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9人の愛好家が語る、独ブンデスリーガの楽しみ方と2016-17シーズンの要諦・下編

2016/09/28 22:30 投稿

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※注意※

以下の「上編」の続きです。

http://ch.nicovideo.jp/football-kyo-no-utage/blomaga/ar1110538

※注意※



□「ビルト」と「キッカー」の評価に見る、ライプツィヒの実力

文・Fusshalt

なんだかんだと言われてはいるが、やはり今季の注目はライプツィヒではないだろうか。ラルフ・ラングニックがSD(スポーツディレクター)として、そして昨季は監督として、心血を注ぎ込んだ赤き若牛の軍団が、あのサッカー文化の破壊者が、ついにブンデスリーガへと殴り込みをかけてくるのだから。ロジャー・シュミットやアレクサンダー・ツォルニガーも薫陶を受けた「パワー・フットボール」を叩き込まれた若武者の軍団は、見事に残留を決めて名を上げるか、はたまたブンデスリーガの荒波の前に脆くも沈み行くか――。ドイツではライプツィヒがどのように評価されているか、「ビルト」と「キッカー」の評価を紹介していきたい。

まずはビルトから。ビルトの調査によると、ブンデスリーガのファン、ライプツィヒのファンによる投票で、共に今季は11位と予想された。また、ビルトの番記者は今季の長所と短所を以下のようにまとめている。

<長所>

・走力

ライプツィヒの試合の特徴は、非常に激しく走り回り、敵を圧倒するところにある。2015-16シーズンの平均走行距離、118kmは全てのリーグで見てもトップクラスである。

・経験豊富な若手スターを集めていること

センターフォワードのユスフ・ポウルセンはまだ22歳だが、ツヴァイテリーガ(2部)で通算66試合に出場、18ゴールを挙げており、昇格チームの選手としては記録に残る選手である。デンマーク代表でもある同選手は、すでに1部でのプレーに向けて意気軒昂である。

・底なしのスタミナ

ライプツィヒは昨季、後半に19失点しかしていない。これは2部の歴史でのベストの記録である。

・守備力

良い守備というものは、昇格チームにとって重要な鍵の1つである。ライプツィヒは2015-16シーズンのツヴァイテリーガでの最小失点を記録している。

<短所>

・パスミスの多さ

昨季は1試合あたり平均で28%のパスミスを記録している。これはブンデスリーガの標準よりも多い記録である。

・得点力に欠ける

昨季の54ゴールは昇格チームとしては低い記録である。2015-16シーズンのツヴァイテリーガでは5位の成績であった。

・ストライカー不在

低い得点力の要因の一つとして、トップクラスのストライカーがいないことが挙げられる。昨季のチーム得点王は8ゴールを挙げたマルコ・ザビツァーであるが、これはリーグで14位の成績である。

・多過ぎるパッとしない結果

昨季、16回もシュートがクロスバーやゴールポストに阻まれている。これより多い記録を持っているのは2チームのみである。

ビルトによる分析は「若いチームゆえに運動量豊富で軸となる戦術もしっかりしており、ハマれば強いものの、若さゆえの雑さが致命傷になりかねない」というものである。それは昨季の戦いぶりを見ても分かる。

特に2部の優勝がかかった天王山、フライブルクとのアウェイゲームでは、雪の降る中での悪条件での試合ではあったものの、経験の無さからかミスを連発。フライブルクの前に一敗地にまみれ、優勝を逃した。

経験不足が、どこまで足を引っ張るか。それが今季の鍵となるのではないか。

続いてキッカー。「今季、ライプツィヒの監督に就任したハーゼンヒュットルはチームを成功に導くか?」というオンライン版でのアンケートに対し、約52%がYESと答えており、ブンデスリーガのファンの意見は真っ二つに割れているのが分かる。また、キッカーの番記者による評価は以下の通りである。

<長所>

攻撃においては、ライプツィヒは凄まじいポテンシャルを持っている。ナビ・ケイタはセントラルミッドフィールダーとして攻撃のタクトを振ることとなるだろう。チーム内にも戦術がよく浸透している。

<短所>

センターバックの選手が軒並み一部レベルでは物足りない。また、ボランチの選手も、一部でプレーするに足ると自らの能力を示さなければならない。

キッカーは「守備陣に問題あり」と評価している。この夏も結局、守備陣の補強はケイタのみであったことが、不安を増大させていると考えられる。

他チームのウルトラスからは蛇蝎(だかつ)のごとく嫌われ、戦術に関係なく罵倒されるなど毀誉褒貶の激しいライプツィヒだが、どのような戦い方をするか、ファンからメディアまで多くの注目を集めていることは事実である。



第4章 宇佐美貴史の勝算

アウクスブルクへ移籍し、独ブンデスリーガに還ってきた宇佐美貴史。“出戻り”の侍は、かつての雪辱を果たせるのか。執筆者達に勝算を尋ねた。


■通算成績を1シーズンで上回れ!

文・脚魂

23試合2得点。これは、宇佐美貴史のブンデスリーガにおける通算成績(2011~13年)だ。今季は、この通算成績を1シーズンで上回って欲しい。予想ではなく希望です(笑)。


■守備面で、これまで以上のハードワークが求められる

文・Siebenendenweg

彼のアウクスブルクへの移籍が決まった時、フロント主導で行われた印象を拭い切れず、シュスター監督が昨季率いていたダルムシュタットの戦いぶりから考えると、宇佐美貴史が合うというイメージは正直湧かなかった。

選手自身が持つプレーイメージは当然あるとは思うが、アウクスブルクは難しいシーズンを送ることが予想されるだけに、チームに貢献できることは何かを日々の練習や試合で意識する必要がある。

