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小料理屋あまやどり最終回+設定他【テキスト版】

2021/05/29 23:48 投稿

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お久しぶりです、はつざつひじりです。

まずはしばらく動画の更新が無いことをここに謝罪さていただきます。

また、薄々気が付いていた方もいるかもしれませんが、小料理屋あまやどりシリーズの投稿がいよいよ厳しくなってしまいました(理由は色々とあるんですが、言い訳がましくなるのでここでは控えさせていただきます)。

しかしながら小料理屋あまやどりシリーズは、いろいろな方に見ていただき少なからず好評をいただいていたシリーズです。
それをこのまま何も言わず失踪は不義理だろうと考え(シリーズ投稿を年単位でやってなかった時点ですでに不義理なんですが)、せめて書き溜めていた最終回含めたお話しの一部(全三回分)や設定をここに書きなぐり一応の最終回としてさせていただこうと考えています。

自己満足にはなりますが、どうぞお付き合いいただければ幸いです。


  • #6回、酒嫌いとウーロンハイ


初めに言っておきますと、この話は次の話とセットになっています。そして琴葉姉妹回です。

さて内容ですが、簡潔に説明するとお酒が嫌いな大学生の葵ちゃんが少しだけお酒に対する見方を変えるお話しです。


葵ちゃんは、関東の酒屋の娘として産まれ、茜ちゃんと共に何不自由なく生活します。ここまでは何も問題なかったのですが、彼女たちが中学生に進学する時に転機が訪れます。

両親の酒屋が関西に支店を出すという話が持ち上がり、そこで父親が関西の支店へと引っ越すことになったのですが「茜と葵もついてこないか」と持ち掛けられます(将来の跡継を育成する目的がありました)。

当然葵ちゃんはこれを断ります、しかし何と茜ちゃんは葵ちゃんへ相談もないままこの誘いに乗り、父親と関西へと引っ越すこととなりました。

二人は非常に仲の良い姉妹だったため、葵ちゃんはこれに対して非常に強いショックを受けます。また、大好きな姉がお酒なんて良く分からないものに取られた気がして酒に対して嫌悪を感を抱くようになります。さらに、これがきっかけで元々内向的だった性格がより一層閉鎖的なりました。

そして時は流れ、二人が大学生になった時。二人は関東の同じ大学に進学することとなりました。そこで、葵ちゃんの酒嫌いは加速することとなります。

サークルの新入生歓迎会など、飲み会の場で享楽の道具として使用され、罰ゲームなどの対象になっているお酒を見てしまいます。

「こんなものに両親は心血を注ぎ、私は、私たちは振り回されたのか」と考えるようになり、20を超えたころにはもうすっかりお酒を見るのも嫌になっていました(ただ体質的にアルコールがダメというわけではない)。

そんな葵ちゃんですが、ある日一軒の小料理屋、あまやどりを見つけます。

葵ちゃんはお酒を嫌悪しているので、それらを提供する店もあまり好いてはいないのですが、お店から漂う美味しそうな香りには逆らえずついつい店へ入ってしまいます。

そこで店主にお酒が苦手なことを伝え、食事だけしたいと伝えます。これを店主は快く引き受けるのですが、葵ちゃんが明らかにおつまみの様なメニューばかり頼むので思わず「...お酒、苦手なんですよね?」と聞いてしまいます。

そこで葵ちゃんは、アルコールがダメなわけでは無いこと、ただお酒という物に価値が見いだせないこと、誰にも話したことが無いはずの自分の過去の話などを初対面の店主に話してしまいます。なぜだかはわかりませんが、店主の温和な雰囲気がそうさせたのかもしれません。

話を聞いた店主は「それなら何か、飲み易いお酒を用意します」と話し「もちろん葵さんが良ければですが...」と続けました。普段なら絶対に断る誘いですが、やはり店主の雰囲気がそうさせるのか、思わず首を縦に振ってしまうのでした。

そうして出されるのがタイトルにもあるウーロンハイです。

正直に言って、葵ちゃんはがっかりしました。なぜなら一度ウーロンハイは飲んだことがあるからです。その時の感想は「意味がない」でした。出来合いのウーロン茶にアルコールが入っただけ、そんな飲み物を出されても...と心のどこかで何か期待をしていた葵ちゃんは落胆します。

しかし、改めてウーロンハイが注がれたグラスを見ると、どこか違和感がありました。

その違和感は氷でした、氷の色が茶色いのです。それに何だか香りも、自分の記憶の中のウーロンハイよりずっと良い。それを恐る恐る口に近づけ、口に含みます。

すると、素晴らしい香りと甘みが口に広がります。それは記憶の中のウーロンハイを消し去るには十分な衝撃でした。

言葉を失っていると店主が「どうでしょうか?」と少し心配そうに問いかけてきます。少し慌てながら「その、多分、ええと...美味しいです、香りも良くて...」と答えると「よかったです」と店主は安心したように言いました。

