ヘイヨーさんの人生

「物語」(連載小説 ~最終話~)

2014/04/29 19:27 投稿

コメント:6

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 レユレユは元いた世界へと…つまり、ここに舞い戻ってきた。
 その瞬間、レユレユは全てを思い出した。自分が生まれた理由、その役割、作られた記憶。
 そうだ。僕は、ここで生まれたんだ。そして、あの世界へと送られた。空想と現実の狭間に存在するあの世界へと。レユレユは、それを思い出した。
 レユレユは何年も何年も別の世界で旅をしていたが、この世界ではわずか数ヶ月しか経っていなかった。

「おかえり、レユレユ」
 そう、青年は声をかけた。
 レユレユは、何と言えばいいのか言葉が思いつかなかった。
「旅は、どうだった?」
 青年のその質問には答えられた。
「何も。何もできなかったし、何も残せなかった。何もかもが中途半端で終わってしまった…」

「果たして、本当にそうだろうか?」
「どういう意味?」と、レユレユは質問し返す。
「この世界に住むほとんどの者達が、何もできずに死んでいく。何も生み出せず、何も残せずに。そんな中で、お前は立派に生き、残したじゃないか」
「残した?何を?何1つ成せなかった僕に、一体、何が残せたの言うの?」
「少なくとも、何かを始めるコトはできた。それにより、大勢の人々が影響を受け、その人生を変えた。それに…」

 青年は言葉を切る。レユレユは、尋ねる。
「それに?」
「残ったじゃないか」
「残った?何が?」
「“物語”だよ。お前が生きて旅したその道あとは、そのまま物語となった。1つの長い物語に。それだけでも立派なものさ。何もできず、何も残せずに死んでいくよりかは、遥かにな…」
 ああ…そうか。物語か。それだけでも充分かも知れないな。最後にレユレユは、そう思ったのだった。

 ~おしまい~


コメント

オフウ
No.4 (2014/04/30 12:37)
お疲れ様でした。

毎日無理なく読めて楽しかったです。

 
ねここね
No.5 (2014/04/30 12:37)
 お疲れでしたー。 個人的には面白かったし、結構好きでした。

 最後の着地点は 可もなく不可でもなくでしたが、うーん。 ラストは難しいですよね。
大西平洋(ヘイヨー) (著者)
No.6 (2014/04/30 12:51)
>オフウさん
 読んでくれて、どうもありがとう♪
 今回は、そこは重視したので。文章量をなるべく少なく。イラストも入れて。ただ、途中ちょっと熱が入って、読みづらくなっちゃった所もあるんだけど。
 次からは、もっと文章量を増やして、その代わりに改行や会話を増やして読みやすくするつもり。

>ねここねさん
 ラストはね。これ、かなり初期の段階で決めていた終わり方なので、ちょっと強引になっちゃったね。ただ、この作品だけでなく、他の作品との関連があるので、どうしても譲れなかった部分。
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