具体的には、守備面でこれまで以上のハードワークが求められる。この辺りは、ヘルタ・ベルリンの原口元気が良い先行例になると思う。彼がヘルタで今の地位を掴んだのは、フィジカル面を改善し、チームのために走り、しっかり守備もできることを示したからだ。宇佐美も同様で、そこができて初めて、彼の持つ攻撃的な能力が発揮されることになると思う。

ただ、アウクスブルクにとって決して安いとは言えない移籍金で獲得した選手であり、周囲の期待は高いだろう。

また、バイエルンとホッフェンハイムでプレーし、(一応)リーグを知っている以上、シーズンを進めながら順応していくという余裕があるとは思えない。序盤からしっかり仕事をこなし、最低でも5得点は挙げたいところだろう。


■必要な走力は身に付いたのか

文・昴

今回、このテーマを語る上で重要なポイントは1つ。ブンデスリーガに必要な走力は身に付いたのか、だ。

技術的な話をするのであれば、1度目の挑戦でも下位クラブであれば出られるレベルにあったと思う。しかし、ここは世界で最も走るリーグ。トランジションの速さは必須項目だ。クロップのドルトムントもハインケスのバイエルンも圧倒的な切り替えの速さでタイトルを奪い、今なおレーバークーゼンやボルシアMG、ホッフェンハイムといった圧倒的な速さで襲いかかるチームが溢れている。

Jリーグではしばしば、独特の速度に適応できない“助っ人”が見られるが、前回の宇佐美貴史は、まさにその状態。ボールを持たせれば、確かに上手い。しかし、奪われた後に切り替えられず、失点の原因になるシーンが散見され、結果的にポジションを失って日本へ戻ってくることになった。

身体を張れる武藤も走力があり、すっかり適応した原口も長い距離でボールを運べる選手だ。宇佐美は、そこが改善できていれば、20試合以上の先発と8ゴール以上は望めると思う。

日本代表でのプレーからは、まだ足りない印象だが、クラブと代表は連携などを考慮しても別物。参考にならない。実は、Jリーグでのプレーをきちんと観ていないため、個人的な予想は避けたい。


■昨季の武藤のようなシーズンを送る

文・だのら

バイエルンやホッフェンハイムで苦い経験を味わい、Jリーグのガンバ大阪へ復帰。ゴールを量産して日本代表にも選ばれ、良いコンディションでアウクスブルクへ移籍し、ブンデスリーガへ数年ぶりに帰ってきた宇佐美貴史。彼は、昨季の武藤嘉紀のようなシーズンを送ると予想する。

やはり、Jリーグから海外のリーグへ移籍した際に浮上するのが、「フィジカルは通用するか」、「テクニックはどうか」という問題だ。怪我に苦しんだり、持ち前のプレーができなかったりなどで日本に帰ってくる選手は少なくない。

武藤もハットトリックを経験するなど得点を量産していたが、怪我に苦しみ後半戦は3試合のみの出場に終わった。宇佐美も同様に、得点やアシストはするものの、怪我に苦しんだり、コンディション不足により出場機会が低下したりと苦しいシーズンになるのではないかと予想している。

テクニックやゴールへの嗅覚は流石のものを持っているため、予想を裏切ってくれることに期待したい。


■突き付けられる3つの課題

文・Fusshalt

今季、再び宇佐美貴史がブンデスリーガへと戻ってくる。

バイエルンでは選手層の厚さの前に出場機会を得られず、ホッフェンハイムでは監督の戦術に馴染めず、「助っ人失格」の烙印を押されて無念の帰国となった。だが、古巣・ガンバ大阪で自らを研鑽し、2度目のドイツ挑戦権を手に入れた。新しい舞台はアウクスブルク。名将・ヴァインツィールは去ったものの、戦力に劣るダルムシュタットを残留に導いたディルク・シュスター氏を新監督に迎え、チームは新シーズンに挑むこととなる。

果たして、宇佐美の2度目の挑戦は成功裏に終わるのだろうか。残念ながら、私は彼の成功には否定的な意見である。なぜ、成功には至らないと考えるのか、その理由を幾つか挙げていこうと思う。

まず挙げたいのは、監督が好む布陣および戦術への適合が難しいという点である。シュスター監督は昨季のダルムシュタットで4-4-1-1の布陣を好んで使用していた。恐らく、宇佐美は左のサイドハーフ的な位置を主戦場とすることになるだろうが、シュスターの戦術ではウィングバック的な動きも求められ、90分間に亘りサイドを上下し、特に攻撃時はトップと絡んだ3トップ的な働きも求められる。実は、戦術上一番重要な位置に当たるポジションなのだ。

一方、宇佐美を語る上で切っても切れないのは「スタミナ不足」という問題だろう。特にハリルホジッチ氏が日本代表監督に就任してからはスプリントを多くこなすことを要求され、試合終了までピッチに残ることが少なくなっている。スタミナ不足は最後まで解消できぬままドイツの地を再訪することになった宇佐美にとって、シュスター監督の戦術を最後まで遂行することは無理であろう、と思う。

2つ目には、ムラっ気のある守備意識である。左サイドハーフ、もしくはトップ下の位置でプレーするにせよ、シュスター監督は全ての選手に守備を要求している。ボールを失えば、すぐにスイッチを入れ替え、猛然とボールを奪おうとプレスを開始するのがシュスター監督の戦術のベースにある。

一方、宇佐美に関して言えば、守備に関しては気まぐれな部分が多い。特に自身のボールロストにも関わらず途中で追うのを諦めるシーンなどもあるなど、守備に関してはあまり良い選手とは言えない。

それこそメッシのように、ボールに触ればことごとく得点に直結するようなプレーができるのであれば、守備をサボってもそこまで問題はないだろう。しかし、宇佐美はそこまでスーパーな選手ではない。当然、守備を要求される。シュスター監督が選手に求める要件をクリアできるか否かが、出場機会を得られるかどうかにかかってくる。現状で言えば、シュスター監督好みの選手では無いと言わざるを得ないだろう。

