少年は、いつしか老人となっていた。世界中を旅して回り、満足な人生であった。
老人は道端で座り込み、終わりの時を待った。人生の終わりの時を。ところが、その時になって、急に死が恐くなってきた。「まだ生きたい!」という気力が湧いてきて、腹が減ってきた。
すると、そこへ1人の少年が通りかかる。老人は、少年に懇願する。
「腹が減って死にそうなのじゃ。何か食べ物をわけてくれんかの?」
少年はパンを1つわけてくれた。
「ありがとう!ありがとう!」と、老人は少年に対し、何度もお礼を言った。
そうして、少年が去っていった後も、その少年が進んでいった道を眺め続けた。
おしまい
そして少年が進んだ道はどこへ繋がっていくのか。