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TVドラマ「リーガル・ハイ」(2012) 人生とは戦うこと。尊厳と誇りのために。

2015/06/20 15:00 投稿

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AIR です。

今回のお題は、TVドラマ「リーガル・ハイ」です。正直に告白しますが、私は
TVに期待していない一人です。本作も知人のおすすめで見ることにしましたが、
「とはいえTVでしょ」と見限っていました。しかし全11話を見終えましては、
「TVのくせに生意気にもやるじゃん」と思いました。TVに対しての期待値が
あがったのではありません。「リーガル・ハイ」というドラマに対しての評価が
高いというだけです。最終話につながる3話連続の公害問題のエピソードの9話
の演説シーンでは、迂闊にも涙が流れてしまいました。そこに至るまでに本作の
テーマを薄々と読めてきてはいたのですが、きちんと伝えるべきことを名言する
脚本と演じきられる役者がいたその状況の組み合わせが奇跡的な場面を構築しま
した。進行もスピーディーでテンポもよくツッコミの前に話が進むので痛快です。


【いい加減にしろ、絆】
放送前年度に東日本大震災が起きました。これは天災ですが、マスコミの影響か
日本人の風習による馴れ合いからか「絆」の言葉が一人歩きを始めました。この
言葉を否定をすると「鬼畜」だの何だのと徹底的に叩かれる息苦しい風土ができ
あがった歴史があります。困っている人を助けるのは良いことですし私も義援金
で支援をしました。しかし何でもかんでも「絆」と言えば人に言うことをきかせ
られると思い上がるのは大概にしろです。一昔前でしたら「空気を読め!」です。
私が意訳しますと「おまえら俺に逆らうな。つべこべ言わず俺の言うことをきけ」
になります。これからでしたら東京オリンピックの「おもてなし」が同調圧力の
うっとうしい偽善ワードとして氾濫することでしょう。心優しい日本人の弱みに
つけこんだビジネスも繁盛すると思います。「絆」と言う言葉は要注意なのです。
主人公の弁護士先生は第9話の演説で「工場は汚染物質を垂れ流し続けるけれど、
きっともう問題は起こらないんでしょう。だって絆があるから!」と挑発をして
みせます。問題の先送りは日本人の悪い癖です。「絆」は万能薬ではありません。

【優れた人物設定とは】
このドラマの優れた部分はたくさんありますが、キャラの性格と役割がお見事で
あります。主役の古美門研介は人格破綻者に見えますが、助手である新米弁護士
黛真知子の配置に心が痺れます。まずTVドラマというもののボリュームゾーン
は女性が中心です。つまり主人公の性別は男でありヒーローになるポジションが
固定されます。このことから視聴者の感情移入の先は、主人公の周辺に何らかの
事情で近づくことになった性別が女の人物になります。本作であれば黛先生です。
まだまだ実務経験が足りないうえに、古美門先生ほど聡明で割り切った考え方が
できずに人間らしい価値観で物を考えますから、視聴者の共感を得るには抜群の
人選です。女性の社会進出が進んだ日本で女性の弁護士が成長していく様を描く
ドラマとしては「価値観がまったくあわずムカつくけれど、腕が良い上司の下で
勉強を重ねて、いつかは見返してやる!」と奮闘していく様子が応援したくなる
ほどに初々しくてかわいらしいです。それから忘れてはならないのは超人執事で
事務員の服部さんです。この3人の絡みは見ている人を穏やかな気分にさせます。

【正義って何なの?】
嘘をついているのではないが、保険をかけた物の言い様をする人がいます。それ
は私です。たとえば東日本大震災のときに、素人である私にできたことは義援金
を支援することだけでした。しかし集計金額を発表したマスコミが「絆」に陶酔
しだしたとき自らの行為を反省して「今後は寄付をしない!」と心に誓いました。
被災地の困っている人を助けたい気持ちはあるが、素人は足手まといだから汎用
のお金を寄付する行為が東日本大震災における「一般人の落としどころ」でした。
しかし「必ずしも裕福でない人による寄付も美談」にまとめられるのなら次から
直接の支援に切り替えるしかありません。正義とは何でしょうか? 自分の心に
ある良心のことだと私は理解しています。助け合いの精神は、我が国の誇り高き
文化だと思っています。この件に関して古美門先生は「正義は特撮ヒーロー物と
少年ジャンプの中にしかないものと思え」とズバッと言ってくれちゃっています。
「絆」「空気を読む」「おもてなし」これらの言葉には反吐がでます。集団心理
に蔓延した「場を乱さない」「事なかれ主義」の社会には正義なんてありません。

【賢く強く戦って生きろ】
「リーガル・ハイ」という作品の平均視聴率は、ビデオリサーチ社から12%と
出ています。業界人ウケする内容とは思いましたが、一般層にもこれほどまでの
支持を得られた背景には、「日本における正義=既得権益層」への反感や疑念が
頂点に達しつつあるからだと思います。日本には超優秀な警察というシステムが
ありますから、海外では当たり前の暴動といった民間活動がありません。ゆえに
インターネットでの匿名の陰口で「ガス抜き」を行う社会になりました。だから
弁護士の資格を持つ人が、あえて悪役を演じて強者に立ち向かってみせる勇姿に
視聴者の胸はキュンキュンするわけです。私ですら社会生活のなかで暗黙の了解
に我慢してきたことは数え切れません。歴史を作るのは常に戦いに勝った者です。
なぜならば、勝者は都合よく歴史を書き残す権利を持つからです。たとえ事実は
侵略戦争であったとしても「悪い国を駆逐しました」と記せば正義の行為として
認められてしまいます。ならばこそ戦争に向かいつつある国では反戦活動を行う
勇気がいります。そのためには良い人の黛先生ではなく賢く強い人物が必要です。


本作は、ぜひ多くの人に見ていただきたい作品です。毎回の題材が社会に対して
挑戦的であり、誰しもが目を伏せてきた問題に真正面から立ち向かいます。この
脚本家には「怖い物がないのか?」と思いましたが、怖い物があるからこそ逆に
「戦って生きろ」が本作のテーマですからブレがなく一貫して爽快にできました。
弁護士ドラマとして受け止めると重々しく捉えてしまいますが、非常にライトな
タッチで描かれております。そのため、見終えたときに憂鬱な気分になりません。
TVアニメにチューニングされた私の脳は20分以上の視聴を体が受け付けない
のですが、本作は内容のおもしろさで乗り切ることができました。今まで実写を
理解できなかったのですが、堺雅人さんのおかげで演技というものに興味が出て
きました。劇伴も緊迫感があり良いです。指先や袖が風を切る音もかっこいいし、
親族からも逃げない脚本の評価は高いです。本作は日本人社会に対する総括です。


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