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final A3000,A4000 を即行レビューしてみた

2020/11/03 23:20 投稿

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先日発売になって即購入したfinal A3000とA4000がすごすぎたので、いつものように某テレビ神奈川の番組っぽくレビューしてみます。

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 今回ご紹介するのはfinalが満を持して送り出してきたIEM型イヤホンA3000とA4000です。

 このところワイヤレスイヤホンやASMR特化型イヤホンなどでジャンルの幅を広げてきたfinalが、王道のダイナミック型イヤホンの比較的安価なモデルをリリースしてきました。しかも圧倒的な音のクオリティの高さを実現したA8000の音を目指したモデルということなので、俄然期待が高まります。

 A3000,A4000はA8000で実現した音を如何に手の届く価格にできるかが一つの大きな目標だったそうなので、A8000にどこまで近づけたのか注目です。

 それでは、早速見ていきましょう。



final A3000(左),A4000(右)

 神奈川県川崎市に本拠地を置く、日本のヘッドホン・イヤホンブランドfinalが新たに送り出してきたA3000,A4000は完全新設計の「f-CORE DU」と呼ばれるシングルのダイナミック型ユニットが最大の特徴で、この新型ユニットを作るために海外に新たな製造拠点を設け、製作機器から部品の一つ一つに至るまで全てが新設計という気合の入れようです。A8000の開発の中で得られた「時間応答の概念」を元に開発が進められ、A8000ではベリリウムを使用していた振動板を既存の素材で工法で工夫をこらすことで極限まで軽量化し、A8000で実現した「トランスペアレントな音」を再現しています。筐体はABS樹脂ながらも、しっとりした触り心地のマットな塗装を施すことで見た目の高級感を演出しています。またA8000やMakeシリーズと同様のIEM型とすることで装着感も自然な仕上がりとなっています。

 final A3000は\12,800(税込)、A4000は\15,800(税込)となっています。

 final初の2Pin端子のリケーブルが可能になっていて、断線した時にケーブル交換できるのも魅力ですね。

 この後はいよいよ、試聴です。

 さぁfinal A3000とA4000を試聴しています。
 今回のこのA3000とA4000が属する「Aシリーズ」というのはfinalが去年末2019年12月にリリースした「A8000」というイヤホンに端を発しているシリーズで、A8000で実現した「トランスペアレントな音」というのが最大のテーマになっています。で、この「トランスペアレントな音」って何なのか…って言ったら、一言で言えば「音が見える」ということになるかと思います。音って一つ一つの楽器が奏でる音を一つのマイクで収録するワケで、最終的には一つの音に混ぜられるのですが、そうやって混ぜられた音源を聴く時に、音の一つ一つがあたかも分離しているような……そして人が何か物を見る時に見ている物にピントを合わせる、あるいはカメラで言ったらフォーカスを合わせるワケじゃないですか、それと同じように“音にフォーカスを合わせられる”そういう体験のできる音のことを言います。

final A3000

 まずA3000から聴いていますが……恐らく多くの方は最初に聴いた時にまず「あれっ?えらく全体的にシャリシャリした音がする」と思うかもしれませんが、finalは比較的最近のイヤホンに関しては「スローリスニング音質評価」という評価方法を用いているそうで、人間の耳が時間を掛けて音に慣れてくることを想定した音作りをしているそうなので…例えば、よく聴き慣れた音楽をまず最初に聴いてみて、その後20~30分ぐらい適当に別の音楽を流し続けたら、今度はもう一度最初に聴いた音楽を聴き直してみてください。一番最初とはかなり違って聴こえると思います。それから、こちらはどちらかというとマニアな方向けになりますが、デジタルオーディオプレーヤーのゲイン調整ができる機種に関しては「NORMAL」以上にすることをオススメします。BA型を聴いてゲインをLowのままにしていると低域が薄くなってしまうので、こちらも注意が必要です。

 まず聴いて思ったのが先程もお話した「音が分離して聴こえる」という「トランスペアレントな音」ですね。A8000で体験した音にかなり近いような感覚を味わえます。A8000の方が金属筐体ということもありもっとカッチリとしたような音だった覚えがあるのですが、何分試聴したのはもう一年近く前になりますし手元にまだA8000は無いので詳細な比較まではできない状況です。しかし、このクオリティの音を一万円台で出してくる……というのが驚きでしかないです。明らかにこのクラスの音ではない、軽々と同じ価格帯のクラスのイヤホンの音を越えられるクオリティを持っています。