3つ目として挙げるのは、ゴールを奪うパターンが意外に少ないという点である。2015年シーズン、前半戦で好調にゴールを量産し、得点王も狙える状態にあったにもかかわらず、後半戦はペースダウン。目標の20点に到着せず、得点王を逃したのは、自身が調子を落としたという点以上に、得点パターンが少ないために相手に研究されたというのも大きいだろう。類稀な個人技を持っているものの、それだけでは得点を量産することは難しい。

そして、そこが宇佐美の課題でもあると言える。運動量が少な過ぎるのである。DFを引き付けてからパスを出したとしても、そこから先に繋げる動きが無いため、得点に絡めないという欠点がある。シュスター監督の戦術でいくならば、前線は少ない人数で得点を奪わなければならない。そのため、宇佐美にはどんな形からでも得点を奪える、もしくはお膳立てできる「怖さ」が必要になってくる。

ガンバ大阪時代でも課題であったこの問題をクリアできれば、宇佐美の挑戦は成功へ一歩近付くだろうが、一朝一夕に身に付くものではない。現状では、左サイドのライバルと目されるカイウビに遅れを取っているのではないだろうか。

以上の理由から、今季の宇佐美の成績は20試合出場、4ゴール8アシスト前後ではないかと予想している。厳しいことを言ったが、全ての問題をクリアし、アウクスブルクで活躍してくれれば、これほど嬉しいことは無い。自分の予想が大外れすることと宇佐美の活躍を期待しつつ、筆を置きたい。



第5章 マイクラブの未来予想図

2016-17シーズンの目標に向け、補強や戦術の熟成といったマネジメントは順調に進んでいるのか。執筆者達が、愛するクラブの臨戦態勢とキーパーソンを詳(つまび)らかにする。


■二束の草鞋に募る不安

文・暁空也



独ブンデスリーガとヨーロッパリーグを並行するマインツの“旅程”に、暗雲が垂れ込めてきた。万全な態勢で臨むためには戦力の拡充が不可欠だが、移籍市場での成果に乏しく、二足の草鞋の耐久性に不安が募る。 “靴擦れ”や破損が起きた先に待つのは、過酷な残留争いだ。


今季のトップチーム(写真はマインツの公式サイトより)

~昨夏に続き主軸が流出~

岡崎慎司とヨハネス・ガイスを失った昨夏に続き、今夏も主軸が流出した。何度となくチームを救ってきた守護神のロリス・カリウスがリバプールに、ゲームキャプテンとして攻守を牽引したユリアン・バウムガルトリンガーがレーバークーゼンに、それぞれ移籍。さらに、的確なマネジメントで24年間に亘りマインツを支えてきたクリスティアン・ハイデルSD(スポーツディレクター)もシャルケに去った。補強は急務だが、託されるのは新任のルーヴェン・シュレーダー(前ブレーメン)という綱渡り。昨季を史上2番目の好成績である6位で終えたマインツは、茨の道に直面した。

もっとも、踏破への対策は迅速だった。昨季は期限付き移籍で活躍したジョン・コルドバとクリスティアン・クレメンスの買い取りに成功し、ブレーメンからレビン・エズトゥナリ、ランス(フランス)からジャン=フィリップ・グバマン、ブラウンシュバイクバイク(ドイツ2部)からゲリット・ホルトマン、ギャンガン(フランス)からヨナス・レスル、ガラタサライ(トルコ)からホセ・ロドリゲス、レーバークーゼンからアンドレ・ラマーリョを獲得。手薄なポジションを中心に、即戦力と将来を嘱望される若手を迎え入れた。



とりわけ、圧倒的なスピードとパワーを武器に後半戦で5得点とブレイクしたコルドバと、優れた突破力を生かして28試合で5得点3アシストを記録したクレメンスの“残留”は大きい。

~未知数な若手達~

しかし、FSVフランクフルトでの武者修行を終えたベサル・ハリミも含め、他の選手は未知数だ。昨季の前半戦はフローリアン・ニーダーレヒナーやガエタン・ビュスマン、ジョン・コルドバ、マキシミリアン・バイスターらが、独ブンデスリーガのリズムや強度に適合できなかった。それが繰り返されない保証はない。

もちろん、新戦力の期待値は高い。20歳のエズトゥナリはテクニックとスピードを併せ持ち、ドリブルで局面を打開できる攻撃的MF、フランスのU-21代表に名を連ねる20歳のグバマンは右SB、CB、セントラルMFをこなすマルチロール、21歳のホルトマンは俊敏さを武器に昨季2部で4得点6アシストと結果を残した攻撃的MF、27歳のレスルは195cmの長身を駆使した空中戦や守備範囲の広さに定評があるGK、レアル・マドリーの下部組織出身で21歳のロドリゲスは巧みな配球で攻撃を組み立てられるMF、24歳のラマーリョは1対1に強い守備的MFで、能力に疑いの余地はない。全員が20代で、伸び代も十分だ。

ただ、プレシーズンマッチで実力を示し、先発に定着したのはGKのレスルのみ。彼が好セーブを連発し、精度の高いフィードで攻撃にも寄与しているのは嬉しい誤算だが、他は総じて先行投資の意味合いが強く、リーグ戦とELを両立させるためには、独ブンデスリーガや欧州のトップリーグでの実績がある選手を迎え入れたかった。


セービングに安定感があり、フィードも巧いレスル(写真はマインツの公式サイトより)


~上積みの乏しさが見えたDFBポカール1回戦~

それを痛感させたのが、開幕を目前に控えた8月21日のDFBポカール1回戦だ。


ウンターハヒンク戦の布陣(独「キッカー」のアプリより)

