母親は、息子のコトを心配し、後悔した。「あの子は大丈夫かしら?」と。
そこに神様が現われて言った。
「そんなに息子が心配か?ならば、なぜ1人で旅に出した?」
確かに、その通りだわ。あの時は、あの子のコトを思って旅に出したつもりだったけれども、逆効果だったかも知れない。神様、どうか、あの子をお守りください。母親は、そう願った。
すると、神様はこう答えた。
「よかろう。お前の願いをかなえてやろう」
こうして、母親は羊になった。
羊になった母親は、先回りをし、息子に出会った。息子の方をジ~ッと見ていると、パンを1つ恵んでくれた。
「やさしい子ね…」
羊になった母親は、息子の後をついて行く。
そうして、黙って殺され、食べられた。その死後も、羊のセーターとなって息子を守り続けたのだった。
ヘイヨーさんの人生
「少年と羊 ~第4章~」(連続小説)
2013/08/13 18:20 投稿
コメント:2
- タグ:
-
ヘイヨーさん
-
小説
-
少年と羊
-
連続小説
-
創作
-
少年
-
羊
-
母親
羊の殺されるシーンはちょっと引っかかっていたんですよね・・
図らずとも息子が盗賊になるのを手助けしていますが、それでも息子が幸せなら
それでいいのかもしれない。改心したカーチャンの母心ということで。