ヘイヨーさんの人生

「もっと世界が荒れればいいのに」(「伝説の悪魔」 ~第24話~)

2014/05/23 21:42 投稿

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 伝説の悪魔と呼ばれたマディリスは考える。“なぜ、人々は平和で安定した世界を望むのだろうか?”と。
 それでは、能力は上がらない。成長はしない。もっと世界が荒れればいいのに。そうすれば、人々が心の底に眠らせている能力が引き出されるだろう。そうなれば、きっと、おもしろい世の中になる。これまでとは比較にならない程の強さを持った人間も多数生まれるだろう。その世界を見てみたい。そんな人間達と戦ってみたい。マディリスは、そう思った。

 マディリスは、こうも考える。
 人々は、安定を望むがあまり、大きな力に従う。国だとか貴族だとか、そういったものに。その一方で、不満を感じてもいる。わずかな収入の為に、命を削って働き続ける。実際に大きな怪我をしたり、病気になったりすれば、ポイと捨てられる。まるで、役目の終わった人形か何かのように。

 なぜ、そこで反抗しないのだろうか?反乱を起こそうとしないのだろうか?不思議でたまらない。無論、それは力がないからなのだろうが。ならば、力を身につければいいではないか。立場をひっくり返せるだけの力を。

 この時代、平民は、まさに使い捨てであった。労働組合だとか、健康保険だとか、そういった仕組みは存在しない。体が動かなくなれば、死を待つのみ。誰も助けてはくれない。家族ですら、どうしようもない。働けない者を食わせていけるだけのゆとりなどないのだから…
 また、この時代には、国の力もそれ程大きくはなかった。むしろ、貴族や領主といった、直接土地を管理している者の方が大きな力を持ち合わせていたとも言える。領主達は、自ら軍事力を持ち、平民の反乱を抑え込んでいた。

 国の役割としては、国土を守ること。ただ、その境界線も曖昧でいい加減であった。だが、この頃から次第に国家の力も増し始め、国同士の境界線もハッキリし始める。なので、あちこちで頻繁に戦闘が起こる。
 マディリスは、そういった小競り合いに積極的に介入しに行っていたのだが、マディリスが来ると知ると、お互い戦闘をやめてしまう。誰しも、無差別に殺されたくはないのだから。

 それ以外にも、大きな力を持っていたのが、宗教団体であった。各地に大きな組織が固まっており、中には騎士団や魔術師団を抱えている組織も存在した。
 国によっては、教皇を中心とし、実質的に宗教組織が国の実権を握っていたりもする。魔法を学ぶ為には、国家が運営する学校に通う者が多かったが、こういった宗教組織からも強力な魔術師が何人も生まれていた。


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