に認められている。このあたりは、現実のデレマスPの間でも「346」という数字に対する距離感が違うことを踏まえた設定だ。

 歴史の話をすると、いくらか前(シンデレラガールズのアイドル達190人が出揃うより前)までは346プロダクションという巨大事務所はあった。アニメ版で描かれたあの事務所だ。だが何かしらの事業改革があり、現行の346グループ体制に移行した。当時の「美城常務」がそれまでの一極集中路線を転換したとされる。現在、346プロダクションという会社そのものは現存しているが、アイドルのプロデュースは行っていない。代わりに346グループ全体の知財管理や各事務所の補佐などを担当している。346グループの名物アシスタントとして名高い千川ちひろもそういった形で働いている。また346プロダクションの建物そのものは残っているので、レッスン場やエステなどの各施設は346グループ所属アイドルなら自由に使えるし、会議室も連日様々な事務所のプロデューサーが顔を突き合わせている。

 まとめると、

  • 中小事務所が多数乱立しており、その総称が346グループ
  • 346グループ内なら事務所の枠を越えた仕事が容易にできる
  • 346の看板をどれくらいアピールするかは各事務所の自由裁量
  • アニメの346プロ建物は現存していて、グループ員なら自由に使える

 といったところか。346という形で一定のまとまりを作りつつ、その範囲内でなら柔軟な活動ができる、都合が良くもそれなりに筋の通った世界観だとは思う。現実の芸能界でこのような仕組みが作れるかは分からないが、もともとサンタと吸血鬼がその辺をほっつき歩いている世界観だ、多少ファンタジーが混ざっていても問題はないだろう。シンデレラガールズのガバガバ世界観バンザイ。

 閑話休題ちとイヴをすこれ。そんな世界観で、私、もとい私のアバターとしてのプロデューサーは「OHESO PRODUCTION(以下、へそプロ)」なる事務所を経営している……という脳内設定で通してきた。プロデューサーにして、社長だ。とはいえ社員は自分と、あと片手で数えられる程度の事務員のみ。会社としては中小どころか極小といって言い。イメージとしては『龍が如く』シリーズのスカイファイナンスくらいの手狭な事務所だ。しかも当初は正式な所属アイドルが一人としていなかった。事務所の業務自体がアイドルプロデュースではなかったので、先に346グループの設定を長々と語っておきながらまったく変な話だが、へそプロはそのグループの所属ですらなかったのである。
 我ながら随分と回りくどいが、これは私のかつての「担当アイドルを持たない」スタンスに由来している。冒頭で取り上げた通りに担当アイドルというものを持たないまま長いことアイマスと接していたので、脳内世界観においても担当アイドル不在のままプロデューサーとして活動しているということになっていた。ではどんな活動だったのかというと、グループや事務所の枠を越えて、あらゆるアイドル達の活動をサポートする役回りだった。

 主な活動は2つ。アイドルプロデュースにおける便利屋業務と、貸部屋事業だ。順を追って説明しよう。

 ユーザーとして特定の担当アイドルを持たないから、脳内世界観のプロデューサーも通常の芸能事務所に所属しているわけではない。そこを逆手に取り、様々な事務所からちょっと変わった仕事を依頼される、ある種の便利屋のようなものを思いついた。「今度やるとあるイベントで特定の分野について詳しい人とコンタクトが取りたい、誰か知らないか」とか「この二人ユニットの売り出し方について、もう一押しが欲しい。外部の人間の目線から相談に乗ってくれ」といった案配だ。
 この妄想(まったく今更だがこの段落はすべて私の妄想である)の肝は、各事務所やそのアイドル達との距離感にある。同じ事務所ではないので担当プロデューサーほど近くはないが、さりとてテレビ局や雑誌社など完全な外部の人間というわけでもない。アイドル達の事情や私感に僅かなりとも接近できる立場ではあるが、それでも仕事で依頼された範囲を越えた接触はしないしできない。担当アイドルを持たない身として、ある程度贔屓することはあっても一歩引いたポジションを崩さなかった当時の私のプレイスタイルの反映だ。
 そしてこの設定に多少なりとも説得力を持たせるために、脳内世界観のプロデューサーには「765プロが弱小事務所から成り上がるあたりの時節に同社に入社し、働く内に業界内でコネを築いた」「765プロがシアターの建設に取りかかったあたりで一身上の都合により退職、その後また紆余曲折あって今度は個人の事務所を立ち上げた」「765プロ時代と紆余曲折あった時のコネで便利屋業務ができるような、多方面でマニアックな人脈を築くに至った」などの設定も盛った。このあたりは物語執筆修行で身に着けたこじつけ能力を存分に活かした。
 ちなみに「一身上の都合」や「紆余曲折」とは、プレインズウォーカーとしての覚醒やそれに伴う事件等である。そう、私の脳内世界観におけるアイマス世界は、MtGの多元宇宙にある次元のひとつだ。アイマスPPはプレインズウォーカー/PlaneswalkerのPでもあるのだ……という戯れ言。しかし実際問題、MtGも嗜むアイマスPは意外と結構いる。私もデレ7th名古屋遠征の時、晴れる屋の名古屋店で北海道からいらしたというアイマスP兼プレインズウォーカーと手合わせした。世界は広くて世間は狭い。