従来の4-2-3-1ではなく、4-3-3の布陣を採用したが、最終ラインの「4」と中盤の「3」は4部のウンターハヒンクに劣勢。右からドナーティ、ベル、ブンガート、ブロジンスキと並んだ最終ラインはペナルティエリア内でマーカーを捕まえ切れず、クロスへの対応も杜撰(ずさん)で、3度のリードを追い付かれた。

ロドリゲス、ゼルダル、フライからなる中盤では、ロドリゲスがミスを連発したほか、生え抜きでシュミット監督も育成に熱心なゼルダルはパスを引き出す動きが少なく、なかなかボールに触れない。チームの2点目を挙げたフライも、試合を通じての存在感には欠けた。

120分間を3-3で終え、PK戦を制して辛くも勝ち上がったが、昨季からの上積みは見えない。むしろ、中盤はバウムガルトリンガーの穴を埋め切れず、攻守に弱体化。特に4-2-3-1の「2」の組み合わせは、フライ、ラッツァ、グバミン、ロドリゲス、ゼルダルらが代わる代わる試されたが、依然として最適解を見出せずにいる。トランジションを含めた攻防の要となるポジションだけに、地元メディアも警鐘を鳴らす。

シュミット監督の下で追求してきた運動量と速さで相手を圧倒するフットボールは、完成の域に達しつつある。昨季はアウェイでバイエルンを撃破したように、歯車が噛み合った時の強さは“本物”だ。

一方で、選手への負荷が大きく、過密日程に弱い。新戦力が早期に台頭する。戦術の幅を広げて“省エネ”を促す。そうしたプラスアルファがなければ、二束の草鞋を履き潰すどころか、一束を必死に守る旅程となるだろう。


戦術面での上積みを見せられるか、シュミット監督の手腕が問われる(写真はマインツの公式サイトより)


■主力の放出や怪我が相次ぎ、新戦力の早期適合が急務

文・脚魂




昨季はチャンピオンズリーグでベスト8まで進出したが、リーグ戦は8位に終わり、今季の欧州カップ戦には出場できない。そんなウォルフスブルクのオフシーズンは、DFリーダーだったベテランのナウドがシャルケに移籍するというニュースから始まった。

ウォルフスブルクはクラウス・アロフスがSD(スポーツディレクター)に就任する前から選手の入れ替わりの激しいクラブだが、欧州カップ戦の出場権を失った今オフはレギュラー級の選手の放出が相次いだ。

「今オフに退団した選手」

GKパトリック・ドレウェス(→プロイセン・ミュンスター)☆

DFナウド(→シャルケ)

DFフェリペ・ロペス(→GDチャベス=ポルトガル)

MFモリッツ・シュプレンガー(→マグデブルク)☆

FWマックス・クルゼ(→ブレーメン)

FWアンドレ・シュールレ(→ドルトムント)

FWレアンドロ・プタロ(→ビーレフェルト)☆

※☆は期限付き移籍

「現時点(8月16日)で移籍の可能性がある選手」

DFダンチ

MFルイス・グスタボ

MFダニエル・カリジューリ

MFユリアン・ドラクスラー

FWバス・ドスト

一方で、新しい選手も多く加わった。

「今オフに入団した選手」

DFジェフリー・ブルマ(PSV=オランダ)

MFヤニック・ゲアハルト(ケルン)

MFヤクブ・ブワシュチコフスキ(ドルトムント)

MFダニエル・ディダビ(シュトゥットガルト)

FWボルハ・マジョラル(レアル・マドリード=スペイン)☆

FWヨシップ・ブレカロ(ディナモ・ザグレブ=クロアチア)

※☆は期限付き移籍



左からブルマ、(1人おいて)ゲアハート、ブワシュチコフスキ、マジョラル、ブレカロ、ディダビ

注目は、新たなDFリーダーとして期待されるブルマ。


チェルシーの下部組織出身で、母国オランダのPSVで才能を開花させた。ドイツでのプレーは2011~2013年にチェルシーからHSVに期限付きで在籍して以来となる。

もう1人は、3シーズンぶりにブンデスリーガに復帰するマリオ・ゴメス。


背番号33のユニフォームを手に記念撮影するマリオ・ゴメス(中央)

昨季はトルコの強豪、ベシクタシュでプレーし、33試合で26ゴールを挙げて得点王に輝いた。

(動画)Mario Gomez ● All 26 Goals | Beşiktaş 15/16"

https://youtu.be/Ut9K8nF2ROg

欧州選手権で負傷したため、開幕戦の出場は微妙だが、CFタイプのFWが不足しているウォルフスブルクにとっては大きな補強である。

さて、ウォルフスブルクの現状は、欧州選手権でポルトガル代表の優勝に貢献したDFヴィエイリーニャがキャンプで靭帯を損傷。今オフに買い取りオプションを行使し、アトレティコ・マドリーからの完全移籍を果たしたMFジョシュア・ギラボギがプレシーズンマッチで頚椎を骨折するなど、怪我人が相次ぐ。さらに、移籍の可能性が噂される選手の去就が未だに不透明だ。新戦力の選手達が早く馴染むことを期待したい。


■懸念される後半戦での失速。前半戦次第では残留争いも

文・Siebenendenweg




昨年、何とか掴み取ったヨーロッパリーグの予選出場権だったが、ホームでの第1戦こそ勝利したものの、敵地での第2戦は昨季後半戦の上手くいかなかった日々を思い出させるような内容でブレンビーに敗れ、本戦出場という夢はデンマークの地で残念ながら儚(はかな)く散った。国内での戦いの前に、本当に残念で悔しい敗退となったが、これで日程面での負担は軽減されることは、あまり層が厚いとは言いがたいヘルタ・ベルリンにとって大きい。

まず、今季の移籍市場での動向を振り返るが、放出したのは、構想外だった細貝やベーレンス、控えメンバーでシーズンの大半を過ごしたファン・デン・ベルフ、ジエルジと大きなマイナスはない。