ただあまりにも昔飲んだウーロンハイと味が違う、それに茶色い氷の正体も気になり質問をすると「このウーロン茶は自家製で、私が毎日淹れているんです。そうすると香りも良くなりますし、お酒に合うものが選べますから。それとこの氷はウーロン茶を凍らせたものなんです、こうすると最後まで美味しく飲めるので」と答えました。

「毎日って...そんな、大変じゃないんですか...?」「もちろん大変ではありますけど、お客様に喜んでいただくためですので、辛く感じたことはないですよ。」

「それに、誰かが一生懸命に作ったお酒ですから、一人でも多くの人にこのおいしさを伝えたくて、そう思うと手は抜けなくなるんです

「...きっと葵さんのご両親も、誰かに喜んでもらいたくてお仕事をされているんでしょうね」

このセリフを聞いて葵ちゃんはハッとします「そういえば両親はいつも楽しそうに仕事をしていました。お酒なんてくだらないと思っていたけど、もしかしたら両親も、目の前にいる人のように、誰かに喜んでもらうために一生懸命働いていたのかもしれない。」

「もちろんすぐには受け入れられないけど、少しずつ理解できるようになるのかもしれない。」「今、私が少しだけお酒が嫌いじゃなくなったように」

「そうだ、今度茜にもこの店を教えてあげようかな...」

「...やっぱりもう少しだけ、一人で楽しんでから教えてあげよう」そう思いながらもう一度グラスを口へ運んだ。

...と言った感じの回にする予定でした。

  • #7回酒好きとあさりの酒蒸し


6回の続きで茜ちゃんメイン回です。6回であいまいだった茜ちゃんの心情などの補足や答え合わせ的な回にする予定でした。

茜ちゃんは内向的な葵ちゃんと打って変わって、とても朗らかで友達も多いタイプです。またとても賢く、人の考えや気持ち、能力などをすぐに理解する子です。また、お酒も大好きです(そんなに強いわけではない)。

さて、そんな茜ちゃんが葵ちゃんに相談無く関西への移住を決めた理由ですが、これは葵ちゃんの性格と才能に起因しています。

葵ちゃんは元々内向的で少し流されやすく、明るく朗らかな姉である茜ちゃんにやや依存気味でした。そんな葵ちゃんに自分の引っ越し計画を話せばきっと葵ちゃんはついてきてしまう。そう考えて葵ちゃんには相談しないままに移住を決めてしまいました。

また、そもそもなぜ茜ちゃんは関西への引っ越しに踏み切ったかと言うと、これは将来的に葵ちゃんと自分が対等な経営者になりたいと考えたためです。

実は葵ちゃん、人付き合いこそ苦手ですしお酒も過去のことから嫌っていましたが、めちゃくちゃ味覚が鋭敏と言う設定で出すつもりでした。またかなり肝臓が強く酒屋として美味しいお酒を見つける力などは、茜ちゃんよりずっと高い才能を持っているという設定でした(本人は気が付いてないですが)。

だからこそそんな葵ちゃんと将来肩を並べられるように、故郷を離れ父親の元で色々と勉強したり各地の酒屋を見学したりと、葵ちゃんとは別ベクトルの力を身に着けようと考えていたんですね(姉妹それぞれが「相手の方が優れている」と考えてる設定にしたかった)

そんな茜ちゃんが葵ちゃんの勧めであまやどりへと向かう事から今回のお話は始まります。

お酒嫌いだったはずの葵ちゃんからの勧め、という事でテンションが上がり過ぎた茜ちゃんは元々お酒があまり強くないという事もあり、店に着いて早々に酔っぱらってしまいます。

そのまま過去の話や夢の話、葵ちゃんの才能について(↑で書いたようなこと)を語り始めます。

「みんながウチのことを褒めるけど、本当は葵ちゃんの方がずっとすごい。早く葵ちゃんに追いついて、いつか二人で一緒に酒屋を経営するのが夢」

などと話す茜ちゃんに、店主はあさりの酒蒸しを提供しました。だいぶ酔っぱらっているのでその配慮ですね(メタ的にはお酒が二人の仲を取り持つ、的な意味合いもこめていました)。