 そしてもう一つ、貸部屋事業について説明するにあたり、まずはへそプロの立地等について開示しよう。
 事務所そのものは都内の一角、とあるアパートの2階に構えている。4階建てで築年数もいくらか経っている、戸数もそう多くはないアパートだが……へそプロはそのアパートを部屋ひとつだけでなく建物全体の持ち主ということになっている。妙ちきりんな事態や事件が重なった結果、へそプロの元に権利書やら法的手続やらといった必要なものが転がり込んできた。決めているのはこれくらいだが、まぁ所詮は脳内世界観、細かな統合性なんぞ犬にでも食わせておけばいい。それよりも大事なことは「へそプロが保有しているアパートの空き部屋を、様々な事務所やそのアイドル達に貸し出している」という一点である。
 ある部屋はゲームが大量に持ち込まれているから望月杏奈や三好紗南が入り浸っているし、一ノ瀬志希が実験室として好き放題している部屋には時たま山下次郎が顔を出すという。防音処置の施された楽器部屋では暇を持て余した演奏技能持ちアイドルが突発的なセッションを組むこともあるし、試験間際で集中して勉強したい真面目な子が黙々と問題集と向き合う自習室もある。極めつけは屋上で、元自衛官と世界レベルとダンベル常備の社長令嬢の鍛錬の様子がしばしば目撃される。屋上は部屋じゃないだろという突っ込みは野暮なので受け付けないものとする。
 これらは、しばらく前からよく話題に挙がるようになった「越境」というものに対する私の認識の反映だ。異なるブランドのアイドル同士が交流を持つのは私も好きだし、自分の脳内世界観でも導入したかった。仕事の場でなら共演することももちろんあるだろうが、ではプライベートやそれに近い状況ではどんな場所なら自然な流れで交流させられるだろう? と、考えた結果「いずれの事務所にとっても外部で、かつある程度プライベートな空間を構築できる場所でなら可能ではないか」と思い至った。
 そしてここでも、アイドル達とは一歩引いた距離感にあることを強調しておきたい。事業の一環として部屋を貸し出しているし、その際の条件に従って危険な物や行為がないかの巡視はしているとしても、必要以上に踏み込むようなことはしていない。いま思い返してみても、アイドル達と過度に接近するのを、私は私が自覚していた以上に避けていたようである。


 また、上記二つの定常業務とは別に、行き場のないアイドルの一時預かりも行っていた。何かしらの事情で前の事務所を去らざるを得なかったアイドルや、へそプロのプロデューサー自身が見出したアイドルの卵などをへそプロの仮所属として、最低限のレッスンを与えつつ、腰を落ち着けられる事務所を探す、といった業務だ。これまで実績として、契約上のトラブルから半端な形で前事務所を放り出された橘ありすと、もう何度目かも分からない事務所倒産の憂き目に遭った白菊ほたるが、へそプロの仲介によって346グループ内で安住の地を得られている。そして荒木比奈もまた、へそプロのPが街頭で見出し、しばらく手元で育てた後、専任のプロデューサーに引き渡したアイドルだった。このあたりの設定は、自分でもどうして思いついたのかは覚えていない。「本所属しているアイドルがいないとしても、仮所属でならアリじゃない?」くらいのかるーいノリだったのかもしれない。

 ともあれ、以上が私の脳内におけるアイマス世界観だった、少なくとも担当という語への忌避感が残っていた2018年12月までの。その後、冒頭で述べた通りに私の中で担当という語への蟠りが解消されたので、脳内世界観にもいくらかの変化が見られた。

