人力ボカロのイロハの「ロ」

KAKU-tailに参加しました。(+ちょっとした技術的なお話)

2019/02/10 03:25 投稿

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さて、人力ボカロのノウハウなどを書き記すべく開設した当ブロマガももうすぐ2周年。
記念すべき第2回の配信となりました。

 今回は、ファミエリP主催の「KAKU-tail THE@TER」に参加させていただいた際の諸々について書きたいと思います。2年近く放置した上に当初のブロマガの開設目的から大分逸れてますが、得てして世の中とはそういうものです。(技術的なことも多少書きます)



アイドル「如月千早」テーマ「

 今回応募するにあたり、シアター組に割り当たった場合まともなクオリティの作品が提出できるのか非常に悩み、2週間以上悩みに悩みぬいて「きっと制作期間中に『Dreaming!』も来るしなんとかなるだろう、いやなんとかしよう」と応募を決心しました。結果千早担当になりズッコケましたが、テーマの「斬」がなかなかに難題でした。
 なにぶん前回やよいの「術」でトリッキーな動画を提出したので、「斬」もそれこそ“斬”新な仕掛けを用意すべきか?そもそもPVの人に当たったらもっと面白くなるテーマだったのでは?自分で斬新とか言う?と色々考えましたが、1週間ほど特にこれといったアイディアが浮かばなかったのでもう曲消化でいいや、となりました。

 今回選曲した「Skyreach」は北沢志保役でもお馴染みの雨宮天さんの楽曲で、アニメ「アカメがる!」のOP曲です。「キルラキル」との二択で悩みましたが、中の人補正でこちらにしました。
 映像については一見正統派アニメOPを目指しているように見えるかもしれませんが、今回制作した『チハヤが斬る』のコンセプトは「アドリブ満載の15分コメディアニメのOP」であり、言わないと伝わらないであろうネタをそこそこ仕込んであります。
 まず、イントロでチハヤこと千早さんが刀を抱えてかっこよくキメてますが、全編通して千早が刀を持っているシーンはここだけです。「斬」ですが、「斬らない」です。

ナマクラソード

 次に、Bメロでは歌詞に合わせたシーンを選択しています。「どんな未来でも」で未来、「受け止める」でアズサイズの鎌を受け止めるシーンはわかりやすいと思いますが、「私で」でボートのシーン(「渡し」で)、「いたくて」でビンタのシーン(「痛くて」)は流石に視聴者は誰も気づいていませんでした。「今はもう振り向かない」で振り向かないと見せかけてちょっと振り向くのはベタなお約束として入れました。あと小ネタですが、Aメロでも「迷い無い」にあずささんのカットを合わせてあります。

ボートのシーンを「渡し」と言い張るパワープレイ

 サビでもカッコイイバトルシーンが続きますが、千早は出ません。元ネタ映像には千早と貴音の大迫力の殺陣のシーンもありますが、当然使いません。終盤に魔法少女ヒロイン然とした千早をちょっとだけ出してOPが終了し、アニメ本編開始。本編のサブタイトルは「とにかく斬らない如月」でした。恐らく「とにかく明るい安村」のパロディでしょう。過去71回すべてにおいてサブタイトルは全てパロネタ、千早は一度も斬らなかったものと思われます。

「さよなら絶○先生」と同じフォント(昭和モダン体)

 ちなみにこの「ねぇ、知ってる?」のコーナーは、765プロのアイドル(千早は寝ているので除外)が持ち回りで豆知識をアドリブで披露していくというものですが、雪歩担当回は美希をいじってビンタされるのがお約束の流れとなっており、雪歩だけ何故か月1ペースで担当が回ってくるという設定です。それこそ知らねーの。

2番Pって人も一緒なんだって
 
ということでコーナー終了し、「ぐだぽよ~」のカットインで次のコーナーへ。というところでKAKU-tail内では放送終了です。ぶったりエンド。

「くっ」ではなく「ぐ」

 映像については以上です。続いて人力ボカロのほうについてですが、まずは数年ぶりにアイドルマスターワンフォーオール!(以下「OFA」)を起動し、OFA追加曲の千早のアカペラを抽出するところから始めました。せっかくなので、アカペラの抽出手順を簡単に説明します。

