しちさいの台本掲載場、略してしち載

まっくろらぶれたー

2018/04/20 00:00 投稿

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【まっくろらぶれたー】









アドリブに制限は一切ありません。ですが、共演者の方々に迷惑のかからない様、自己責任でお願いします。






佐藤 守弘(サトウ モリヒロ)・♂


田中 結(タナカ ユイ)・♀





田中M「それはとても素敵な出会いでした。」


佐藤「田中さん、消しゴム落としたよ。はい。」


田中「あ、ありがとう…。」


佐藤「どういたしまして。」


田中M「正直、その瞬間やられてしまいました。前々からカッコいいなぁ、彼女っているのかなぁ、抱き着いたら逞しい身体してるんだろうなぁ、ずっと話していたいなぁ…って思ってたんですけど…。席替えで隣同士になって会話したら、なんて紳士的なんだろうって…。私、佐藤くんが…守弘くんの事が好きになりました!」


佐藤M「…出会いはなんて事ない事でした。あの人が落とした消しゴムを僕が拾って渡してあげた。これだけです。正直今まで話した事はなかったし、会話もそれだけでした。なのに…なんで…なんでこんな事に…?」



【 間 】



佐藤「あれ?なんだこれ、手紙?下駄箱に手紙って…まさか……!よし、読むか!どれどれ……え?え、え?え、なんだこれ…?」


田中「ふふっ…ふふふふっ…。」


佐藤M「毎日のように、真っ黒な手紙が下駄箱に入ってるようになりました。気味が悪かったのですぐに捨てました。友達や先生にも相談していろいろ対策をとったんですが、どれも効果がなくて…。」


田中M「まずは、彼に私の事を知って欲しかったから…手紙にどれだけ私が彼の事を好きかっていう文を書いたんですけど…彼に読まれると思うと恥ずかしくて…それで、塗りつぶしたんです、私の血で。」



【 間 】



佐藤「なんなんだよ一体……誰だよ…。」


田中「ふふっ…私の事で悩んでる守弘くん、可愛い…。」


佐藤「やっぱり警察とかに通報した方がいいのかな…。」


田中「警察なんかでも私の愛は邪魔されない…絶対にね。」


佐藤「…おう、なんだ鈴木か。いやごめんごめん、ちょっと考え事してて。」


田中「友達と話してる守弘くんもカッコいい…。でも本当は、あの瞳は私だけを見てほしいし、あの口は私への愛の言葉だけ紡いでほしいな…。」


佐藤「ああ、まだあの手紙だけだから特にそんな被害とかないんだけど……ストレスなのか、プレッシャーなのか、体調は悪くなってきたな。」


田中M「私、彼のこの言葉で思ったんです!彼に思いを伝えるだけじゃダメだ、彼の為になることをしようって!でも、やっぱり直接話すのは恥ずかしい…!彼と目が合う…なんて、想像しただけで、私でいいのかな?とか、私には勿体なさすぎる!とか、なんで私は彼に釣り合ってないんだろう、なんで私こんなにブスなんだろ、なんで私生きてるんだろ……え…なんで……?とか考えちゃって!だから陰ながらっていう方法を取ったんです!あ、話がズレちゃいましたね。彼の為になる事、私、頑張ったんです!」


佐藤M「確かに、手紙が来てから体調は悪かったです。吐き気がするようにはなるし、お腹も痛くなるし…。とにかく、常に気分は優れませんでした。でも今考えたら、友達とのそんな何気ない会話すら出来ない状況に僕はいたんです。」



【 間 】



佐藤「今日も手紙入ってるのかな……なんなんだよ本当に…。頼む、もう終わっててくれっ……う、うわああああああああ!!」


田中「守弘くん……喜んでくれるかな?ううん、きっと喜んでくれるよね!だって守弘くんの為だけに選んだ、守弘くんの為だけになる、守弘くんの為だけの、お薬だもん。」


佐藤M「下駄箱を開けたら、中には大量の薬…錠剤や粉薬、飲み薬がジャンル関係なく、風邪薬から果ては抗うつ薬まで、詰められていて…崩れ落ちてきました…。その奥には、中までギッシリ薬が詰められた僕の上履きと、薬で押し潰されてクシャクシャになった手紙がありました。」