 まずはへそプロの346グループ加入を申し出た。その上で、担当アイドルと持たないとのスタンスを取りやめ、荒木比奈にへそプロへ移籍してもらった。引き継ぎなどで一悶着はあったかもしれないが、そのあたりは交渉や取引でまぁなんか平和裏に済ませられたということにしておく。それ以外の、便利屋みたいな仕事や貸部屋事業は変わらず継続した。もともと自由裁量が大きく認められている346グループなので、グループ外の事務所との仕事でとやかく言われるようなこともなかった。ただ、そうは言っても346グループに属していることは変わりないので、従来よりは346グループ方面の比重が大きくなっていた。
 こうして書き出すと、いっそ天晴れなくらいに自分にとって都合がいい。けれど、まぁ、所詮は自分がアイマスと気分よく接するために作り上げた世界観なのだ、都合よく作らなくてどうする、という風に開き直っていた。
 しかしこの時はまだ、よもやこの「都合良く作り上げた脳内世界観」がある種の障害になろうとは、文字通り想像もしていなかったのである。
 2019年2月末。彼女たちは、やってきた。


○千夜、襲来

 電撃的な登場を果たした黒埼ちとせと白雪千夜に対し、私は最初期から比較的に良い印象を持っていたことが、過去の呟きから見て取れる。特に、白雪千夜はかなり早い段階で気に入っていたようだ。『されど罪人は竜と踊る』の主人公ガユスとその相棒ギギナの、壊滅的な仲の悪さとそれに反比例するような絶妙に噛み合った連携が好きだった身としては、容易に靡かない千夜の様子が心の琴線に触れて仕方がなかったのだろう。


 この時点では「お気に入り」留まりで、担当にするかしないかとまでは考えていなかったように記憶している。けれどその後、一年余りを過ごし白雪千夜と断続的に様々な形で触れる中で、自分の彼女に対する思い入れが強く深くなっていったのだろう、と、今にして思う。特にデレ7th大阪公演で、隙あらば演者である関口理咲さんを目で追おうとしている自分に気づいた時には、
「あ、比奈センセーの時と同じパターンに入った。こりゃもう時間の問題やな」
 と、腹を括ったものである。

 ただ、その後、いざ白雪千夜を担当として迎えられるのかと意識的に自問してみたところ、他でもない自分の脳内世界観に掣肘を加えられた。
「これまで構築してきた、346グループやへそプロのある世界観において、白雪千夜を担当アイドルとして迎えることはできるのだろうか?」
「できたとして、その様子は自分が白雪千夜に対し抱いているイメージと反しはしないか?」

 こんな疑問が浮かび、頭から離れなかったのである。

 従来の脳内世界観を維持したまま担当アイドルを増やすこと自体は、荒木比奈という形で前例があった。今回もそれに倣えばそれでいいだろうという気もしていたが、白雪千夜に関してはちょっと勝手が違った。公式で提示された背景設定の重みや緻密さが従来のシンデレラガールズのアイドルの比ではないので脳内世界観との擦り合わせが必須だった……というだけならまだ何とでもなる。だが、「へそプロのプロデューサーは途中で担当プロデューサーになった=へそプロのプロデューサーが白雪千夜の最初のプロデューサーではない=白雪千夜が最初に『お前』と呼んだプロデューサーはへそプロのプロデューサーではない」ということになるのには、自分でも戸惑うほどの拒絶反応が出たのだ。

「白雪千夜は誰も彼もを粗雑に呼ぶような人間ではない」
「白雪千夜に『お前』と呼ばれていいのは、白雪千夜の始まりをプロデュースした者だけである」
「従って、誰か別のプロデューサーが手掛けた白雪千夜を引き継いで担当プロデューサーになったとて、そいつは『お前』にはならない」

 ……このような発想に至っている時点で随分と拗らせてしまっているが、ともかくそういうわけで、私はここに来て人生初の「解釈違い」に行き当たったのだ。それも、自分と他人ではなく、自分のそれまでの脳内世界観を相手に
 これには私もかなり面食らった。ここまで読んだ人ならなんとなく察しがついているかもしれないが、私は自分の内心で完結する物事に関しては自分の都合を何よりも優先する傾向がある。「脳内世界観、ここまではキッチリ決めるけど後はもうナァナァでいいや、これ以上は深く考えても楽しくないし」みたいなノリが平常運転だ。場合によっては「昨日までの話はなかったことにしとこ」と白紙に戻すことにも躊躇いがない。所詮は自分の胸の内だけの話、自分の都合だけを考えたところで誰に迷惑がかかるわけでもない。これは公式から提示された情報やテキストに関しても同じで、例えば「今回のカードのテキスト、正直あんまり好みじゃないから見なかったことにしちゃえ」と決めたらそれ以降は一切眼中に入らなくなる。
 こういった気質があるものだから、自分は解釈違いなるものとは縁がないものだと思っていた。より正確に言えば、解釈違いで気分を害したり物申したりしたくなる事はないだろうと思っていた。自分と他人(公式側・制作側を含む)との間で解釈に齟齬があったとて、そんなものは無視してしまえば何の問題もない。ましてや「それ私の解釈とは相容れません」などと突っかからねばならない道理もない。
 そんな矢先に、他の誰でもない自分自身を相手に、その解釈違いで衝突したのだ。驚天動地、青天の霹靂……そろそろ10年になろうかというアイマスP人生の中で一番驚いたかもしれない。ただ、一方で、不愉快な気持ちは不思議と薄かった。それよりもある種の嬉しさが大きかった。

