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講義「シンプルプレゼン」(2011年) ガー・レイノルズ 会場を制する独り芝居

2015/05/23 15:00 投稿

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AIR です。

今回のお題は、2011年発売、日経BP社の「ガー・レイノルズ シンプルプレゼン」
に収録された特典DVD「伝説の講義」の映像です。本作はプレゼンテーション
の達人として世界的に有名なガーさん自身がプロのプレゼンを実演する作品です。

社会人には身近ですが、そもそもプレゼンテーションが何を目的に行われている
かを調べてみました。プレゼンテーションは情報を伝え聴衆に納得を得る活動で、
マイクロソフト社製のパソコンソフト「パワーポイント」を使った会議の発表が
一般的なイメージになります。このソフトを使えば、表やグラフを交えた資料を
プロジェクターでスクリーンに映写して「会議室を会議中らしく」演出できます。
ソフトの操作もテンプレートに従って文字を入力していくだけですから、誰でも
簡単に、短時間でスライドショーを作成できます。実にお得です。しかしそれは、
落とし穴でもあります。「誰でも簡単に使えるソフト」で作られた資料に興味を
惹きつける力はないからです。会議室を、居眠りの場にしないためのメソッドは、
ガーさんの講演中に明かされていますが、「勉強になりました」では私の視聴に
理由がなくなってしまいます。ガーさんのプレゼンを、作品として読んでみます。


本作はジャンルとしてはビジネス書で、特典ディスクが自己啓発ビデオになって
います。そのため、内容に難しいところはありません。視聴者は前提として画面
の先生に習う関係が成立していますから、先生のテクニックに感心しながら吸収
していけば良い構成になっています。ガーさんの上手なところは、自身で持論を
証明できることです。そしてそれは、長所でありながら、短所にもなっています。
ガーさんが「ガー・レイノルズ流のシンプルプレゼン術」をプレゼンしてみせる
場合においては有効なテクニックであります。しかしこれを日本人である私達が
実際に応用ができますか? と問われても「無理です」と答えるしかありません。
本作はあくまでも「プレゼン名人、ガーさんを売り込むためのプレゼン」を売る
ための情報商材という商品です。虚構と現実をまぜこぜにすると痛い目をみます。
それは「映画の主人公と同じ行動をしたら事故になった」と同じようなものです。

ガーさんのプレゼンは、プレゼンを名乗った独り芝居です。プレゼンテクニック
を伝授しているように見えますが、ガーさんがガーさんという商品を売り込んで
いるだけです。見終えればガーさんが魅力的な人物だったという印象は残ります。
ガーさんが作成したプレゼン資料は私達が知っているプレゼン資料とは意味合い
が異なります。日本人のプレゼン資料は、資料としての資料であることに対して、
ガーさんの資料は、ガーさんが軽快なトークを見せるときの背景ビジュアル効果
を目的とした演出道具に特化して作成されています。そのため、話しているとき
に画面を見る必要がないのです。話す内容は、頭の中にあるものです。日本流で
あろうとガー流であろうと、売り込む商品を完全に理解していることは同じです。
下手なプレゼンとガーさんのプレゼンの違いは2つしかありません。事前に用意
する資料に対する認識と、プレゼン中の時間の使い方です。前者は、ガーさんも
述べているように詳細資料は別途配付するという考え方です。後者は話を聴衆に
きいてもらうために工夫を凝らすという考え方で、要はコミュニケーションです。

アニメを制作する場合における重要な要素に「ストーリー」があります。これは、
「キャラ」の作成にコストをかけても、ストーリーの強度が弱ければ魅力を発揮
できないという意味でもあります。現在の日本には「ゆるキャラ」というブーム
があり地域おこしのプロモーション用に地場産キャラが量産されています。参考
にグランプリの記事を調べたところ2015年で1699体がエントリーされていますが、
早晩に廃れるものが大半に見えました。それは運営がストーリーの力を使わない
からです。私の見たところ、生き残るのは「くまモン」と「ふなっしー」の2体
くらいです。ストーリーとは、キャラを運用する手段です。受け手に向けて差し
出されるインタフェースとも言い換えられます。「ゆるキャラはビジュアル的に
かわいいね」だけでは「資料だけが充実した密度のプレゼン」と同じで退屈です。
ガーさんでしたらゆるキャラでも上手に運用することができるでしょう。それは
受け手を退屈させないようにエピソードを積み立てられるからです。そのための
ノウハウは本作で語られていますから関係者には研究していただきたいものです。


本作は私にとって初の自己啓発セミナーの映像体験になりました。安易な発想に
なりますが、教材ビデオに倣って簡単にプレゼンをしてみます。「ガーさん流の
プレゼンは「プレゼンは退屈」という概念を払拭するものとして革新的でしたが、
日本の会議室に求められているのは、居眠りをする時間です。仮眠のための時間
と、後で目を通せばわかる程度に充実した資料さえあれば、日本人は満足します。
しかし、文章量を抑制してビジュアルのデザインがされた簡易版のプレゼン資料
に訴求効果があれば、日本の会社の会議室シーンも変わって行くかも知れません。
ガーさん流は、日本人には早すぎたのです」。しかしながら、魅力的なトークを
行うのは「キャラ」です。講演の主役は、お客さんです。「私とお客さん」との
間に「ストーリー」が絡むことで質疑応答まで発展した内容になります。それは
成功したプレゼンと言えます。ガーさんの場を制する技に感心できる一作でした。


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