ホッと落ち着く料理を食べて「次は葵ちゃんと二人で来よう、そしてまたこれを食べよう」と誓うのでした。

と、いった閉め方をする予定でした。
  • #8回最終話 あまやどりと小料理屋


最終回ですが、かなりシンプルな内容になっています。この回は動画投稿時点からもう構想にありました。


ある夏の日、まだ準備中の小料理屋あまやどり。そろそろ店を開けようか、という時間に扉についた鈴が鳴りました。しかし、引き戸を引く音は鳴りません。

少し不信に思いながらも扉の方を向き「いらっしゃいませ」と言いかけたところでゆかりさんは言葉を失います。

そこにはもう一生会えないはずのあかりちゃんが立っていました。

唖然としたゆかりさんですが、すこし顔を伏せた後に一呼吸を入れ、笑顔で「いらっしゃいませ」と言い直します。

あかりちゃんはそれを見て、にっこりと笑いながら席に座ります。その後、あたりを少し見渡した後に

「それじゃあ、ゆかりちゃんが一番好きな料理をお願いしようかな」と言いました。

それに「はい、すぐ作りますからね」と少し震えた声で答え、ゆかりさんは後ろを向き、料理を始めました。

料理中、あかりちゃんとゆかりさんは他愛もない話をします。

最近またマキさんが店に通うようになったこと、とある姉妹が二人で通ってくれている話、可愛らしい友人ができたこと。

そして、熱心な常連さんの話。

そんな話をしてる間に、料理の音が止みました。しかしゆかりさんは振り返ろうとしません。

そんなゆかりさんにあかりちゃんは問いかけます。

「...ゆかりちゃん、もう料理できたんじゃない?」

「...いえ、もう少しだけ」

「ダメだよゆかりちゃん、お客さんを待たせちゃ」

「......」

あかりちゃんは、優しい声で言いました。

「ゆかりちゃん」

「いい店になったね」

「...!」

「...はい......っ」

ゆかりさんが泣きながら振り返ると、そこには誰も居ませんでした。

ゆかりさんの手には、きれいに並べられた出汁巻き卵が乗った皿がありました。

「ありがとう...あかり...」震えた声でゆかりさんがつぶやきます、すると扉が勢いよく開きます。パッとそこを見ると。

「ゆかりさん!ちょっと早いですけど来ちゃいました...って、え!?なんで泣いてるんですか!?」ずん子さんが居ました。

「...ふふっ」そのあまりの慌てぶりにゆかりさんは思わず笑ってしまいます。

「何かあったんですか!何かあるなら私に...って、なんで出汁巻き卵を持ってるんですか?もしかして誰か先客が...そしてそいつに...!」

「えぇ、そうなんです。大切な...本当に大切な友人がついさっきまでここにいたんですよ。」

「でも、もう大丈夫ですから」

ゆかりさんは晴れやかな笑顔を浮かべます。

「えぇ?本当ですか...?」

「もちろん、それより今日は私張り切って料理しちゃいますよ!」

「え!それは楽しみです!!」

ゆかりさんは涙を拭い、料理に取り掛かります。そして心の中で思いました。

「(ありがとう、あかり...本当に、本当に良い店になりました。)」

「(だから...だから、私はもう大丈夫です...!)」

そしてここで特殊OPが流れて最終回終了、と言う予定でした(OP曲はそのまま映像が変わる、あまやどりに来る途中ずん子とあかりがすれ違い、ずん子が振り返る映像)。

  • あとがき


以上が現在までに書き溜めていた台本やプロットです。改めて書き起こすとすごい量ですね...。
正直、ここまで文章が出来上がってますし動画にしたかったのですが、色々な理由があり制作が止まってしまい、残念に思っています。
自分自身、思い入れのあるシリーズでしたし、完結後の続編的なものも考えていたりもしたので、また動画投稿ができる環境になったらそれに準ずるものが作れたらな~なんて考えてます。

最後に、今までたくさんのご視聴、応援本当にありがとうございました。本当に感謝してもしきれません。こんな形での最終回となってしまいましたが、少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです。

※ニコニコのブロマガが近いうちに消滅するのでnoteなどの外部サイトにもこの文章は残しておきます。詳しくはTwitter→https://twitter.com/HTZT_auau まで


コメント

高坂
No.1 (2021/05/31 09:48)
つい最近、大好きだった失踪中のゆっくり実況動画がリスタートと言う形で再開しました。
相変わらずの面白さで諦めずに待ってみるもんだなと実感したところです。
企業のように仕事でするものではない個人の動画制作ですから、様々な事情があり遅れることも凍結することも途中完結を宣言することもあるでしょう。
ですが、一視聴者の意見としては本人に完成させる気持ちが残っているならば、どうぞ何年でも寝かせていつか完成させてくれればと思います。
いつまででも待てます。(寿命までは・・・)
投稿者さんの決めたことは絶対ですので、もう作らないということであれば仕方ありませんが、時間の経過は気になさらずに環境が整いいつかふと「作ってみても良いかな・・・」とでもなったときにでも作っていただければ幸いです。
それでは一応の区切りとして、今までお疲れさまでした。
次回作楽しみにしています。
はやみ
No.2 (2021/05/31 17:12)
小料理屋あまやどりは私が見てきた動画の中でもお気に入りの一つです。
今回のプロットを読みながら、もし動画でならここはこのように表現するのかなとか、ゆかりさんはこんな声でこう語りかけるのかなと鮮明に浮かび上がりました。登場人物の心情もすごく伝わり、文章だけでも充分見ごたえがありました。
もしいつの日か(勿論はつざつさんの無理のない範囲で)動画の投稿があれば、その時はまた視聴します。
素敵な作品をありがとうございました。

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