田中M「頑張って集めたんですよ!彼に何があってもいいように…まあ、彼がずっと健康であってくれた方がそりゃいいですけど…でも、人間何があるか分からないじゃないですか!だから風邪引いた時とか、コケたりした時や、お腹下した時や、私みたいに気分が落ち込む時、眠れない時に使って欲しかったんです!」


佐藤「なんなんだよ……もうこれなんなんだよ!!怖いよ!!もう、やめてくれよ……頼むよ……!!」



【 間 】



田中M「それから彼、学校に来なくなっちゃったんです。よっぽど体調が悪いんだって思いました。それで、終礼の時に先生が彼の家にプリントを持って行ってくれる人を募ったんです。彼の家に私が行くって考えると、顔が真っ赤になっちゃって…!そうしてたら……あの女が名乗り出たんです。正直ムカつきました。学級委員とか、家が近いからとか言ってたけど、彼を狙ってるのバレバレ。汚らわしいったらなかった……。はい、後を付けました。許せなかったから。」


佐藤M「はい…本当に、学校に行くこと自体が怖くなったんです。体調も、学校にいる時だけ悪かったから…。でも、いつ誰かが見てるかもしれないと思うと、身体が震えて、怖くて、家から出られませんでした…。それで、学校から電話があったんです。その時知りました。僕の家にプリントを持って行こうとした高橋さんが、通り魔に襲われて、意識不明の重体だって……。」


田中M「だって、よく考えて下さいよ!本当なら彼の家のインターホンは私が押すはずだったんですよ!それが許せなくて、家の前に着いた時に。でも、お陰で彼の家が分かったんで。あの女も少しは役には立ったかなって、ちょっと感謝してます。それからは私も学校を休みました。だって、彼が心配だったから!それ以外に理由ってあります?はい、ずっと見守ってました。」


佐藤M「はい。高橋さんの事があってから、家にも手紙が来る様になりました。それで母が警察に通報してくれて…でも、まだ僕自身に実害がないし、誰の仕業か分からないから、聞き入れてはくれませんでした。更に怖くなって、今度は部屋からも出れなくなりました。」


田中M「あれから彼、部屋のカーテンを締め切っちゃって、中の様子が分からなくなったんです。そうなったら急に不安になって…このまま家から出てこないんじゃないかな、一生会えないんじゃないかなって考えたら…涙が溢れてきて…。あぁ、私本当に彼の事が、守弘くんの事が好きなんだなぁって思ったんです。だったら、直接会おう!会ってちゃんと話そう!そう思ったんです。」



【 間 】



佐藤「………。カーテン閉めてるけど…この暗さは夜……かな。変な時間に起きちゃったな…。」


田中「あ、明かりつけるね…!」


佐藤「………えっ?」


田中「お、おはよう…!」


佐藤「う、うわああああああああ!?」


田中「どうしたの守弘くん、大丈夫!?」


佐藤「た、田中さん…!?」


田中「うん…!そうだよ。」


佐藤「な、なんで、ここに…!?」


田中「そんなの、守弘くんを見守る為に決まってるじゃない…!」


佐藤「だって……こんな真夜中…鍵だって閉めてるし…!」


田中「今は鍵がなくても合鍵が作れるんだって…すごいね。」


佐藤「もしかして…!今まで、手紙や、薬を送ってたのって…!!」


田中「うん!私!ごめんね、真っ黒な手紙で可笑しかったよね?でも、ちゃんと文字は書いたんだよ?恥ずかしくて塗りつぶしちゃったけど…血で。」


佐藤「血っ…!?」


田中「うん。本当は経血を使いたかったんだけど…ごめんね、私、経血少ない人で…。だから、リストカットして血を出したの!ほら見てこの傷たち!全部守弘くんの為に切ったんだよ?」


