ヘイヨーさんの人生

「混沌とした時代に」(連載小説 ~第119話~)

2014/04/28 19:42 投稿

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 パチパチパチパチ!
 青年は他に誰もいない部屋で、1人で拍手を送っていた。誰に対して?もちろん、レユレユに対して。
「人生は孤独なものだ。1人でやって来て、1人で帰っていく。悪くない結末じゃないか」
 自分自身に言い聞かせるように、そう呟く。

 それから、青年は、これまで見てきたものを振り返るように思案にふけった。
「平和だった時代は終わりを告げ、世界は混沌とした時代へと突入しようとしている。既に、突入しているか。人々は、そこでいかに生きていくのか?」
 そこで1度言葉を切ると、青年は部屋の中を歩きながら再び語り始める。

「だからこそ、懸命に働く。それこそが正しき道であり、その先に幸せがあると信じて。それも1つの生き方だろう。あるいは、バカバカしくてマジメに働く気も起きない。遊んで暮らしたくなる。その気持ちもわかる。いずれにしても、名前は失われる。当然の結果だ」
 部屋の中をグルグルと歩き回りながら、青年は続ける。

「人は、それ以外の生き方を見出さなければならない。こんな時代だからこそ、特殊な生き方が求められる。それでこそ、名前は与えられるというもの…」
 青年はピタリと立ち止まり、結論づける。

「いろいろと考えさせられたし、いい退屈しのぎにもなった。今回の物語も、なかなかおもしろかったよ。今度、ヘイヨーさんに話して、本にしてもらおう」
 その時だった。キ~ッと扉を開ける音が聞こえて、誰かが部屋に入ってくるのがわかった。それは、レユレユだった。

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