一方、獲得の方だが、キャンプや練習に育成部門から選手を帯同させるなど、補強に大きな予算を割けない――ヨーロッパリーグ予選敗退も影響はあるが――中で、欧州選手権にも出場したスロバキア代表MFドゥダを獲得し、リバプールから英国の労働許可を得られていないアランを無償レンタルで獲得と、最低限の補強を行った。



サイドにスピーディーなタイプを望むダルダイ監督の意向に沿って、アウクスブルクのエスバインの獲得に動いているものの、互いに提示した移籍金に開きがあるため、ここまで進展はない。また、ここにきて新たな獲得候補――ドイツ五輪代表セルジュ・ニャブリをアーセナルからローンで獲得すると「BZ」が報じた――の話もある。チゲルチの移籍金が入ったことにより、交渉が進展する可能性はあるが、どうなるか。

次に、今季の布陣はおそらく図の通りだろう。




GKはプレシーズンのキャンプでヤルステインとクラフトがどちらも高いパフォーマンスを首脳陣に見せ、ヨーロッパリーグの予選ではローテーションを採用した。しかし、予選敗退とともにローテーションも止めることとなり、昨季同様にヤルステインがゴールを守ることになりそうだ。

DFラインは、戦力の補強もなく昨年のメンバーがそのまま入ることになる。軸となるのはアメリカ代表のブルックスだ。膝の故障など怪我がやや多いが、彼がDFラインを引っ張り攻撃面でもアクセントを加える存在になる。相方はラングカンプで決まりだろう。サイドバックは、右はペカリークとヴァイザーのいずれかが起用されることになる。左は、プラッテンハルトと期待の若手ミッテルシュテットが争うが、プラッテンハルトが2~3歩リードしている。

中盤だが、まず守備的なMFは、シェルブレットとルステンベルガーへの信頼が厚いが、ヨーロッパリーグの予選では低調なデキだった。また、アランがブラウンシュヴァイクとのテストマッチで首脳陣に好印象を与え、ドゥダの獲得によってダリダもこのポジションで起用できるとなれば、なかなか予想は難しいが、ダリダが優位に立っていることだけは間違いない。

2列目の両サイドは、左はカルーとシュトッカーが争い、カルーがリードも、シュトッカーも虎視眈々とチャンスを窺う状況だ。右は原口とヴァイザーが争うことになるが、ヴァイザーは、練習の際に収集しているフィジカル面でのデータが良くないようだ。ということで、練習試合で2ゴールを挙げるなどアピールに成功した原口が現時点ではレギュラーの座を掴むと思われる。

なお、現時点で話が出ているエスバインやニャブリを獲得することができれば、両サイドは昨年以上に層が厚くなり、攻撃が活性化するだろう。

トップ下は、ドゥダが膝に問題を抱えているのは気がかかりだが、彼が攻撃のタクトを揮うことになるだろう。ダリダやシュトッカーもこのポジションを務めることができるが、稀代の天才・バウムヨハンが、ダルダイ監督のここまでの使い方を見る限り、放出もありそうな状況なのは個人的には非常に残念だ。

最前線は、イビシェヴィッチが不動のエースだが、シーバー、アラギと違った持ち味を持つ2人が控える。

戦いぶりは、守備面は「4+4」の2つのブロックを構築し、組織的に守る形を今季も踏襲することになる。昨季以上に、そこからのショートカウンターを狙う回数を増やしていきたい。

自陣から組み立てる場合や、相手に持たされた場合での攻撃は、現状を見る限り、引き続き改善が必要。引き出す動きの量や質、パス自体の精度、パススピードを上げていかなければ、相手、特に上位陣相手では守備網を崩すことは難しい。

また、今季はヨーロッパリーグの予選の関係で始動が早く、昨季ほどフィジカル面での強化ができなかった印象がある。ここのところ数シーズン、ヘルタは後半戦での失速が目立つが、日程面の負担は減ったとはいえ、今季も同じような流れになりそうで不安はある。

前半戦でなるべく勝ち点を稼げない限り、ヨーロッパのカップ戦への出場権は遠い目標となり、前半戦で苦しむようならば、残留争いに参戦することになるだろう。8位に予想したが、これを上回れば上出来だ(残留争い入りは避けたい)。

最後に期待する選手だが、2人挙げたい。1人目は、日本人選手であることを抜きにしても、ヘルタで3シーズン目となる原口だ。


ヘルタ・ベルリンの公式サイトより

チームのためにプレーする姿は、首脳陣やファンから高評価だ。しかし、攻撃面でのゴール数、アシスト数と、数字で出てくる部分については物足りない。スピード豊かで、守備陣を切り裂くドリブルを見せてはいるが、ゴール前で絡み、ゴールに直結する仕事を増やすことが求められるシーズンとなる。彼の攻撃面での数字が増えれば増えるほど、チームは荒れ狂う大海原から早く脱出することになる。背番号24に今シーズンも期待したい。

2人目は、リバプールからやってきたアランだ。


写真は独「ビルト」より


1週間のトライアルと最後のテストマッチ、ブラウンシュヴァイク戦でのデキで首脳陣は獲得を決め、1年間のローンでの加入が決まった。ダルダイ監督のブラジル出身の19歳への期待は大きい。本人も、レベルが高いブンデスリーガでプレーできることで、モチベーションが高いようだ。早くチームやリーグに順応できれば、中盤の攻撃力は上昇し、ヴォロニンと同じく、リバプールからの救世主(ヘルタが優勝争いを繰り広げた08-09シーズン、リバプールから期限付きでやってきたヴォロニンが大貢献した)の再来となるだろう。