佐藤「っ………!!」


田中「だ、大丈夫?まだ体調良くないんだよね?そうだ!見て!これ作ってきたの!チョコレート!バレンタインはだいぶ前に終わっちゃったけど…あ、手紙に塗ってた血にも、チョコレート混ぜてたんだよ?なんかチョコレートって昔は媚薬とかに使われてたんだって!はい!どうぞ!」


佐藤「い、いらないよ…!」


田中「……なんで?せっかく守弘くんの為に作ってきたんだよ?やっぱり、まだ食べれる体調じゃないの?大丈夫!そんな事もあろうかと、栄養ドリンクとかビタミン剤とか混ぜて作ったんだよ?ほら、わ、私が食べさせてあげるね!」


佐藤「いらないって!」


田中「ほら、アーンして!アーン!」


佐藤「や、やめ!!うっ!おえっ…!」


田中「なんで吐いちゃうの?せっかく作ってきたんだよ?守弘くんの為に作ってきたんだよ!?」


佐藤「俺!…チョコレートアレルギーなんだよ!」


田中「………え、そうだったの…?ごめんね…ごめんなさい…!私そんな事知らなくて…!」


佐藤「もう帰ってくれよ!俺が何したって言うんだよ!あんな気持ち悪い事ももうやめてくれよ!!」


田中「そんな……酷い。わたし、守弘くんの為にと思って…。」


佐藤「酷いのはそっちだよ!こんな、ストーカーみたいな事されても嬉しくもなんともないよ!怖いんだよ!!」


田中「……なんで、そんな事言うの……?わたし、守弘くんの事、本当に好きなのに…。」


佐藤「迷惑なんだよ!早く帰れよ!警察呼ぶぞ!」


田中M「裏切られた…って思いました。涙が溢れてきて止まりませんでした。そこからは今でも鮮明に覚えてます。カバンからカッターナイフを出して、またリストカットしちゃったんです。」


佐藤M「今も頭から離れません。血がボタボタ垂れて、あの人が荒い呼吸で、涙でぐしゃぐしゃになった顔をニヤって笑わせたんです。怖くて、声が出ませんでした。」


田中M「もう、いいかって思いました。彼が私のモノになろうとしてくれないなら、無理矢理私の物にしちゃえって。」


佐藤「うわあああああああああああ!!」


田中「逃げないでよ!!ねえ私から逃げないでよ!!」


佐藤「た、助けて!!」


田中「なんで!?私はこんなにあなたを見てるのに!!」


佐藤「出ないと…!!部屋から…出な…っ!?」


田中「素敵でしょ…。二人だけの空間にしたかったから……ドアノブ、針金でグルグル巻きにしたの。」


佐藤「そ、そんな…!」


田中「ねえ。私のモノになってよ。お願い。なんでもするから。守弘くんの為だったらどんな事されても耐えれるから。ねえ、守弘くんは子供何人くらいほしい?私は何人でも欲しいよ。そうだ、野球チームが作れるくらい作ろうよ。わたし頑張るから。ほら、だから、私のモノになってよ。私のモノにならないと、無理矢理私の物にしないといけなくなっちゃうよ?」


佐藤「やめろ…来るな!!」


田中「なんで……なんで!?」


佐藤「ひっ!」


田中「私はあなたと一緒にいたいだけなの!!それなのに…!!そんなの言われたら…愛してくれないなら、一緒に死ぬしかないじゃない!!許さない!!許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!許さない!!わたしを愛してくれないなんて許さない!!」


佐藤「うわああああああ!!」


田中「わたしを愛してくれない守弘くんなんて大嫌いっ……!?あれ…?」


佐藤「……!?っ……!?」



【 間 】



田中M「で、病院のベットで目が覚めて…あとは刑事さん達の知ってる通りです。ねえ刑事さん、彼に…守弘くんに伝えてくれませんか?あんな事してごめんなさい。大嫌いなんて言ってごめんなさい。本当は大好きです。だから、早く会いたいです…って。はい、ありがとうございます…。ふふふ……守弘くん、喜んでくれるかな?」



〜幕〜





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