 第一に、私は私が想像していたよりも、私の脳内世界観を大事にしていたらしいと分かったから。担当アイドルを増やすかどうかという局面において、それのためだけに世界観をまるごと刷新してしまうのは惜しいと感じる程度には気に入っていたようだ。自分の都合のためだけに作り上げた代物なのに……、いや、あるいは自分の都合のためだけだったからこそ、だろうか?
 第二に、その大事にしている世界観と天秤にかけられるほど、白雪千夜の事を気に入っていたと自覚できたから。脳内世界観だけが大事だったなら、それと衝突する方を切り捨てるという選択肢もあったはずだ。だがそれは、今この原稿を書いている時まで、文字通り頭に思い浮かびすらしなかった。それくらいに、私は白雪千夜に肩入れするようになっていたらしい。そしてこの感情は、荒木比奈に向けているそれといくらか似ていて、けれど微妙に異なり、なおかつ他のあらゆるアイマスアイドルに向けられているものとは明らかに違った。

 私がいつ、白雪千夜を担当アイドルとして迎えるか決めたのかと問われれば。
 それはきっと、私が私を相手に解釈違いで衝突した、まさにその時だったのだろう。後は文字通り、タイミングの問題だけだった。


○顛末

 ちなみにその解釈違いだが、後日、まったくあっさりと解消してしまった。というより、よくよく考えてみたら最初から解釈違いを避けることは可能だったのだと、後から気づいた

「他事務所が主催したオーディションにゲスト審査員として参加していたへそプロPは、成り行きで白雪千夜を合格させてしまい(この際に「お前」呼ばわり実績解除)、しかし諸般の事情でへそプロではすぐには受け入れられなかったから一旦は346グループ内の別事務所に引き渡した。その後、また何かしらの事情や成り行きがあってプロデュースを引き継ぐこととなったので、白雪千夜はへそプロに移籍することとなった」

 要するに、脳内世界観における荒木比奈とおおよそ同じルートである。この筋書きなら「公式の描写に可能な限り則ること」「最初に千夜に『お前』呼ばわりされたのがへそプロのPであること」「当初はプロデュースしていなかったが途中で担当するようになったこと」のすべてを両立させられる。もっと早くに気づいていれば、というか自分で都合良く組み立てた設定なんだから忘れるなよ、と苦笑いしたい心地だ。しかし、今にして思えばこの寄り道は決して無駄ではなかったと断言できる。
 先述した通り、自分相手の解釈違いを通じて、自分で自覚していた以上に自分の世界観や白雪千夜に対する思い入れが強かったのだと思い知れたこと。そして解釈違いで悶々としている間に千夜の限定SSRが実装された時に、比奈のSSRの時と同様の「何がなんでもほしい」という特別な衝動を感じたこと。あらゆる条件や要素が綺麗に噛み合った結果が、今このタイミングでの担当宣言だった……と、いうわけである。






 ……しかし、こうやって担当アイドルを一人から二人に増やした今、ふと頭の片隅で囁く声が聞こえる。

「一人を二人にするのも、二人を三人にするのも、大して変わらないのでは?」
カラーパイ的には荒木比奈は、白雪千夜はだから、がいたらちょうどいいんじゃないか?」
「タイプがパッションだともっといい」
「単色がベストだが、赤を含む多色のアイドルで、お前がそれなりに気に入りつつある奴も……いるのだろう?」















 ……さてはて、どうなることやら。先の事はまったく何も分からない、だからこそ面白い。そしてシンデレラガールズはそういう面白さに満ち満ちた、まさに自分ピッタリの環境だ、ということを再認識したあたりで、いったん筆を置くこととしよう。


 あ、蛇足ながら「白雪千夜や黒埼ちとせに対する界隈の反応が云々」みたいな話を期待していた人、もしいたらゴメンね! へその人はそういう話、ごま一粒分の興味もないからなァーんも語る事ないんスわ。何せこの記事は頭から尻尾まで全部が全部、自分語りなもんでネ! でもこうやって自分の思考(≒嗜好)をグヮバッと書き出すのもなかなか乙なもんですぞ、自分でも漠然としか把握してなかったことが見えたりすうからネ! そしてこの隠された文章を読んだあなた、そうあなたはおへそを崇めよ今すぐ崇めよ。


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