ヘイヨーさんの人生

「プロローグ」(「伝説の悪魔」 ~第1話~)

2014/04/30 18:58 投稿

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 ある街の街角に1人の老人が座っている。ゴツゴツとした木の杖を手にし、真っ白な長髪に白ヒゲをたくわえたその姿。浮浪者か何かだろうか?その周りでは、子供達が楽しそうにはしゃぎ回っている。

 突然、老人は子供達に語りかける。
「“伝説の悪魔”というのを知っているかい?」
 子供達は立ち止まり、不思議そうに老人の顔を覗き込む。
「しらな~い。なにそれ?」
 1人の子供が、そう答える。
「そうかい。では、話してあげよう」
 老人の周りに他の子供達も集まってくる。

「昔々の話じゃよ。この世界が混沌に満ちていた時代。1人の少年が存在した。少年は闇のように漆黒の瞳を持ち、漆黒の髪を風になびかせていたという。それは、まるで闇の中から抜け出したかのような存在じゃった。あるいは、闇そのものであったのかも知れぬ」
 老人は、そこで一息つく。子供達は、「何事だろうか?」と興味津々で耳を傾けている。老人が続ける。

「見た目の問題ではない。その行為、その語り口、その思考。全てが闇そのものであり、全身から人を飲み込むような気を放っておったそうじゃ。近づく者、全てを傷付け、滅ぼしてしまいそうな、そんな気を…」
 老人が再び言葉を切る。子供達はし~んと静まりかえっている。明らかに、ドン引きしている様子。それでいて、誰も逃げ出そうとはしない。“恐ろしい”という気持ちと共に“続きを聞きたい”という好奇心も内在しているからだ。
「けれどもじゃ…それだけではない。ある者は、こう語る。あんなに優しい人は見たコトがない。別のある者は、こう言った。アレほど魅力的な人間は他にはいない、と」
 老人は、さらに続ける。
「悪魔なのに人間というのもおかしな話じゃが。事実、見た目は人間そっくりであり、あるいは実際に人であったのかも知れぬ。じゃが、中身は別じゃった。その能力・その思考は完全に人ではなく、神にも匹敵したという話じゃよ。それでいて、決して神にあらざる者。それが、伝説の悪魔という存在じゃよ」

 こうして、老人の話は始まった。
 あらゆる能力を身につけ、あらゆる存在を超越したと伝えられる奇跡の存在についての話が。


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