■“レジェンド”と“エース”が去り、待ち受ける険しい道

文・昴




戦力を生かし切り、大方の予想を裏切る残留という結果を手にしたダルムシュタット。しかし、今季待っているのは昨季より険しい道だ。

4部への降格が目前だったチームが、2季連続で昇格してトップリーグに残留する。この奇跡的な結果をもたらした名将・シュスターSD(スポーツディレクター)兼監督が、アウクスブルクへと去った。新監督のマイヤーもまた、下部リーグで実績を積んできた監督だが、すでにクラブの“レジェンド”とも言えるシュスターに匹敵する仕事ができるかどうかは未知数だ。

そしてそれに次ぐダメージは、エースとして覚醒したワーグナーの移籍だろう。さらには、守備を支えたカルディローラや左サイドでポジションを争ったラウシュとケンペがチームを去り、新シーズンはチームの作り直しを余儀なくされる。

代わりに加入した選手は、オビンナやシップロック、ベン=ハティラなど粒揃いではある。昨季のように「再生工場」として機能すれば、残留の芽がないわけではない。

それでも、担当者として正しいかどうかは分からないが、このチームの行く末に対しては悲観的だ。明確に昨季より残留争いは厳しく、昨季以上のチームを作らなければ残留は難しいと感じている。

しかし、昨季と同じ完成度のチームを作るのは容易ではない。昇格チームが厄介な今季、戦力を生かし切る的確なマネジメントは必須だ。それに加え、勝負所での細かな運が無ければ、来季のブンデスリーガにこのチームの居場所はない。

マイヤー監督の手腕を見守りつつ、新たに流れ着いた選手達のワーグナーに匹敵する望外の活躍に、今季も期待することになりそうだ。

キープレイヤーには、アニス・ベン=ハティラを挙げる。



2009年のU-21欧州制覇メンバーの1人だが、怪我も多くチームに定着できないままダルムシュタットに流れ着いた。昨冬に加入したフランクフルトでは9試合で1ゴール。チームはどうにか残留したものの、夏に退団してフリーでの加入となった。

ワーグナーの「2匹目のドジョウ」を狙ったのかどうかは分からない。ダルムシュタットの環境が彼の周囲に落ち着きをもたらし、ワーグナーのように輝きを取り戻せるだろうか。


■再建中のチームの浮沈は、レズカーノに懸かる

文・だのら



2015-16シーズン、降格が濃厚と目されたインゴルシュタットを見事に残留へと導いたハーゼンヒュットル監督。その彼が、2部から昇格してきたライプツィヒの監督に就任した。後任には、元日本代表の山田大記が所属するカールスルーエ(2部)を指揮していたカウチンスキを迎えたが、プレシーズンマッチではセットプレーや選手交代直後のバタバタした時間帯での軽率な失点、最前線での間延びなどで機能しない攻撃と、新シーズンに向けて深刻な課題が浮上した。

それを改善すべく動いているチームだが、前半戦は少し厳しい展開になりそうだ。上手くチームがフィットすれば、昨季のように守備をサボらない厄介なチームになるはずで、それまでは気長に観て欲しい。

そんなチームで私が注目して欲しい選手は、ダリオ・レスカノだ。



昨季の冬に加入したレスカノは、ゴールこそ少なかったものの、献身的なディフェンスや奪ってからのポストプレー、持ち前のスピードを生かした個人技などでチームの残留に貢献した。昨季とあまり変わらない攻撃陣で、彼の貢献によってどれだけのチャンスを生み出せるか。注目して欲しい。

また、バルセロナのメッシが金髪にしたことが話題となっているが、彼も金髪にしているため、一目で「この選手がレスカノか」と分かりやすいと思う。インゴルシュタットにとって、彼のポジションは重要。彼が働き、チャンスを創るシーンを見て欲しい。


■目標はCLでの雪辱とリーグ戦4位以内

文・とんとん







昨季はリーグ戦を4位で終えたため、チャンピオンズリーグにはプレーオフから参戦。「昨季のCLでの雪辱とリーグ戦4位以内」を目標に掲げるボルシアMGの今季を展望する。

●新戦力



<DF>
ヴェステルゴー(←ブレーメン 1250万ユーロ)
シュトロブル(←ホッフェンハイム フリー)
ドゥクレ(←パリ・サンジェルマン フリー)

<MF>
クラマー(←レーバークーゼン 1500万ユーロ)
ベネス(←MSKジリナ 200万ユーロ)

主力の退団が夏の風物詩となっているボルシアMGは今夏、チームの心臓であったジャカが英プレミアリーグに挑戦(アーセナルへ移籍)。その他、後方から安定感をもたらしたベテランのシュトランツルとブロウバース、複数のポジションをこなせるノルトベイトなどが退団した。

そんな中、加入したのが上記の5人だ。ジャカの後釜にはクラマーを獲得。タイプは大きく異なるが、圧倒的な運動量と守備範囲は前任に勝る。前がかりになりがちなチームのバランスを考えると良い補強である。

ノルトベイトの後釜はシュトロブル。ポリバレント性が高く、非常にバランスの取れた選手である。キックの質も高く、フリーで獲れた点からも最高の補強と言える。

ベテラン2人の後釜はヴェステルゴー。スピードは無いがチームに欠けている空中戦の強さは圧倒的。組立ての質も高く、こちらも後釜としては最適である。

ドゥクレとベネスは、それぞれ18歳、19歳。現状の選手層を考慮すると先行投資とも言えるが、定位置を奪取できるだけのポテンシャルは充分だ。

●基本システム



3-4-1-2が今季の基本システムとなる。前線の選手には大きな自由が与えられており、選手の持ち味や起用の組合せによって攻撃パターンが変化するのが特徴である。

例えば、右WBがトラオレ、右FWがハーンの場合はポジションを崩さず、多少強引でも身体能力を生かしてシンプルにボールを前線へ運ぶことができる。一方、コルプとトルガン・アザールのペアであれば、ポジションチェンジを駆使して引いた相手に対する柔軟な崩しが可能である。

