ヘイヨーさんの人生

サンジゲンは昔のスクウェアに似ている

2016/08/24 18:19 投稿

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 ヘイヨーさんは、現状を把握する時、過去の事例と照らし合わせてみるということをよくやるのですが…
 「ブブキ・ブランキ」を作っているサンジゲンというアニメ制作会社は、昔のスクウェアに似ているなと感じます。あのゲーム会社のスクウェアです(現在は合併してスクウェア・エニックスとなっています)


 時期でいえば、日吉にあった本社を移転した頃かもうちょっと後くらいでしょうか?
 そう!あの「ファイナルファンタジー」を発表した直後!あの頃のスクウェアに似ている!そう感じます。

 その頃のスクウェアは、こまごまとしたゲームをいくつも開発していたのだけど、どれもそんなにうまくいっていたわけではありませんでした。そこで1つの大きな勝負に出ることにします。
 そして、ついに渾身の一作を世に放った!それが「ファイナルファンタジー」です。
 一説によると、この「ファイナルファンタジー」が売れなければ、スクウェアは会社を解散していたのでは…とも言われています。

 ところが、当時のスクウェアはまだまだ知名度が全然なかった。せっかくいいゲームを発売したにも関わらず、売れるかどうかわからない。

 その危機を救ったのが「ファミコン通信」(現在の「ファミ通」)
 ファミ通紙上で、「凄いゲームが登場したぞ!」と大々的に取り上げた。
 結果、「ファイナルファンタジー」はヒットし、現在まで続編や外伝などが数多く作られ、映画化やアニメ化にもつながっています。


 もしかしたら、あそこでファミ通が取り上げなくても、ゲームのおもしろさだけで売れていたかも知れません。それは誰にもわかりません。過去にさかのぼって「あの時、もしも、ああしていなかったら…」と想像してみても、それは仮説に過ぎないのですから。
 それでもファミ通の果たした役割は大きかったと、そうヘイヨーさんは考えます。


         *

 それから、時は流れ…
 10年ほど前、1つのアニメ制作会社が誕生しました。
「どうにかして、CGでアニメが作れないだろうか?それも、手描きと遜色のないアニメが」
 その想いで誕生したのがサンジゲンという会社です。


 サンジゲンは、長い間、下請け時代が続きました。
 下請けは安定して収入が得られる代わりに、自分で作品の権利を持つことができません。

 …というわけで、サンジゲンとしては自分のところでアニメ作品を作りたかった。それも、できれば原作つきではなくオリジナルのアニメ作品を作りたかった。それが、サンジゲンという会社の長年の夢だったわけです。

 で、紆余曲折あって制作されたのが「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」です。
 それまでも他のアニメ制作会社と共同だったり、10分程度の短いアニメは作っていたのですが、原作つきとはいえサンジゲン単体で本格的に毎週テレビで放送されるアニメを作ったのは、これが初めてです。


 さらに、その次にオリジナルアニメとして作られたのが「ブブキ・ブランキ」というわけです。
 ようやくサンジゲンは長年の夢をかなえたわけです。それも、2クールモノとして。


 ところが、ここまで来るのにえらく時間がかかってしまった。
 当初5年くらいで達成するつもりだった予定が10年かかってしまった。
 それでも、ついに夢を果たしたわけです!


 ちなみに、「ブブキ・ブランキ」の監督である小松田大全監督も、これが初監督作品。
 いろいろと初めてづくしなわけです。


 けれども、これがあまり売れていない。
 まさに、かつてのスクウェアと同じような状況に陥ってるわけです。


 サンジゲンのトップに立っている松浦さんは、非常に優秀な人なので、すぐに会社が傾くような経営はしていはないでしょう。
 現在のアニメというのは基本的に制作委員会方式なので、制作費の大部分は他の会社に出してもらっているはずです。


 それでも、持ち出し(制作委員会が出してくれるお金だけで足りない分をアニメ制作会社が自分で資金を出すこと)も結構あるのではないかと思われます。
 売れなければ、当然赤字になります。

         *

 前回、宣伝戦略のお話をさせていただきましたが、それをアニメの制作会社が行うにはどうしても限界があると思います。
 監督やディレクター、アニメーターなど、実際の制作スタッフが宣伝に協力するという手もあるでしょうが、できればそういった人たちはアニメを作る作業に専念していただきたいものです。そうして、最高の作品を世に放つのが本来の仕事といえるでしょう。


 では、誰が宣伝をやるのか?作品を広めるのか?
 それは、アニメ雑誌やアニメ評論家といった人たちだと思うのです。


 一般の視聴者では到底気づかない見かたを発見し、伝える。あるいは、無数に作られている作品群の中から隠れた名作を探し出し、広める。
 本来ならば、その役割をになうのがアニメ雑誌やアニメ評論家だったはずです。
 残念ながら、現在はそうなっているとは言いがたい状況にあります。


         *

 先ほど、状況的には「ファイナルファンタジー」に近いと言いましたが、実は「ブブキ・ブランキ」は作品的には「ロマサガ」に近い。「ロマンシング サ・ガ」の第1作目です。

 「ロマサガ」は、結構難しいゲームです。1度目のプレイではクリアーできなかった人も多かったのではないかと思います。
 「ブブキ・ブランキ」というアニメもそれと同じで、1度目の視聴では、途中で見るのを諦めてしまう人も多いでしょう。
 最後まで見たけど、おもしろさがよくわからなかった人もいるでしょう。これは、「ロマサガ」でいうところの、サルーイン戦まではいったけれども、クリアーできなかった人に近いと思います。

 逆に、最後までクリアーしてエンディングを見た人は、2周も3周もして楽しむことができたでしょう。中には何十周も繰り返し遊び倒した人もいるはず。
 「ブブキ・ブランキ」も、それと同じで、1度、真のおもしろさに目覚めれば、何度でも繰り返し見て楽しむことができます。


 そういったちょっと難しいアニメの見かたを懇切丁寧に説明し、そのおもしろさをわかりやすく伝える。
 もしも、そういうことができたなら、アニメ雑誌やアニメ評論家の株も劇的に上がる。
 そうは思いませんか?


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