東方伊曽保物語

試肉

2014/10/10 23:55 投稿

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「ではこちらへ」
一点の皺も無いメイド服を身につけた知り合いは、普段にも増して慇懃な振る舞いで紅い館へ導く。早苗はその背中に附きながら、今一度横書きの便箋に目を通した。
『新しい料理を編み出したのですが、ぜひ試してくれませんか?』
早苗が通されたのは大きな厨房だった。大小さまざまな包丁や鋭利な針などが壁に吊り下がっている。台の上には色とりどりの調味料が並び、奥にはうっすら赤みがかった鉄棒が備え付けられている。だが食材はどこにも見当たらない。
早苗はすぐさま踵を返し、無言で厨房を出ようとした。だが先ほどまで向こうにいたはずのメイドが正面に現れ、小さな出口を遮った。
「勝手に動かれては困ります。試せないじゃないですか」

  おわり


『ライオンと牡ウシ』より


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