このように対戦相手に応じて選手起用を柔軟に変化させて臨んでいる。CLプレーオフのヤングボーイズ戦とリーグ初戦のレーバークーゼン戦は、ダフードではなく、より守備的なシュトロブルを中盤に起用。DFラインの手前にフィルターをかけ、見事に敵の攻撃を封じ込めた。昨季は当然のように試合に出ていた選手も、起用が柔軟になり、競争が激しくなった今季は、気を抜くと出場機会を減らすことになるだろう。

今季もシューベルトのモットーは「戦術的柔軟性」。ボールを支配し、自らのペースに持ち込み、ポジションチェンジを駆使して崩しにかかる時もあれば、素早くシンプルにゴール前まで持ち込むこともある。また、基本システムの他、3-3-2-2、4-4-2、4-3-3も視野に入れている。プレシーズンマッチのラツィオ戦では、昨季諦めた4+4ブロックに再挑戦。クラマーとハーンを軸に約束事が徹底され、今後のオプションとして可能性を感じさせる結果となった。

この柔軟性を支えるのは、選手個々の戦術理解度およびポリバレント性だ。以下の5人は特にポリバレント性が高い。

ヤンチュケ、シュトロブル:DFライン全て+CH

ソウ、ホフマン:中盤全て

ジョンソン:サイドのポジション全て

この他のほとんどの選手も複数のポジションをこなせ、スペシャリストと呼ばれる選手はゼロに近い。これはチームとしての選手獲得時の方針でもある。これにより柔軟なポジションチェンジも可能となっている。

●課題






最も憂慮すべきは昨季悩まされた大量の怪我人である。昨季までフィットネスコーチを務めたLuisserはフランクフルトへと去り、今夏新しくMouhcine(37)とMüller(30)という二人の若手フィットネスコーチを採用。ここ数年、ドイツ国内では群を抜いて負傷者の少なかったボルシアにとって、安定したシーズンを過ごすためには彼らの働きが非常に重要となってくる。

次に、「自由度の高さ」のデメリットである。あまりに選手に自由を与えてしまい、選手個人の能力・裁量に依存してしまうと、敗戦が続いた時に修正すべき点の把握が難しくなる。また、選手同士の相性が悪いと意図が噛み合わずバラつくなどの問題が考えられる。

そういった尻拭いをするのが大体3バックなのだが、カウンターを受けた際に横に揺さぶられると脆さが見られる。自由度のバランス感覚、一定の枠組み・統制が求められる。

●定位置確保を目指す注目3選手

~ネクスト・ダフードの可能性~


ネクスト・ダフードとして期待がかかるジブリル・ソウ

昨季、ダフードが大ブレイクを果たしたように、近年ボルシアMGでは質の高いCH(センターハーフ)が下部で育っている。中でもネクスト・ダフードの可能性が高いのが19歳、ジブリル・ソウである。

スイスの世代別代表に名を連ねる彼は、昨夏に150万ユーロで加入。非常にバランスの取れた選手で、中盤ならどこでもこなすポリバレント性を備え、2列目から飛び出しての正確なシュートを武器としている。ダフードとタイプは異なるが、大きなポテンシャルを感じる。

~不完全燃焼の昨季をバネに~


プレシーズンマッチで多くの出場機会を得たヨナス・ホフマン

ヨナス・ホフマンがプレシーズンマッチで多くの出場機会を得ている。起用位置はCH、IH、AMと中盤の中央。パスの流れを創り出す能力に長け、リンクマンとして十分すぎるアピールに成功した。定位置確保にはゴールかアシスト、目に見える結果が欲しいところだ。

~ワールドクラスの才能の持ち主~


エベールSDが称賛するラシュロ・ベネス

「ワールドクラスの才能を秘めている」とエベールSDが称賛するラシュロ・ベネス。左足でのキック精度が抜群のテクニシャンタイプで、時折エジルのような身のこなしも見せる18歳のスロバキア人だ。ただ、まずはチーム、そしてリーグの水に慣れるところからになる。


■我慢が要る1年、主軸の活躍は必須

文・なかがわ




今季は我慢が要る1年となりそうだ。今オフは財政難から選手売却で一定の利益を出すことが求められ、守備の要・サンブラーノ、攻撃の軸・アイクナー、若手有望株のヴァルドシュミットを放出。他にもコスト削減で多くの選手と契約を延長せず、補強はフリートランスファーやローンが中心で、その場しのぎの感が否めない。怪我人も多く、新加入選手が結果を残せなかった場合、かなりマズい事態に陥ることは容易に想像できる。それゆえ、フラデツキー、アブラアム、オツィプカ、長谷部、マイアーら主軸選手の活躍は必須だ。

そして、今季注目して欲しい選手がMFガチノビッチ。昨季終盤にポジションを勝ち取り、入れ替え戦では2戦合計1ゴール1アシストで残留の立役者となった。プレシーズンでも好調を維持し、サポーターからの期待もかなり大きい。


昨季の残留の立役者、ガチノビッチ

新加入選手に目を向けると、マスカレルとフルゴタは今季チーム内で大きな役割を担うことになりそう。特に前者はロデ、シュベクラーが抜けて以来、安定感が欠ける中盤に落ち着きを与えることができる存在だ。その他では、ニュルンベルクから加入したブルムも非常に面白いアタッカー。彼らをどのようにして現有戦力と融合させるのか。今季もニコ・コバチの監督としての手腕が試される。


新戦力のマスカレル


■シュミット体制の集大成、求められるのは結果

文・Fusshalt



今季はロジャー・シュミット体制の集大成となる。就任から3年目、当然結果を求められるだろう。そして、それに見合うだけの補強を敢行している。

「個人の感情的な理由」からクラマーが再びボルシアMGへ去ったものの、主力の引き止めには成功。特にフンメルスがバイエルンに去ったドルトムントの攻勢を凌ぎ切り、最終ラインの守備の要であるトプラクの残留に成功したのは大きい。来季は契約外条項を行使してのドルトムント行きがほぼ確実なだけに、今季は何が何でも結果を出さねばならないだろう。