 まず、OFAのオプションで「ボーカル」の音量を100にします。他の数値は何でもいいですが、とりあえず1にしておきます。

ちなみにDLCのソロ専用曲はボーカル音量の設定が反映されないので抜けません

 次にプロデュースを開始し、抽出したい楽曲を選択してから、「オーディション」にソロ編成で参加します。OFAの良いところとして、通常のライブではボーカルにステージ効果のエフェクト(エコーとかリバーブとかそういうの)が掛かってしまいますが、オーディション会場ではエフェクトが全く掛からないため、素のボーカル音源を抽出することができます。いわゆる箱○時代の無印、L4Uに匹敵する使い勝手の良い音源が確保できるのです。

全アイドルやり込んでないのがバレバレのスクショ

 あとはオーディションの様子をキャプチャ(音声を直接デジタル録音するか、動画でキャプチャしてから音声を分離)します。アピールは一切しません。

千早は全力で頑張ってるのに審査員には何が見えているのか0ポイント

 オーディションが終わったらタイトル画面に戻り、ボーカルの音量を1にして再度同じ流れでオーディションをキャプチャします。これでボーカル音量だけが違う2種類の音源が確保できました。
 音源が確保できたら、ボーカルが大きいほうの音源にボーカルが小さいほうの音源の逆位相をぶつけて音量が同じオケの部分を相殺し、ボーカルだけを抽出します。
 複数トラックで逆位相化できるソフトなら何でもいいですが、Audacityが定番です。ボーカルが小さいほうのトラックを選択し、「上下を反転」を選択します。(バージョン、言語によって表記は異なります)

文字通り波形が上下反転する(逆位相になる)

 スケールを拡大し、波形を見て2トラックの曲の開始位置をピッタリ合わせます。
 なお、第1回のブロマガ記事に「音は見える」と書きましたが、この「波形を見る」という行為が、人力ボカロや音MADなどを作成する上で一番重要なポイントと言っても(恐らく)過言ではありません。耳だけでなく、目で音を確認しながら作り上げていきます。特に人の声の波形は文字によってかなり特徴的なので、慣れてくると波形から音が読めるようになってきます。

わかりづらいけど上下のトラックで位置が一致している

 この状態で再生してボーカルだけが聞こえることを確認し、waveファイルとして保存します。これで完了です。キャプチャ環境さえあれば意外と簡単です。
 今回はこの調子で25曲くらいアカペラを抽出し、あとはいつもどおりにアカペラから必要な文字を一音ずつ切り出して組み合わせて加工して歌わせて完成です。その「いつもどおり」の部分は、また別の機会に記事にまとめたいと思います。未来の自分を信じていきたい。

 ちなみに、KAKU-tailで人力ボカロをやる上で難しいのが、「大っぴらに人に相談できない」という点です。
 自分一人で音源を作っては直し作っては直しを何百回何千回と繰り返していくと、その未完成状態の音に慣れてきて、違和感に気付くのが難しくなってきます。(この現象を「耳慣れ」と呼んでいます)
 そんなとき一番手っ取り早いのは「他の人に聴いてもらって意見を貰う」ことですが、KAKU-tailのコンセプト上、人に聞くということはすなわち内緒のはずのネタを他人にバラすことになります。リアルに知り合いでもいればいいですが、根っからのぼっちコミュ障気質の自分にはそんなお相手もございません。
 そういった訳で、制作中は「これは公開できるクオリティになっているんだろうか」と常に自問自答、疑心暗鬼になりながら、何度も一進一退を繰り返していきました。締め切りもあるので早々に「ここで完成でいいか」と妥協しましたが、それなりのクオリティになっていると感じていただけたなら幸いです。なお、単品は千早誕の2/25に公開予定です。

 正直なところ、自分の上位互換とは言わないまでも、互換性のあるアイマス人力ボカロ制作者が現れたら引退しても全然悔いは無いレベルなんですが、「声を極力壊さない」という、チョコを溶かさずに固形のまま加工して「手作りチョコ」として成立させる、みたいな無茶な方針で制作する人間なんて自分以外いないので、引退宣言はしないままこれからも続いていきそうです。

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