 サウンドステージも、finalらしく広くて良い感じです。今回筐体が、恐らくコストダウンのためかABS樹脂となっています。イヤホンにとって筐体の素材は音の響きに繋がる重要な要素でABS樹脂は割と柔らかい音になる傾向があるそうですが、finalはそのあたりのチューニングも抜かりなくやっていて変な響きだったりボヤケた感じが一切ありません。まるでステンレス筐体で聴いているようなソリッド感のある音が実現されています。このABS筐体になったことの良さって幾つかあるワケですがとりわけ言えるのが“筐体が軽い”ということなんですよ。重さによる負荷が掛かりづらくなるので長時間の使用でも耳への負荷が軽くて済む、なおかつfinalのIEM型は考え抜かれた筐体の形状をしているので尚の事上手く負荷を分散してくれる……慣れてくると装着していることすら忘れてしまうくらいのフィット感です。



final A4000

 さ、これで今度はA4000にスイッチしますが……“往年のfinalのファン”には多分こっちの音が響くでしょうね。

 A4000の方がどちらかと言うとバランス感というか、高域から低域のバランスも含めてより忠実な音を出すことに重点を置いているように感じられます。A4000を聴いた後でA3000にスイッチすると、A3000の方がやや中~高域に特性が傾いているように感じられるのと、その結果として低域がわずかに引っ込んでいるように感じます。その分「トランスペアレントな音」としてはA3000の方が“分かりやすい”と言えるかもしれませんし、人によっては“ちょっと過剰かも”と感じる人も中には居るかもしれません。




 A3000,A4000の音についてもう一つ言うと「解像感」が高いというのが注目されがちなのですが、特に注目して頂きたいのが“低域”、具体的に言うと“バスドラム”の音なんですよ。ライブに行ったことのある方だったりバンドで演奏されている方はご存知かと思いますが、バスドラムってこう……ペダルを踏むとバチが動いてドラムを叩いて「ボンッ!」って音が出る……“空気が押し出される感覚”っていうのを感じられるんですね。A8000もそうでしたが、このA3000,A4000も、これ相当高いレベルでこのバスドラムの空気感を再現できています。このあたりも振動板を軽くしてレスポンスが良くなったことが功を奏しているのかもしれません、全体的にメリハリのある音、歯切れの良い音に仕上がっています。


 The Conclusion final A3000,A4000


 このfinal A3000,A4000は、正直一万円台で買えるイヤホンの音としては正直一回り……いや二回りも飛び越えるような、とんでもない実力を持ったイヤホンです。今回搭載されている新型のダイナミック型ドライバーユニット「f-CORE DU」と言う名前までつけられていますが、このドライバーユニットを作るために海外に新たな製造拠点を作って、製造機器も刷新して、なおかつ部品も新設計した……ここまでドライバーユニット作りに本気を出すメーカーって、僕はあまり聞いたことがないです。何でここまでできるかって言ったら、finalが自社でドライバーユニットを開発できるノウハウがあるからということと、そして何より「A8000」の存在があってこそなんですよ。A8000の開発で得られた理論が前提としてあって「こうすれば間違いなくトランスペアレントな音が作れる」という確信があったからこそ、新たな設備投資を躊躇せずに行なうことができたのではないでしょうか。このA3000,A4000はダイナミック型ドライバユニットを新たな次元にまで押し上げたと言えると思います。


final A3000,A4000の評価

○:音が分離して浮かび上がって見える“トランスペアレントな音”を、頑張れば手に届く価格で実現したこと。

A8000は確かに音は素晴らしいんですが、金属筐体でそれなりに重さがあって、しかも鏡面加工なので綺麗に使いたいって人には外に持ち出すことのハードルが結構高かったんですね。そういった方にもこのA3000,A4000はオススメできると思いますし、A8000で実現した音を……まぁ、一万円は越えてくるので“お手頃”とまでは言えないにしても、A8000の約19万円の価格と比べたら“ちょっと頑張れば手が届く”くらいの価格帯に「トランスペアレントな音」が下りてきたというのは、僕はとても歓迎すべきことだと思います。

×:A4000の方を黒にして欲しかった

A3000とA4000、音に関しては価格のことも考えると正直文句ナシというか価格を考えるととんでもない実力を持っているのは間違いないのですが、敢えて一つだけ文句を言わせて頂くとしたら……今回A3000の筐体がブラック、A4000の筐体が黒っぽいネイビーブルーになっていますが、個人的には逆にして欲しかったです。個人的にはブルーの方がどちらかと言うとカジュアル感のある色、ブラックの方がより高級感だったりプロだったりハイエンドを思わせる色なのかな……と感じているので、ここだけがちょっと残念に思いました。


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