戦術的に選手への負担が非常にキツいだけに、選手層の拡充が求められるが、遂にシュミット監督の念願だったケビン・フォラント(ホッフェンハイム)の獲得に成功し、前線の陣容をさらに充実させた。またユリアン・バウムガルトリンガー(マインツ)を獲得したことで、昨季に苦慮した「6番」の問題をクリア。相次ぐ負傷でやり繰りに苦労した右サイドバックも、ダニー・ダ・コスタ(インゴルシュタット)の買い戻しで対応するなど、抜け目がない。

後は、噂通りにアレクサンドル・ドラゴビッチ(ディナモ・キエフ)の獲得に成功すれば、文句を付けようが無い補強となる。

一方で、出番を得られなさそうな若手は積極的にローン移籍で経験を積ませる方針のため、未来への布石もきっちりと打っており、レーバークーゼンが本当の意味での強豪チームへ生まれ変わろうとしているのは間違いないだろう。

現状、ブラントと主将のラース・ベンダーは五輪に出場しており、シーズンの開幕には間に合わないだろうが、不在を感じさせない陣容となっており、最後のテストマッチであったレアル・ソシエダとの一戦も快勝。順調な仕上がりを見せている。今季の目標として「必ず一冠を獲得する」とシュミット監督が掲げているが、その実現も決して夢物語ではないだろう。


今季の予想布陣

注目選手は、何と言ってもケビン・フォラントだろう。



昨季にアランギスが塗り替えたクラブの移籍金最高額を再び塗り替える2000万ユーロで加入した。179cmと大柄ではないながら、攻撃的な位置ならどこでもこなせるオールラウンダータイプの選手であり、突破力、パスセンス、シュート力と現代のストライカーに求められる能力を高い水準で併せ持っているのが特徴だ。

特に昨季は、ベララビの持っていたブンデスリーガ最短ゴール記録を塗り替えたのが記憶に新しい。



ここまでのテストマッチでも、その能力を遺憾なく発揮してゴールを量産しており、今季はブンデスリーガのみならず、チャンピオンズリーグでも大いに活躍してくれるだろう。チチャリートとのコンビも回を重ねるごとに連携がスムーズになっており、得点、アシストともに2桁を期待したい。それをできるだけの能力は、絶対に持っているはずだ。




■5連覇は既定事実

文・YAMADA



2016-17シーズンもバイエルンは安定して上位をひた走るだろう。現在のチーム編成を見ても、大きく勝ち点を落とす理由は見当たらず、大正義バイエルンが国内5連覇するのは既定事実のように見える。

ポイントは、アンチェロッティ新監督がどれだけ故障者を出さず、上手にターンオーバーさせてリーグ戦の勝ち点を積み重ねられるか。そして、ライバルチーム、ことにロジャー・シュミット監督率いるレーバークーゼンが、どこまで「ネバークーゼン」の汚名返上に本気になるか、である。

カモン!ライバル!

(あえて上から目線で書いてみました)

さて、16-17シーズンのバイエルンの最終ラインの4人を予想しろと言われたら、大抵の人は左からアラバ、フンメルス、ボアテング、ラームという並びを答えるだろう。そして、もしCBのどちからが故障してもハビ・マルティネスがいるし、いざとなればアラバやキミッヒもCBができるから大丈夫とのたまうだろう。

おいおい、本職のCB、ホルガー・バドシュトゥバーの存在を忘れちゃ嫌ですぜ?


バドシュトゥバー(左)とロッベン

今でこそドイツ代表のCBといえばフンメルスとボアテングが主軸だし、CBからのフィードやビルドアップという点で彼らがクローズアップされることも多くなった。が、バドシュトゥバーの左足のキック精度は長短ともに素晴らしく、過去にはコーナーキックやフリーキックも蹴っていたのだ。

確かに、この身長190cmのドイツ人は2012年秋頃から長期故障離脱を繰り返している。いくら基本能力が高い選手とはいえ、これだけ長期故障が多いとファンとしても彼を戦力としては考えにくいだろう。

でも、だからこそ、故障離脱から戻ってきたバイエルンの背番号28番がピッチに立った際には、他サポさんも彼に注目してもらいたい。試合に出られる喜びを身体中からほとばしらせたホルガーが見られるだろう。

だた、一点注意してもらいたいのは、バドシュトゥバーが眉間に皺を寄せた顔をしていたとしても、不機嫌なのではない。元々がそういう顔なので、そこは勘違いしないよう、宜しくお願いします。



~終わりに~

2015-16シーズンの「回顧録」が14人、今回が9人。人数は減り、クラブのラインナップも少なくなってしまいましたが、コラムの“濃度”は維持できたと思います。特に、常連の執筆者は回数を重ねるごとに独自色を強めており、面白い切り口や表現が目立ちました。硬いだけ、柔らかいだけのコラムでは、万人に受け入れられません。理想は、独ブンデスリーガの初心者も玄人も楽しめる“硬軟自在”です。その意味で、着実に進化の道を歩んでいると確信します。

先日、いわゆる「エアインタビュー」が日本のフットボール界を騒がせました。真相は不明ですが、我々は今後も真摯に、嘘偽りなく独ブンデスリーガへの愛情を表現していきます。1人でも多く、ファンを増やすために――。

この志に共感し、プロジェクトに参画してくれる“人財”の登場も、心待ちにしております。執筆者に必要なのは「愛情」のみです。文章の巧拙を気にする必要はありません。そもそも、「文章の質が~」と他人にやかましい人間に限って、自身は下手なのです(毒を吐くな)。一緒に独ブンデスリーガを盛り上げたいという方の“挙手”を、私は切望します。



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